おっぱいの日アカカイ

さて、俺は今大変な状況にあるのですが聞いてもらえますでしょうか。
「…。…えっと、入出…?」
戸惑ったようなカイコクさんの声が頭上から聞こえる。
…そう、頭上から。
隣に座っているなら真横から、目の前にいるなら前から聞こえるはずの声が頭上からする…その訳は。
「…大丈夫かい?大丈夫なら、その…どいてくれると助かるんだが…」
困ったような声に、「すいません」と返したはずがくぐもったそれになった。
何故なら。
…俺がおっぱいダイブしてしまったからだ。
誰のって?
もちろん…カイコクさんの、です。
その、少し前。
考え事をしながらぼんやり歩いていた俺は、階段から足を滑らせた。
次に来る衝撃や痛みを覚悟していたのに、それらは一切来ず、代わりにふにゅりとした感触が襲って。
顔面を覆うそれはカイコクさんの胸だと理解するのにかなり時間がかかってしまった。
まあ、カイコクさんは俺が痛みで動けないと思っていたみたいですけど!
ようやっと離れるとカイコクさんはホッとした顔をした。
「大丈夫かい?入出」
「はい、カイコクさんのお陰で」
「そりゃ良かった。んで?何ラピ○タみてぇなことになったんでぇ」
こてりと、首を傾げるカイコクさんに俺はえへへ、と笑いながら頭を掻く。
「いやぁ、考え事をしてたらつい、つるっと」
「…へぇ?」
面白そうに肩を揺らすカイコクさんの顎を掬った。
「入出?」
「カイコクさん、おっぱい大っきくないですか?」
「…は?」
首を傾げたカイコクさんの、機嫌が一気にマイナスまで下がる。
おっと、これは選択肢を間違えましたかね?
「いや、あの、男性にしては大きいというか、なんというか、俺は好きなんですけど」
「…好きでいてくれねぇと困るねぇ?」
しどろもどろに言う俺に、ブスくれた目でカイコクさんが言う。
…ん?
「……ええと」
「誰のせいでこうなったと??」
「…もしかして、俺のせいですか?」
「…ほぉう?入出クンは俺が浮気をしてると…?」
綺麗な笑みでそう言うカイコクさんに俺は滅相もございませんとホールドアップの姿勢を取った。
けど…そうか。 
「カイコクさんの胸は俺が育てたってことですよね??」
「…お前さん、デリカシーもくそもねぇな?」
呆れたようなそれで見るカイコクさんの、胸元に手を伸ばす。
少しはだけた着流しに手を突っ込んだ。
「っ!おい、入出!」
「揉んだら大きくなるって本当なんですねぇ」
声を荒げるカイコクさんに俺はニコニコとその胸を揉みしだく。
「…ん、ぅ…!やめ…っ!!」
「もっと揉んだら大きくなりますかね?前より敏感ですし…」
「…!!や、めてくんな、入出!」
涙目で睨むカイコクさんの、はだけた着流しからぷくりと立ち上がった乳首が見えた。
「すみません」
「…ったく…ひゃっ?!」
パッと手を離す俺に、赤い顔で溜息を吐いたカイコクさんが可愛らしい声を上げる。
存外優しいんですよねー、カイコクさんは。
「部屋、行きましょう?」
「…入出…?」
抱き上げた俺にカイコクさんが戸惑った目で見上げてきた。
体育は2ですけど、力がないとは言ってませんから!
まあ、持久力はないんですけど。
だから、近場の部屋に入って、ソファに押し倒した。
反撃されたら敵いようがないですからね!
「そんな可愛い顔見せられて止められるはずないじゃないですかー」
「かわ…?!いや、俺は男…!」
「俺も男です!…ね、カイコクさん。カイコクさんの可愛いおっぱい、たくさんいじめてかわいがってあげますね!」
ニコニコと言う俺にカイコクさんの顔が引きつる。
「やめ、やだ、入出…っ!!」
「逃げないでくださいよー!そうだ、おっぱいだけでイけるようになりましょ?」
「?!そ、んなの無理に決まって…!」
「いけますいけます!1日たっぷりありますから!」
「無理、ぁっ、あ、や、あー…っ!!!」
カイコクさんの可愛らしい声が部屋に広がって霧散する。
自分がしっかりあるように見えて存外簡単に俺色に染まってくれるカイコクさん、俺、大好きです!

(ねぇ、知ってる?おっぱいって好きな人に揉んでもらうと大きくなるんだって!)

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