幼児化っ(カイカイ・ボカロSSS

「何、これ・・・」
引きつった表情でホワイトブレザーが呆然と呟いた。

天使がいる。

一瞬はそう思ったものの、頭を振って打ち消した。
確かに子どもというのは天使だと評される場合もある。
しかし、これは別だ。
「由々しき事態、と言ったほうがいいんでしょうか」
「・・・かな」
何とも曖昧な表情で【彼ら】を見るスミレにそう返す。
同じカイトモジュールでこんなことをするのはただ一人。
「ジーニアス先生!」
「ん、どうしたのかな、ホワイトブレザー君?」
「どうしたのかな、じゃないですよ、なんですかこれ!」
人の良い笑みを浮かべるジーニアスに抗議し、【彼ら】を指差した。
途端に、それが意地の悪いものへと変わる。
「私の最高傑作です」
「人のモジュールで遊ばないで頂けますか?・・・大体、先生にはギルティさんがいるでしょう」
憮然としたようにスミレが誇らしげなジーニアスに言った。
「サンプルは多い方がいい」
「時雨は僕のなんですけど」
「クラシックはぼくのです!」
不満そうなスミレとムッとした表情のホワイトブレザーが同時に言い放つ。
不問なやり取りが行われているとは知らず、【彼ら】・・・ジーニアスの薬により幼児化したギルティ・クラシック・時雨の3人はすやすやと眠り続けていた。

name
email
url
comment