sss!(へたりあ)

随分と時代と・・・そして自分自身が変わったものだ、と日本はぼんやり窓の外を見つめて思う。
洋装だってその良い例だし、そもそも引き篭っていたのから出てきたこと自体が日本にとって奇跡としか言いようがない。
「・・・日本?」
ふわりとした声が聞こえて思わず振り向いた。
小さく首を傾げてドアの前に立っていたのは世界の大英帝国様ことイギリスである。
「ああ、イギリスさんでしたか。・・・お二方と食事に行かれたのかと」
くすりと笑い、あの世界でも1・2を争う大国に、先程会議が中断されたことを揶揄する、などということが出来るのも自分にとっては大きな進歩だ、と目の前のイギリスを見つめながら思った。
「っ、あいつらと一緒くたにすんな!」
かあっと頬を染めるイギリスが可愛いと思う。
中身に比べて童願な所為だろうか、少し子供っぽい彼に日本は思わず頬を緩めた。
「・・・笑ってんじゃねぇよ・・・」
「・・・ああ、すみません」
拗ねたようなイギリスににこっと笑いかける。
不意に遠くで時計の音が聞こえた。
そろそろ会議が再開される時刻らしい。
よくもまあ時間にうるさいドイツがこの休憩時間を認めたものだと思いながら会議室に戻るために足を踏み出した。
その途端である。
ぐらりと視界が揺れた。
え、と思う間もなく足が蹌踉ける。
危ないっと小さな声と共に崩れかけた日本の態勢は受け止められていた。
「大丈夫か?」
心配そうに覗き込む、イギリスの綺麗な顔が近い。
流れるような金髪とアップルグリーンの瞳は端正な顔立ちの彼にまるで当て嵌られたようだった。
「・・・ええ、大丈夫です。すみません」
「そうか。・・・気をつけろよ」
穏やかに微笑むイギリスに流石英国紳士と呼ばれるだけある、と日本は思う。
見惚れてしまうほどに美しく、それでいて彼のそういう行動一つ一つがスマートで気障っぽくない格好良さがあった。
「・・・何してんの?お二人さん」
彼の優しい声に返事を返そうとした刹那、怪訝そうな声が掛けられる。
見れば会議が中断された原因の一人、フランスがいた。
「うるせぇよ、ばーか」
「ちょっ、おまっ、何してんのって聞いただけでこの仕打ち?!」
イラッとした表情を隠そうともしないイギリスと美の国家だけある端麗な顔を崩して大仰にリアクションをしてみせるフランスが面白い。
「酷いと思わねぇ?!なあ、日本!」
「・・・え、そうですね・・・。・・・答えは差し控えます」
自分に同意を求めてくるフランスに日本はにこりと笑いかけた。
途端ぱあっと表情を明るくさせるイギリス。
そんな風にして笑ってくれる彼が日本は好きだ。
勿論そんな事は言わないけれども。
「3人で何してるんだい?」
会議始まっちゃうぞ!と明るい声で割って入ったのは会議が中断された一番の原因であるアメリカだった。
先程お腹がすいたと喚いていた彼の手にはホットドッグがしっかりと握られている。
「・・・アメリカさん、ケチャップ零さないでくださいね・・・」
「ええっ?分かってるさ!もー、心配性だなー、日本は!」
イギリスみたいだぞ!と笑うアメリカに当のイギリスが素っ頓狂な声を上げた。
「はぁっ?!っつかお前それ、褒めてないだろ、なあっ!」
「どっちもどっちだとお兄さん思うなー」
「・・・どういう意味ですか、それ」
ぎゃいぎゃいと文句を言うイギリスを尻目に、ぼやくように言ったフランスに対してくすくす笑いながら突っ込みを入れてみる。




平和な時が流れている・・・ー

そう思いながら日本は3人とともに会議室へと戻った


ーーー
英日・・・と思って書いたんですがどう見ても英総受けです・・・にこっ?
稚拙な文章でごめんよ;;
親愛なる蜜柑さんへ捧ぐ!!

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