鬱的花言葉で1日1題・レンカイ(木伏/ナイトシェード・ボカロSSS

罪深いほどに美しいキミは見た時

ボクは


いつも優しげに微笑むノーマルのKAITOとは違う、冷たい笑みの男、ギルティ。
見下した目でボクを見るねこに似ているギルティ。
見つけた見つけた、ボクのねこ。
ねぇ、キミの罪を裁いてもいいですか?




その日、偶然にもギルティを見つけたボクは衝動的にぐい、と腕を引っ張って床に倒した。
「・・・っ!!!」
「・・・初めまして」
顔を歪めるギルティにボクは笑みを向ける。
「・・・ノーマルの・・・鏡音、レン」
「違うよ、よく見て」
嫌そうな顔をするギルティのドッグタグを引っ張る。
青い髪がさらりと揺れた。
「ボクはストレンジダーク」
「・・・旧作が俺に何の用だ」
ふい、とギルティがそっぽを向く。
ねぇ、ボクには振り向いてくれないの?
愛を囁いてくれないの?
どうして?どうしてどうしてどうして?
「女の子には優しいのにね。酷いね、ギルティ」
「酷い?俺が?・・・当然の疑問を発したまでだ」
ボクの言葉に、ギルティが挑発するように笑った。
それには応えず、ボクは立ち上がる。
身体を起こそうとするギルティの、細い首輪をぐっと掴んだ。
「・・・っ!!」
首に嵌まったそれを掴んでずるずると引っ張る。
「・・・め、ろ!はな・・・!!」
ひゅっとギルティの器官が鳴る音がした。
足をばたつかせて抵抗しているけどボクは気にしない。
ボクには、通用しない。
激しく咳き込むギルティを部屋に押し込んだ。
「・・・何をする気だ、貴様」
ギルティが睨む。
「何?何って?」
「・・・っ!!・・・此処から出せ!」
「ダメ、だよ」
ボクは笑ってギルティに手を伸ばした。
その手が激しく打ち払われる。
ねぇ、どうしてボクを受け入れてくれないの?
ねぇどうして?
・・・ボクは何のために存在するの?
「・・・っ!やめろ、何を・・・!!う、ぁ・・・っ!」
びく、と震えるギルティの服の中に手を入れた。
じわじわとギルティの肌を撫で上げる。
「ねぇ、怖い?」
「・・・怖い?怖くなどは、ない」
嘘だ。
怖いくせに。
キミはどうして嘘をつくの?
「ボクみたいな『旧作』にヤラれる気分はどぉ?ギルティ」
「・・・別に」
ギルティは目線を合わせない。
もう時が過ぎるのを待つ事にしたようだ。
・・・それじゃあ面白くないんだよ?
「他のレンモジュールを呼んできてあげようか。スターマインは驚くだろうね。・・・ああ、ギルティはブルームーンに見られるほうが嫌かなぁ??」
「・・・っ!!」
驚いたようにボクを見上げるギルティ。
「知ってるよ。ギルティはブルームーンが好きなんでしょう?おかしいね、『あれ』もボクと同じ旧作なのにね」
「煩い黙れ!貴様に何が分かる!!」
「名前を呼んでよ、ギルティ。簡単でしょ?」
ボクは笑う。
キミは唇を噛み締める。
「・・・もう、やめろ」
ふと、ギルティがそう言った。
手を止めると、ギルティは今までで一番の笑顔を作る。
嘘の、笑み。
イカサマの、微笑。
ボクには、分かる。
「此処から解放すれば貴様の名前を呼ぶ事を誓う」
「本当に?・・・ボクを、愛してくれる?」
「ああ」
「誰よりも?」
「誰よりも、だ」
ギルティがふわりと微笑む。
うそ、ばっかり。



嘘をつくキミは正しくない。

ボクはキミの欺瞞に騙されない。

ボクは正義です。
キミは有罪です。

罪は、裁かなきゃ。

「残念だよ、ギルティ」
「・・・う・・・っ・・・」
ポケットから取り出した白い布を押し当てる。
一瞬苦しそうにしたギルティは細い手をボクに伸ばし・・・それがぱたりと落ちた。
意識をなくしたギルティの身体をボクは抱き上げる。



狂おしいほど愛おしい華を


ボクはこの手で裁きます

ーー
レンカイ・嘘/欺瞞
*ストレンジダーク×ギルティ

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