「…相変わらずまだ会議してるんですか?」
小さく笑う声に顔を上げれば、肩まで伸びた榛色の髪を揺らして笑う志歩がいた。
「あ、日野森さん」
「おお、志歩ではないか!」
「珍しいな、んなとこで」
先に気づいていたらしい寧々と、明るい声の司、その彼を迷惑そうに見ながら言うのは彰人だ。
「桐谷さんと用事があってね」
それにくす、と笑う志歩に、また別の声がかけられる。
『お、志歩だ!久しぶり!』
『え、あ、本当だー!久しぶりだね、志歩ちゃん!』
「…あ、DJのレンとショーをしてるレンもいたんだ。二人とも久しぶり」
『ん?二人もいるのか?』
ふわ、と司のスマホと彰人の浮かぶのは少し前にあったセカイのレンたちだ。
その声を聞いたらしい志歩のセカイのレンも顔を出す。
「うお。…日野森もセカイあるんだっけか、そーいや」
「あ、そっか。あの時いたのは白石さんだったもんね」
『オレはいた!』 
「へーへー、良かったな」
驚いたらしい彰人に、彼のセカイのレンが手を挙げる。
適当に返事をする彼は何だか面倒みが良い兄のようだな、なんて志歩は思った。
「…そういえば、このメンバーが集まってる、ってことはもしかして」
「うん、もしかしなくても、だよ」
志歩のそれにくすくす笑うのは寧々だ。
「毎年ショーっつうのも目新しさがねぇだろ」
「何おぅ?!ショーは毎回発見があるのだぞ?!」
『そうだよー!彰人くんもやってみたら楽しいよ?』
「…毎年巻き込まれてんだっつー…」
『…彰人ってまあまあ苦労人?』
『んー、そうかも?』
熱弁する司と彼のセカイのレン、がっくり肩を落とす彰人、それにこそこそと聞く志歩のセカイのレン、小さく首を傾げるのが彰人のセカイのレンだ。
「ま、まあ青柳くんが喜ぶのはショーだし」
「あいつが喜ぶショーは司センパイが関わってるやつだけだろ」
「お、嬉しいことを言ってくれる!…だが、確かに新たな驚きという視点は必要だな」 
フォローする寧々に、彰人が言った。
明るく笑った司がふむ、と考え出す。
そういえば、と志歩が首を傾げた。
「神代先輩はいないんですか?」
「ああ、類なら今年は青柳くんと一緒にいるよ」
ほら、と志歩の疑問に答えるように寧々が指をさす。
その先にいるのは冬弥と類、それから杏と…何故か遥もいた。
スマホを見せあっているからセカイのバーチャルシンガーもいるのだろう。

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