あれ、と志歩は止まる。
ここで見るのは久しぶりだな、と思った。

「あら!お帰りなさい、しぃちゃん!」
「ただいま。…うちで企画練るの、久々じゃない?」
パタパタと姉がキッチンから駆けてくる。
そう聞く志歩に、そうなの!と雫が言った。
「実はね、愛莉ちゃんとみのりちゃん、私と遥ちゃんとのペアで企画勝負をすることになったの。最初はお互いモアモアハウスでやる予定だったのだけれど、何かの拍子でバレても困るでしょう?だから、私たちの企画は私の部屋で練ることになって!」
「…ああ、なるほど。…ところで、キッチンの方は良いの?」
嬉々として教えてくれる雫に苦笑しながらそう指摘すれば、大変!とまた戻っていく。
全く、と息を吐き、志歩はそっと襖を開けた。

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