「チョコ作り、がんばるぞー!」
「「おー!!」」
杏のそれに、青い髪の二人が拳を突き上げる。
さて本日バレンタイン。
何をするかと言えばそれは勿論バレンタインのチョコレート作りである。
「…でも良かったの?キッチン借りちゃって」
「いーのいーの!昼間は使わないしさ」
青い髪の二人のうちの一人…遥が首を傾げる。
それに杏があはは、と笑った。
「正直助かるな。ありがとう、白石」
お礼を言うのは青髪のもう一人、冬弥だ。
今日のチョコレート作りを打診してきた張本人でもある。
「私も。…ありがとうね、杏」
「どーいたしまして!こっちこそ、材料費出してもらって良かったの?」
杏のそれに遥と冬弥が笑った。
「場所を貸してもらうのだから、当然だろう」
「それに、チョコ作りも指南してもらうしね。…期待してるよ?杏先生?」
「あははっ、じゃあ厳しく行っちゃおっかな!」
遥のそれに杏がウインクをする。
「んじゃー、早速やっちゃおっか!…冬弥は何を作りたいんだっけ?」
材料を広げながら杏が問うた。
そうだな、と冬弥はスマホを見せる。
そこにはレシピの記事があった。
「オレンジピールを使ったチョコレートだ。オランジェットと言うんだったか」
「…あ、それ、こないだイベントで獲り損ねたやつだっけ」
「ああ、そうだ」
「…イベント……?」
杏と冬弥のそれに遥が不思議そうに首を傾げた。
「うちの学校でちょっと色々ね」
「…相変わらず不思議なことやってるね」
肩を竦める杏に、遥が小さく笑う。
「杏は何にするの?」
「私?私は、草薙さんがグレープフルーツ好きって言ってたからグレープフルーツを乗せたチョコレートケーキにするつもり」
「…本格的だな…」
えへん、と胸を張る杏に冬弥が驚いたように言った。
素人の冬弥にとっては難しそうに聞こえたのだろう。
「意外と簡単なんだよ!…それで遥は?遥も日野森さんの好きなものにするの?」
「そうだな、日野森さんの好きなものはラーメンだからちょっと…」
そう言った遥は「マカロンにしようかなって」と笑った。
「マカロン?美味しいけど、なんで?」
「…ふふ、内緒」
きょとんとする杏に遥が意味深に言う。
だが、冬弥は何かに思い至ったようだ。
「…ああ、なるほど」
「あ、わかっちゃいました?」
「はい」
「えっ、何?!二人だけでずるいじゃん!」
含みのあるそれに杏がもー!と声を上げる。


今日は聖バレンタイン。


好きな人のために一生懸命になる日!

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