ねこみみポンチョとうさみみポンチョ可愛いよね!って話(ガデコディとドグタバ)

「あら、兄さん。ただいま」
教会のすぐ近くから賑やかしい声が聞こえ、外に出る。
そこには、ぱあっと顔を輝かす我が妹、コーディがいた。
最近、町にやって来た少年、ラッセルと共に出かけてはバケモノと戦う様になったコーディは数日前に比べて随分強くなったように思う。
兄として自分よりも強い妹を頼もしく思うべきなのか、はたまた年頃の女子としてどうなのか心配すべきなのか悩ましくはあるが…まあそれは良いだろう。
…何せ。
「?どうかした?ドグマ兄さん」
「…いや、その…コーディ。その服は…?」
首を傾げた際にふわりと揺れるそれを指摘すればコーディは、ああ、と明るく笑った。
「これ。ニャン族のカクレミノ行った時に貰ったのよ。そしたらラッセルが「コーディが被れば」って」
機嫌良く笑う妹に、ドグマは曖昧な笑みを浮かべる。
本人が嫌でなければそれに超したことはないのだけれど。
…と。
物凄い声が響き渡り、何事かと振り返る。
そこにはふるふると震えるガーデニアがいた。
「コーディの…」
「は?」
「コーディのツインテールが短くなって耳になったぁあ!!!」
「ちっ、違うわよ!!!よく見なさい!」
指をさすガーデニアに、顔を紅くしてコーディが怒鳴る。
無邪気なガーデニアにツンケンしながらも構うコーディ…割といつもの光景だ。
「あはは、相変わらずだなぁ」
柔らかく笑う声に振り向けばそこにはタバサが立っていた。
その頭上でうさ耳が揺れる。
…うさ耳が、揺れる?
「…タバサ。それはどうしたのかと触れても良いだろうか…?」
「ん?あ、これか?昨日
そこにいた皆、着けないって言うから。勿体無いだろ?」
カラカラ、笑うタバサはフードを下ろしてうさ耳が付いたポンチョを着ていた。
そこまでして被らなくても、とは思うが存外気に入っているらしい。

「いや、うむ、まあ…似合ってる、ぞ…」
「はいはい、ありがとな、ドグマ」
へにゃ、とタバサが笑う。
あまり信じていなさそうなそれに私は声を荒げた。
「世辞ではなく!私は本当に…!」
「分かってる分かってる。ドグマ、嘘つけなさそうだもんな。…まあ23の男が似合ってるのもどうかと思うけどさ…」

「えー、タバサは似合うよー!童顔?だし」
「え、お前それ褒めてんの」
「褒めてるよ、やだなー!!」
嫌そうな顔のタバサにガーデニアが明るく笑う。
ああも明るく褒めることが出来るのは、彼女の長所だろうな。


「なあ、タバサよ」
「んあ?何?ドグマ」
「…その、撫でてみても良いだろうか…」
私のそれにきょとんとしたタバサはややあって、いいぜ、と言った。
「ドグマ、何でか動物に嫌われるもんな。…俺で良ければ」
ニコニコ笑うタバサは…まあ悪気はないのだろうが。
気を取り直し、失礼して、と手を伸ばす。
「あはは、硬い硬い。動物がビビるぞ?もっと、優しく」
「む」

嗚呼神よ!!
神父である私が年下の男を可愛いと思うのは、赦されることなのだろうか!!

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