アルビノちゃんと赤咲先輩!!(鳩彼・sss)

岩峰先生と坂咲先輩の2P亜種派生小話最後!
ずっといい忘れてたんですけど、BBL後です、これ。
先輩はあの後からが大変だと思う訳で・・・というか全て終わった後の話の方が書きやすくて・・・(私が)
エンドロール後妄想好きです(笑)

(小説は帰ったら書く、よ・・・!)
(追記)

染色体異常の欠失はモノソミーというらしいのでソミさんとかでもいいかな、赤咲さん・・・。
そしたらアルビノちゃんもチロちゃん呼びで統一した方がいいね?
目の色とかで呼ぶ方がいいかもなーとかとか。
でも白地に赤目というのをアルビノ、と呼ぶ訳で・・・うーん。
同じ、作られたもの同士ということで意外と仲が良いです、インターン組。
幼稚園児とかがよくやってる「僕達仲良しだもんねー」「ねー。あ、それ貸して!!」「やだ!」「なんで!もー嫌い!!」みたいな関係性だと可愛い。
そんなどうでもいいことを考えつつ、2P亜種派生3部作最終です!
・・・要望があったら続き書くかも(笑)

ーー
(朔優・岩坂前提アルビノ+赤)
薄暗い廊下にペタペタと音が響く。
白い髪が不安定に揺れ、それに呼応するようにその鳥はくすくすと微笑した。
「ふふー」
何が可笑しいのかにこにこ笑いながら機嫌良く歩いているのは岩峰舟のスペア、「w-tn11-10485-Type I」、通称『アルビノ』である。
先程まで【遊んで】いたのだろう、身体に紅いものが飛び散っていた。
「・・・何をしているの?」
ふと声が聞こえた気がして『アルビノ』が振り返る。
「・・・?だあれ?」
疑問を口にして、『アルビノ』は首を傾げた。
ペタペタと音を立ててその鳥・・・『彼』に近づき、そっとその頬に触れる。
「め、あかいんだ。ゆうやとちがう」
「・・・!ゆうやを、知ってるの?」
きょとん、と『彼』が聞いた。
「うん。しゅうのたいせつなもの。ゆうやかわいいよね」
にこっ、と『アルビノ』が笑う。
「しゅう先生の事も知ってるんだ。じゃあ僕らは一緒だね」
ふわりと『彼』が微笑んだ。
話が噛み合っていないが、本鳥達はどうでも良いらしい。
「きみは、だれ?」
「僕?僕は・・・『ch-d47-32001-Type K』ゆうやのクローンだよ」
「ふうん?」
軽く笑う『彼』に『アルビノ』は興味なさそうに言った。
元々『アルビノ』は他鳥に興味が無い様に【作られて】いる。
・・・そのはずだった。
「あのね、あっちからそとがみえるんだよ!」
「本当?」
「うん、こっち!」
首を傾げる『彼』の手を取って走り出す。
薄暗い廊下に二羽分の走る音が響いた。
窓が一切ない廊下の一番奥、古いタイプのハッチの下で二羽は立ち止まる。
「ここ?」
「そう。ここからね、そらがみえるんだ」
にこにこと『アルビノ』が笑う。
「空?」
「うん!ゆうやのめのいろといっしょ」
「優夜の・・・目の色」
「きれいだよね、そらのいろ。すきだよ」
「・・・僕も好きだよ、空の色」
顔を見合わせて二羽は笑い合った。
まるで秘密を共有する子どもの様に。
「あとね、あかもすき!・・・そのほかのいろはわからないの」
「そうなんだ?」
「うん。ぜんぶいっしょにみえる」
少しつまらなさそうに『アルビノ』が言う。
「でもね、きれいなあおがあかにかわるのって、きれいだとおもうんだぁ」
両手を上に挙げくるくると廻りながら『アルビノ』が無邪気に言った。
「青が、赤に・・・。・・・いいね、素敵だと思う」
「そうおもう?」
「うん!」
『彼』が頷くと『アルビノ』はぱっと笑顔になる。
同意を得られたのがよほど嬉しかったのだろう。
廻るのを止めてぎゅっと『彼』の手を握ったその時、『彼』が不思議そうな表情で振り返った。
首を傾げた『アルビノ』の耳に、廊下の向こう側からの声が聞こえる。
(「・・・優夜!」)
(「・・・っ!・・・サリュー、朔夜」)
一羽は【知らない】、しかしもう一羽は先程まで二羽が話題にしていた相手、坂咲優夜だった。
「・・・!さく、や」
「・・・?しってるの?」
「・・・うん。しろがねさくや。ゆうやの、大切な鳥」
硬い表情でそう言う『彼』に『アルビノ』はふぅん、と返す。
どうやら『彼』の方は優夜と話している相手が誰かを知っているらしかった。
(「貴様、また無理をしているだろう!」)
(「あはは、心配してくれるんだ?優しいねぇ、朔夜は」)
(「またそうやって誤魔化す・・・!レオネから聞いたぞ!!」)
(「・・・。JBはすぐ・・・」)
怒ったような声・・・朔夜に優夜が小さく溜め息を吐いた。
(「大丈夫だよ、心配しないで」)
どこか子どもを諭すような優夜の声が聞こえる。
(「貴様の言うことは信用出来ん。特にこういう事においてはな」)
(「・・・はは。手厳しいなぁ、朔夜、は・・・」)
(「・・・!おい!!」)
壁の向こうから聞こえてくる声が焦ったものに変化した。
続いて聞こえる、どさっという音。
どうやら急にふらついたようだ。
姿は見えなくてもそれくらい分かる。
(「大丈夫なのか?!」)
(「・・・うん、平気。大丈夫」)
(「・・・。大丈夫な奴が倒れたりするか。まったく、貴様は・・・」)
朔夜の呆れた声と優夜の困ったような声。
お互い本気ではないのだろう、聞いていて何処かもやもやした。
・・・それが何なのかは『アルビノ』には分からなかったが。
「・・・ゆうやは、さくやのものなの?しゅうのものじゃないの?」
「ゆうやは僕のだよ」
首を傾げて聞いた『アルビノ』に、ムッとした顔で『彼』が言う。
・・・と。
「・・・貴方達何をしているのですか」
低い声が廊下に響く。
振り返った先に居たのは腕組をした岩峰舟であった。
「部屋の外に出るなと言ったはずですが?」
舟が不機嫌そうに言う。
「戻りなさい、Type I」
「はぁい」
「Type K、貴方もですよ」
「分かってる」
イライラと指示する舟に二羽は素直に従った。
「ねぇ」
ぴょこんと白い髪を揺らして先を歩いていた『アルビノ』が振り向く。
子どもの様な足取りで『彼』に近づき、何かを耳打ちした。
少し驚いたような表情をした『彼』もにこりと微笑む。
「・・・何です?」
「ん〜・・・内緒!」
パタパタと駆けて行った『アルビノ』を見やり問いかけた舟に『彼』は無邪気に笑った。

『アルビノ』と『彼』の約束は子どものそれだ。
言葉以上の意味などない。
だからこそ。
「・・・勝手に決めないで欲しいものですが、ね・・・」
舟の小さな呟きは、暗い部屋に消えた。

「ゆうや、こわれたらかしてね」

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