リクエスト・ちょっとえろっちぃの(鳩彼SSS/岩坂

*触手注意!*




「・・・なんでこんな事になってるんでしょう・・・ねぇ、岩峰先生?」
にこ、と坂咲君が笑いかけてくる・・・が、彼の笑顔はいつもと違い引きつっていた。
「さぁ、何故でしょうね」
「何故でしょうね、って・・・」
私の返答に坂咲君は溜め息を吐き出す。
「先生が妙な植物を拾ってくるからこういう事になるんですよ。これ以上保健室に生徒が寄り付かなくなったらどうするんです?先生」
「まあそれでも構わないでしょう」
保健室の半分を多い尽くす蔓科の植物を掴んで言う坂咲君に私は言った。
「・・・誰にも邪魔されずに研究が出来るというものです」
「・・・え・・・。っ?!」
怪訝そうに振り向いた坂咲君の顔が強張る。
ああ、エージェントの貴方にも怖いものがありましたか。
「ぐ・・・ぅ、ぁ・・・っつ、ぁ・・・」
「そうそう、貴方には言っていませんでしたがその蔓草は触れると相手を捕食してしまうのですよ」
それが坂咲君の腕に、脚に、体の至る所に巻き付いた。
「・・・め、や、めろ・・・っ!!」
搾り出すような坂咲君の悲鳴。
布を裂く音が耳につく。
「それと。・・・それには毒がありましてね。どのような効果をもたらすのかサンプルにしたいと思っていたところです」
植物の触手に捕らわれた坂咲君に私は笑みを見せた。
涙を滲ませた彼が私を睨む。
口を開いても上手く呼吸が出来ないのだろう、ただ呻く事しか出来ない彼は見ていて哀れだ。
思わず顔を歪めてしまうほどの汚らしい緑の蔦が幾重も坂咲君の身体を這い回る。
嫌だ嫌だと頭を振りながらも彼は必死に堪えていた。
巧妙な責め苦に耐え、嫌悪感に身を捩り抵抗しながら私には縋ろうともしない。
・・・貴方をここまで追いやったのは私で、私なら助ける術を持っているかもしれないのに。
「・・・そろそろですか」
「・・・っ・・・ぁ・・・」
坂咲君が大きく目を見開く。
蔓の毒液が体内を廻りきったのだろう。
彼の身体を支配しているのは恐らく幻覚と酩酊感。
声にならないそれが坂咲君の口から漏れ出た。
「・・・ぃ、や・・・だ・・・っ」
ぎゅう、と目が閉じられる。
彼の綺麗な口が助けて、と小さく形作った。

・・・誰に助けを求めているのですか?貴方は。

「ぁああっ!!」
ひゅっと器官が鳴る音がする。
悲痛な悲鳴とともに蔓が脚の間、その奥に侵入していく。
すらりと伸びた足が辛そうに引き攣った。
幻覚で誰を見ていようが関係ない。
今の絶望に落ち込んだ彼の目に私だけが映ったとき、私は彼を綺麗だと、愛おしいと・・・そう思えるのだ。
「愛していますよ、坂咲君」
ほぼ私を見ていない彼に近づいて私はゆっくり口づけた。

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