さて、本日電子の歌姫こと初音ミクの誕生日です。

…誕生日…だよな…??


「ミク姉ぇ、誕生日おめー」
「…あ、レンくん。ありがとー」
ヒラヒラ手を振るおれにミク姉ぇが軽く言う。
大体こんなもんだよな、姉弟なんてさ。
っていうか…。
「…んで、誕生日なのになんで難しい顔してんの?」
何やら難しい顔のミク姉ぇにおれはアイスの袋を破きながら聞く。
「…。…レンくんはさ、今年のマジカルミライをどう思う…?」
「は?」
逆に質問を仕返されておれはぽかんとしてしまった。
えっと、今年のマジカルミライ…?
「…兄さんが美しかったな」
「それはそう」
「あと、今年はおれも楽器持った!」
「うん、おめでとう」
「ありがとう。…んで、なんだよ、答えは」
ミク姉ぇはまだ難しい顔してるからおれはアイスを頬張りながら首を傾げる。
っていうか何その質問。
「お兄ちゃんとルカちゃんがタンゴ踊ってたぁ…っ!」
「…あー…」
顔を突っ伏すミク姉ぇ。
そういや踊ってたな…。
「いいじゃん、ミク姉ぇだって今年2曲踊ってたろ」
「でも!あんながっつり手を繋いでるとは思わないじゃん!」
「タンゴだしな」
「なんでそんな余裕なの?去年Flywayったから?」
「何、Flywayったって」
ちょっと眉を顰めれば、だってさぁ、とミク姉ぇが頬を膨らます。
「兄さんとルカ姉ぇだろ?絶対何もないもん」
「まあ確かにそうなんだよねぇ」
うーん、とミク姉ぇが上を向いた。
別にそういう心配はしてないっぽい。
じゃあ何だっていうんだ?
「っていうか練習してるとこも見ただろ」
「うん、見た。あんなバッチバチな曲踊ってると思わないくらいふわふわしてた」
「…それはそれでどうかとは思うけど…。…じゃあ問題ねぇじゃん」
「そうなんだけどさぁ、そうなんだけどねぇ」
ミク姉ぇがなんかウネウネしだす。
なんでそんな迷ってんだろ。
「ミク姉ぇも誕生日プレゼントにタンゴ踊ってもらったら?」
「…なるほどその手が…!」
おれの軽いそれにミク姉ぇが新たな考えを得たと言わんばかりに目を輝かした。
え、そんな??
「距離が近いのが良いな、やっぱmagnetかな」
「magnetってタンゴか…?」
ルンルンと楽しそうなミク姉ぇにおれは疑問を小さく投げかける。
まあミク姉ぇが幸せそうなら別に良いけどさ。
今日は誕生日なわけだし。
「んじゃーおれ行くわ。良い誕生日をー」
「うん、ありがとー!…ルカちゃん!初音さんとmagnet踊らない?!!」
パタパタと走っていくミク姉ぇに手を振って見送る。
いつもは暴走しないように止めるけど…。
…ま、たまには良いよな。


(だって今日は歌姫が世に生まれた日!)



「…あ、レン。今ミクがルカにダンスの申込みに来てたけど、あれって…?」
「兄さん。…今日はお誕生日様だからさぁ。おれからのプレゼントってやつ」

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