イチャイチャ10題・顔をうずめる(レンカイ

・・・つっかれたぁ・・・。
漸く帰ってこれた我が家の階段を上りながらおれは大きく溜め息を吐いた。
連日の徹夜は流石にプログラムだっていってもマジで疲れる、精神的体力消費的な意味で。
やっぱ休みは必要だよな。
・・・ま、マスターはもっと疲れてるらしくてリビングのソファに倒れこんでたけど。
そんなになるなら詰めて曲録りしなくたっていーのにさ。
「うおっ」
「・・・あ、お帰り、レン」
階段を上りきったところで兄さんが部屋からひょっこり顔を出した。
「びっくりすんじゃん!」
「え?あ、ごめん・・・?」
「・・・や、いいけど」
疑問符を浮かべながら謝る兄さんにおれはそう言う。
部屋に入ると、兄さんの周りには洗濯物が散らばっていた。
「兄さーん・・・」
「なぁに?」
ぎゅう、と抱きつくと兄さんはくすくす笑いながらおれの頭を撫でてくれる。
・・・なんかおかん化してきたな、兄さん・・・。
「疲れたー、癒してー」
「えー?」
口ではそう言いながら兄さんもぎゅってしてくれた。
兄さんのそういうトコ、癒されるよなぁ・・・。
「今回はどんな歌だったの?」
「激し目和風ロック」
「・・・ああ・・・」
相変わらずマスター好きだよねぇ、っていう兄さんの声。
ちょっと遠い目とかしてそうだ。
「もうさー・・・同じフレーズばっか!拘るのは分かるけどそんな録ることなくない?!」
「そうだねぇ。それがマスターの良いところでもあるんだけどね」
兄さんを見上げてそう愚痴ると苦笑しながらそう言う。
どっちも否定しないっていうか・・・良い人主義?
ま、そこが兄さんの良いとこではあるんだけど。
「レン、もういい?」
「えー?」
「洗濯物畳まなきゃ」
文句言うおれを引き剥がして、にこっと兄さんが微笑む。
・・・兄さんマジ小悪魔。
う〜・・・可愛いとは思うけど・・・おれだって癒されたい!
「兄さ〜ん」
「う、わ・・・っ。・・・もー、何、レン」
座ってる背後から勢い良く抱きつくおれに兄さんが文句を言う。
「兄さん補給〜」
「・・・何、それ」
もす、と青い髪に顔をうずめながら言うとくすくす笑いながら兄さんが呆れたように言った。
「邪険に扱うからじゃん」
「そんな事ないよ。俺はやるべき事を早くやりたいだけ」
「それが邪険にしてるっていうのー。それに邪魔してないし」
「まあそうだけどね」
笑う兄さんの髪が揺れる。
兄さんの髪ってなんか良い匂いするんだよな。
香水とか付ける訳ないし・・・なんだろ、フェロモン?とか??
「・・・兄さんって癒される」
「そう?」
ふわり、と兄さんが笑った。
洗濯物を畳んでるっていう本当にありふれた日常的風景なんだけど、疲れたおれには本当に癒される光景で。
兄さんってホント癒し系だよな。
可愛いし小悪魔だしおかんだけど、おれにとってカテゴリに入れるなら兄さんは「癒し系」だ。
柔らかい髪に顔をうずめながら目を閉じると遠くからセミの声が聞こえる。
今日は物凄い暑い訳でもないし・・・。
・・・あー・・・このまま寝たらすげぇ良い夢みられそう、なんて。




柔らかい風が吹く、夏の午後。



いつもと一緒の・・・所謂「日常」な兄さんに癒される。





・・・ふわふわと柔らかい雰囲気を持つ兄さんは、おれの大切な「心落ち着ける場所」。














「・・・兄さん、足疲れた」
「・・・座れば良いんじゃないかな・・・」



ーーー
遅くなってすみません;
短いけどいちゃいちゃレンカイ!
兄さんは癒し系ですよね!っていう、っていう!!

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