ひみつ(ねんへし燭SSS・ワンドロお題)

ふたりだけのひみつのはなし

ないしょ、ないしょ、ないしょのはなしはあのねのね?




ほしがふってきたんだ、とねんが言った。
こいつの話は時たま驚くほどに難解で、俺は首を捻る。
「星・・・?」
「ああ!それはおどろくほどあまく・・・っと」
得意気な顔で言っていた(同じ顔なだけ余計に腹が立つ)ねんが口をつぐんだ。
それからにやりと笑う。
「これはみつとのひみつだった」
「・・・なんだ、それは」
「でかいのはしらんでいい!」
「おいこら待て貴様、ねん!!」
ぱたぱたと駆けるねんを追いかけようとし・・・ふと違和感を感じた。
下を見れば別のねんどろいどがとてとて走っている。
「ねん光?」
「っ!!!」
ひょいとつまみ上げるとばたばた足を揺らすねん光。
手には何か植物だろうか、大事そうに抱えていた。
「どうした?それ」
「〜!!〜!」
じたじた暴れるねん光のそれを取ろうとすれば嫌々と首を振る。
仕方がないので下ろしてやれば怒った表情でそれから口の前に指を一本突きだした。
静かに、という意味かと思えば植物を抱えながら俺を指差し、小さい、という動作をしてから再度指を一本口元に持っていく。
それからその指を小指に変えもう一方の片小指に絡ませた。
「ねんと秘密の約束をした、か・・・?」
そう言えばへにょりと笑う。
どうやら正解だったらしい。
ねんも、ねん光と秘密の共有か。
まあ微笑ましいな、と思う。
何故なら。
「・・・ん、ぅ」
珍しく仮眠中の光忠の枕元に金平糖やら鈴蘭が置いてあるのだから。



(たのしいたのしいふたりのひみつ

あまいほしとおとのなるはなをだいすきなあのひとにおくりましょう


ないしょ、ないしょ、ないしょのはなしはあのねのね?)

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