LollipopSweettime

「…は?」
少年から返ってきたDMの返信を見て、思わず固まってしまった。
『長谷部さんなら、何されても良いなぁって』
たった今送られてきたばかりのそれはなかなかに目が覚める内容で。
いやいや、待て、これは社交辞令だ、と緩く首を振る。
そも、顔も見えない相手でありながら(いや、一度会ったことはあるのだが)幾度かやり取りを交わした仲であるこの少年、長船光忠が何故そんなことを言い出したのか。
何のかんのと理由はあるのだが大きなところは俺が最近疲れている、と言い出した所に起因していた。
『なら、僕が直接癒してあげたいな』
彼から送られてきたそれは、暗に会おうと言われているも同義で。
直接会う何て言ったら何されるかわからないぞ、と言ったところ、冒頭と相成ったわけである。
可愛すぎか。
思わず頭を抱える。
冗談だとしてもそれなりに嬉しかった。
…それが社交辞令だとしても。
俺自身、人間関係に疲れていたせいもあったのかもしれない。
しかし、その時は『直接』の意味を深く考えてはいなかった。
ただ会って、話して、終わり。
それでも嬉しいと、思っていた俺は、カラオケは、と提示し、否、誰に見られるか分からないからホテルが良いと言われ目を丸くする。
ホテル。
それもビジネスホテルではなく、所謂ラブホテルで。
最初はいやいやまさか冗談だろうとたかを括っていた。
それがあれよあれよと数日前になり、彼は冗談ではないと知って、俺も覚悟を決めたのである。

そして、当日。

結論から言おう。
彼は想像以上に可愛らしく愛らしい少年だった。
最初は緊張から、他愛のない話を楽しんだ。
それから体を繋げてしまえば後はなし崩し。
もう一回欲しいと可愛らしくねだる彼を振りほどくのに理性をどれだけ使ったか。
光忠は可愛らしい。
気付けば俺は彼に愛を告げていた。
嬉しくて、と泣く光忠が愛おしく。
嗚呼、一生をかけて幸せにせねばと思ったのである。
「光忠」
『ん?なぁに??』
電話の向こう、愛しい彼の声が聞こえる。
「愛してる」
『んー……♡ふふー♡♡ぼくも……♡』
照れたような、嬉しさを滲ませたような声が届いた。
この、ふにゃん、と溶けたような声がまた愛らしく、本当に彼は。
(……犯そう)
可愛すぎか!!と脳内で一頻り暴れまわり、賢者に戻った精神で決意した。
ちなみにこの間きっかり1秒である。
嗚呼、なんだって彼はこんなにも可愛らしく俺を翻弄するのだろう!
『…??国重さん?』
ふぅわりと声がする。
少し眠くなってきたのだろう声で。
「どうした」
『えへへ、あのねぇ……好きだよぉ……♡』
可愛らしい爆弾に俺は、俺も愛してると伝えるので精一杯だ。
今すぐ無茶苦茶に抱いてやりたい。
もっと溶けた声を聞きたい、と願いながら。
俺は彼に堕ちていくのだ。

……光忠可愛い嫁にしたい嫁にする、と毎晩のように呟いて。

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