レオ錦坂(鳩彼・SSS

「遊びに来てあげたよ、坂咲優夜!」
「帰ってください」
わざわざ忙しい合間を縫って来たっていうのにこれだ。
最近の子は礼儀がなってないよ、まったく!
「言っとくけど忙しいんだよ?僕は」
「じゃあ俺に構わず」
「あ、今日は眼鏡してないの」
「聞いてます?俺の話」
呆れ顔の彼の、眼鏡の無い顔をじっと見つめる。
マリンブルーの眸が直接僕を映した。
眼鏡なんかで隠さなくても綺麗な顔してるんだから、やめたほうが良いと思うけどね。
「意外と眼鏡取ると年相応だね、君」
「・・・あの?」
「そっちのほうが良いよ。可愛いし」
「ちょっと・・・!」
困った表情を浮かべて坂咲優夜が後退る。
む、僕に近寄られたくないって・・・?!
「うわっ?!!」
彼の身体がぐらりと揺れた、と感じた時には僕の身体もバランスを崩していた。
一応僕の方が大人な訳で、諸々考えると彼に僕を受け止める力があるはずもなく・・・。
「・・・っ?」
「っ!レオネ!」
坂咲優夜とぶつかった感触はなく、寧ろ誰かに抱き上げられる感覚に目を開ける。
驚いた彼の声に振り仰ぐと、難しい顔の・・・ええと、レオネ?が立っていた。
「何をしている、錦小路斗織」
「何、って・・・」
「坂咲優夜、お前もだ」
「・・・何で俺まで」
ふい、と坂咲優夜がそっぽを向いた。
気恥ずかしいのか頬が赤い。
・・・それにしても、危ない時にさっと来て二羽とも余裕で助けるこの姿勢・・・。
きゅんとはしないけど、美しいよ!
・・・きゅんとは・・・うん・・・。

今度誰かにこういうシチュエーションの漫画書いてもらおう、と頭の隅で思った。

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