イチャイチャ10題・お姫様抱っこ(レイロナ

・・・珍しいこともあるもんだ。
「・・・ん・・・」
俺が見つけたとき、ロナードは人がよく通るリビングにいた。
いや、リビングに一人でいるのはよくあるんだけどその状況が珍しくて・・・。
「・・・良く寝てる」
イスに凭れ掛って寝息を立てるロナードの顔を覗きこんでそう呟く。
ロナードって寝るときは絶対自分の部屋か人に見つからない場所で寝るからな。
リビングとかで寝てたとしても誰かが通るとすぐ起きるからこんなに熟睡してるのも珍しい。
・・・ロナード・・・野良猫じゃないんだから・・・。
「・・・ロナードー・・・」
そっと呼んでもぴくりともしない。
よっぽど疲れてるんだろう。
だったら自分の部屋で寝れば良いのに・・・。
・・・しょうがない、運んでやるか。
「・・・よっ・・・と」
寝てるロナードを起こさないように抱き上げる。
ロナードって意外に軽いんだよな。
大柄だからもっと重いかとも思うんだけど、そうでもない。
割と引き締まったっていうか・・・必要最低限の肉はついてないっていう感じ?
それでもひ弱って感じとは程遠いんだから凄いと思う。
やっぱ軍人だよなー、俺も軍人だけど。
「・・・なんかロナード・・・可愛い」
くすっと笑って藍色の、すっかり短くなったロナードの髪を撫でた。
何か性格が丸くなったよなー・・・。
寝顔からでもよく分かる。
士官学校時代のロナードは氷の女王って言われるくらいだったんだけど、今はなんていうか・・・おかん・・・?
「・・・ん、ぅ・・・?」
「あ、起きた」
うっすら目が開いてアクアマリンの目がふわりと動いた。
暫く定まらなかった視線が俺を捕らえる。
「・・・レイ、ナス・・・?」
「おはよ、ロナード」
ぽやんとしてるロナードに笑いかけた。
「・・・何を・・・して、いる・・・?」
「え?何って・・・運んでるんだけど」
疑問符を浮かべるロナードににへらっと笑いかけると、眠たそうながらに呆れた表情をしてくる。
「・・・この運び方はないだろう」
「え?いやぁ・・・あはは」
ロナードに指摘されて気付いたけど・・・そういえばこれってお姫様抱っこ、だっけ。
「いいじゃん、楽だろ?」
「・・・自分で歩いた方が早い・・・。・・・お前に運ばれたところで何されるか分からん」
「あ、何それひっどい」
もー・・・寝てるときは可愛いのに起きたらこれだもんなぁ。
まあ半分くらいは俺の所為だけど。
「・・・だが・・・」
「ん?」
「寝ては、いられる・・・な」
くすり、とロナードが笑う。
え、何それ。
ツンデレ?ツンデレなの、ロナード?!!
「ロナード?」
「・・・何もするなよ?」
にこ、と笑ったロナードはまた瞼を閉じてすぐに寝息を立て始めた。
「・・・ええ・・・?」
ちょ、生殺しですかロナードさん。
・・・可愛いけど、可愛いけどさぁ・・・!
「・・・。・・・まあいいや」



腕の中で寝息を立てる氷の女王様



いうなれば俺はそれを守るナイト



「・・・んぅ・・・」

・・・ちょっと・・・守れる自信が無くなってきたんだけど・・・どうしようかな・・・。



ーーー
短めレイロナ!
もうすぐ暴走しそうなレイナスと無自覚に誘うロナードさん。
酔っ払いか風邪か迷って普通に寝かせてみました(笑)

そんな訳でイチャイチャ10題終了ーわー!!
終わって良かった!
最初に長くさせすぎたので後半になるにつれて短くなっていったという(笑)
楽しんでいただければ幸いです!


さー、プール行ってくっぞ!←

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