ヤンデレイナス×ロナード(フラフロSSS

ロナードの声がする

俺の前では見せたことのない笑みで


ロナードが微笑む


俺じゃない、他の誰かに




なあ、ロナード

お前はどうして俺の前から居なくなるんだ?

1度だけじゃない


何度も、何度も何度も何度も
お前は俺の前から居なくなる

どうして?
なあ、俺は分からないよ


(ならば閉じ込めてしまえと誰かが言う)


(そんな事、「          」)



「・・・レイナス?」
「え?」
心配そうなその声に俺はハッと意識を戻した。
首を傾げたロナードの、長い髪が揺れる。
「どうした?ぼんやりしていたようだが」
「・・・あー・・・大丈夫だよ、なんでもない」
「・・・。無理はするな」
「お前が言う?」
ロナードの言葉に俺は笑いながらそう返した。
・・・笑う、か。
ねぇ、ロナード。
俺は今笑えてるかな。
「仕事は手伝っているだろう」
「その仕事を増やしてるのはお前だろ」
国王暗殺未遂の容疑者として逃亡を続けていたロナードがまさかの無実・・・それを国民にどう伝えるか、というのが今の俺の最大の課題だ。

『逃亡』
犯罪者という汚名を被って裏社会で生きていた事。
弟・・・セイリオスの事を誰にも言わずに生きてきた事。
ロナードはこの事実を誰にも相談せずに一人で抱え込んでいた。
俺に相談してくれれば良かったのに、そんな子どもっぽい理由で日々鬱屈してるわけじゃない。
どうして?
どうして俺から遠ざかろうとするんだ?
・・・いつだってそうだよ、お前は。

(お前はきっとこれからも何かにつけて俺の元から離れていこうとするんだろ?)

(なぁ、ロナード。俺はそれを望んでいないっていうのにさ!)



「全てが終わったらゆっくり出来るだろう。・・・少なくとも、お前は」
ニアを大切にしてやれとロナードが笑む。
俺から離れようとする目で・・・ロナードが俺を見る。
・・・俺、は。
俺は、さ。
「お前には言われなくなかったな」
「・・・。・・・?レイナス?」
書類を腕に抱えたロナードがその背後に立つ俺を振り仰ぐ。
俺の知らない『秘密』を多く纏わせた長い髪が、揺れた。

(ねぇ、俺はもう戻れないんだよ)



(だから)


「責任、とってよ」


「・・・レイ・・・!」
俺の名前を紡ごうとしたロナードの身体が大きく傾ぐ。
それを受け止め、長い髪に口付けた俺は小さく嗤った。

ねぇ、ロナード

これからはずっと一緒だよ


もう誰にも渡さない


もう何処にも行かせない

一生俺のものだ


・・・もう、絶対に離さない




ロナード、ロナードロナードロナード


オレダケノ、イトシイ、オマエ

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