クズ長谷部×燭台切さん(刀これSSS

命からがら、とはこういう事を言うのだろう、と長谷部はぼんやりとした頭で思う。
重傷1名、中傷2名…絶命者1名。
いつもより騒然とした本丸を横目に手入れ部屋へと足を向けた。
「…ぁ」
がらりと乱暴に戸を開けばどうやら先客がいたらしく、小さな声が耳に入る。
「…燭台切」
びくりと怯えたように見上げる彼は燭台切光忠。
…長谷部が苦手な相手だ。
「…えと、ごめんね。手入れ時間が同じだから一緒の部屋でって、その」
「べつに、気にしていない」
しどろもどろに話す彼の横に腰掛ける。

「見、ないで」
いつも眼帯をしている方の目を手で押さえて俯く。
…ああ、そうか。
回らない頭でそう思い、長谷部は口角を上げた。
「燭台切」
「っ、やだ、ってば!」
隠している手首を引き寄せる様に掴むとびくっと怯えたように震えてから抵抗し出す。
お互い中傷しているに加え、力は太刀である光忠の方が強い。
彼らのレベル関係も相まって、それを封じ込めるのはなかなか困難だった。
ただ、力が上だと言っても所詮中傷の身。
暫くすれば、息を荒く乱し抵抗が弱まる。
そこをつき、長谷部はボロボロになった彼の衣服を引き裂いた。
え、と光忠の瞳孔が開く。
思ってもなかったのだろう暴挙に酷く狼狽したようだ。

「お願い、長谷部君やめて」
「何故?」
「…こんな姿、格好悪いだろう?」
弱弱しく微笑む彼の肩をそっと撫で…思い切り突き飛ばした。
「っ…!!痛っ…ぃ、は、長谷部君?」
「五月蠅い」
「な、何?…や、やだっ!やめ、て!!!嫌だ、来ないで…っ!!」
「五月蠅いと言っているだろう!!!!」
両手を掴み上げた途端本能的なそれか…どこにそんな力が残っていたのだろう、思い切り抵抗する光忠を思わず怒鳴りつけた。
彼の白い喉がひっと鳴る。
「いや、だ…こんなのっ…」
弱く頭を振る光忠の両手を彼の黒いネクタイで縛り上げた。
ぼんやり浮かび上がる白い肌とぐずる彼の声が響く暗い手入れ部屋。
ちらちらと揺らめく焔を横目に、肌に手を這わせる。
「…ぃ、やぁ…!!ぁう、い、いたい!」
びくびくと跳ねる身体を押さえつけて紅く線が付くそこを舐め上げた。
「?!!!や、やだあ!!!」


「やだ…って、言ってる…!!!」
はあはあと息を乱し、何処か視線が定まらない、いつも隠された方の瞳で必死に睨み付けてくる。
そんな顔も出来るのか、と思った。

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