高塔の姫(へしにょ燭SSS・R18

その少女を一目見た瞬間、長谷部国重は恋に落ちた。
初めて会ったのはどこぞのダンスパーティーだったか。
当主の陰に隠れそっと会釈した彼女を、長谷部は欲しいと思った。
そう思う者は後を絶たなかったようで、当主は彼女を塔の一番上に隠した、とうわさで聞いた。
そんな事をしても無駄なのに、と長谷部は思う。
持てるだけの財力と人脈と持ち前のコミュニケーションスキルをフルに利用し、長谷部は当主に近付いた。
それなりにおべっかは得意で、長谷部自身の肩書きにも当主は眩んだらしい。
2度3度と会う内に当主は娘の事を長谷部に話すようになった。
娘の名は光忠。
片目が覆われているのは昔事故で失くしかけたから。
その事故がトラウマで当主は光忠を外に出していないらしい。
あのダンスパーティーに連れていったのはほんの気まぐれで、多くの男に言い寄られるくらいならいっそ出さなければ良かったと彼は漏らした。
塔に監視者はいない、が、出入り口は一つしかなく鍵がかかっている。
無理矢理にこじ開ければ最後、その瞬間階段が崩れ落ちるのだと言う。
(本当だろうか)
聞きながら疑問を抱いたがリスクを無理に払う必要はなかった。
正面突破が無理なら別の方法を使えばいいのだ。
その日、当主との食事会の後、「酔いを醒まして帰る」と告げ、長谷部は塔の前に降り立った。
よ、と石垣に足を掛ける。
いけると思った長谷部は下から「おい」と声をかけた。
「・・・え?!だ、だれ?!」
上から可愛らしい声が振ってくる。
「ここだ、下」
「し、下・・・?」
窓から少女が顔を出した。
それに向かって手を挙げ、「待ってろ」と言い・・・助走をつける。
「・・・っふ」
短刀を塔の石垣の間に刺し足がかりにして長谷部は一気に駆け上がった。
窓枠に足を掛け、長谷部はにやりと笑う。
「・・・え・・・?」
「我は隣国の王子、長谷部国重。光忠、お前を助けに来た」
「僕を、助けに・・・?」
ぽかんと長谷部を見上げた娘は可愛らしい顔立ちをしていた。
此処にいては勿体ない。
「この塔から出してやろう。・・・俺と来い」
呆けた少女に手を差し出す。
まだ何が起こっているかを理解していないらしかった。
ばさりと長谷部のカソックが風に揺れる。
「もしお前が此処にいたいと言うなら俺は・・・」
「・・・い、いや!父様にもう縛られたくない!お願い、僕を連れ出して!」
必死に首を振り光忠が細い手を伸ばした。
「良い子だ」
その手をゆっくり取り・・・長谷部はぐいと抱き寄せて抱き上げる。
濃紺のスカートが夜風にふわりと揺れた。
「しっかり捉まっておけよ」
「は、はい」
ぎゅうとしがみ付く光忠の黒髪を撫で、長谷部は塔を一気に駆け降りる。
「〜!!!!」
光忠の声なき声が上がった。
恐怖のあまり、というやつだろうか。
愛馬である白い毛並みのそれをを呼び寄せ、その背に飛び乗った。
「馬は得意か?」
「わ、かりません。でも、国重様がいらっしゃるので、大丈夫、です」
「そうか」
健気な言葉に長谷部は笑い、馬を走らせる。
隣国に入ってしまえば娘は長谷部の物だった。
もう少し、あと少し。
ずっと手に入れたかった少女が腕の中にいる。
国境を越え、もう大丈夫だと思ったところで・・・長谷部は改めて少女を見た。
黒い髪、美しい金の眸ともう一方は隠されたそれはミステリアスに映る。
濃紺のドレスは顔立ちと相まって少し幼く見えるのに胸のふくらみは大きく、馬を走らせる度に大きく揺れた。
何も知らない、純粋な少女。
それを長谷部の色に染めると思うと・・・ぞくぞくして堪らない。
「・・・?国重様?」
光忠が長谷部を見上げた。
不思議そうなそれに何でもないと笑いかける。
赤い月が、二人を照らしていた。

「ぁあん!!きゃぅう!」
甲高い声が部屋に響く。
何故この様なことになっているのか。
城についた長谷部はすぐに部屋には連れて行かず、地下室へ行った。
「すまん。言っていなかったが我が国では異国民を城に招き入れる際、身体検査を行う習わしがあってな。お前にも受けてもらう必要がある。・・・出来るか?」
「・・・身体、検査・・・?」
「ああ。・・・クリア出来ればこの国の妃候補として選出することも可能になる」
「・・・!あ・・・」
長谷部の言葉に驚いたような表情をして見せた光忠はすぐにそれを曇らせる。
「あの、もしクリア出来なければ・・・?」
「・・・。・・・心配するな。こんなものは形式だけでな。クリア出来ないという事はない」
不安そうな彼女の頭を撫で、長谷部は囁いた。
それはそうだろう。
クリア基準は国の主たる長谷部自身が定めているのだから。
「出来るな?」
「・・・はい」
ほっとした表情の光忠の服に手を掛ける。
途端、慌てた様に、自分で出来ます!と言う光忠を押し留め、長谷部は苦言を呈した。
「・・・お前、その敬語をやめろ」
「え、でも・・・国重様と僕では身分が・・・」
「光忠」
一言、そう言えば彼女はゆっくりと黙り「は、長谷部さま?」と言う。
「・・・おい」
「長谷部君!」
「・・・まあそれで今日は許してやる」
ぱあ、と表情を輝かせる光忠にはあと溜息を吐き出して長谷部は服を脱がせた。
ぱさ、と音を立ててドレスが落ちる。
「・・・光忠、下着はどうした」
「下着?」
長谷部のそれに不思議そうな表情を浮かべる光忠。
彼女の下半身には貞操具が付いていたが上半身には何もなかった。
シミ一つない、白い肌。
この歳の平均女性を遥かに超えている豊満な胸は幼い表情と相まって非常に背徳的だった。
きょとりとする彼女を引き寄せ、黒い布で目元を覆う。
「やっ、何?!!やああ!!」
怯えた様に身体を竦ませる光忠の両手を拘束した。
鎖がジャラジャラと音を立てる。
「言ったろう。身体検査だと。普段はそれ専門の者がいるが今日は俺が見てやる」
「・・・あ・・・」
「大人しく・・・出来るな?」
囁いた長谷部は脱脂綿にとある薬を染み込ませ・・・ゆっくりとピンク色の乳首に押し当てた。
「ひぃ?!やあ、なに、やぅう!!」
いやいやと首を振る光忠の悲鳴のような声を聞き流し、長谷部はもう片方の乳房をやわやわと揉みしだく。
リップ音を響かせ、豊満な胸に唇を寄せた。
「ひゃあぅ?!!ああ、や、吸わない、でぇえ!!!」
見えない、という恐怖は光忠の躰を敏感にしているのだろう。
「やめて、やだぁあああ!!ひっく、ひっ・・・」
嬌声を上げる光忠の乳首をさんざ、吸い上げ、捏ね繰り回し、摘み上げと甚振った末、長谷部は彼女の躰から離れた。
「・・・は、せべ・・・くん・・・?」
息も絶え絶え、といった彼女だが長谷部が離れたのは感じたのだろう。
何も言わないことが返って次に何をされるかと恐怖を煽っているようだ。
怯えたような光忠を見ながら長谷部は傍に有ったソファに腰を掛ける。
「長谷部、く・・・どうし・・・ぅあ?!!!・・・いぁう!!!」
可愛らしい声が甲高いそれに取って代わった。
「ひ、ぃ・・・っ!!!ぁあああ!!何、なに・・・?!!」
ビクビクと彼女の躰が跳ねる。
嬲っていない方の乳首につけた薬が漸く効いてきたらしかった。
「やっ、あ゛ああああっ!!!い、ぃたいぃ・・・!」
躰を仰け反らせて少女は喘ぎ叫ぶ。
白い肌は真っ赤に染まり、貞操具がある下半身をもじもじと擦り合わせていた。
ジャラジャラと鳴る鎖の音が喧しい。
可哀想に、淡い色をしていた乳首は真っ赤に充血していた。
「どうした?光忠」
「ふぅ、あ・・・いぁう!!!は、せべく・・・!!た、たすけ・・・!こわ、こわいぃい!!!」
見えないはずの光忠が声のする方に必死に頭を向けようとする。
「助ける?何を?」
にやりと笑い、ふっと息を吹きかけた。
それだけで光忠は可哀想なくらい躰を跳ねさせる。
「きゃぅうう!!やっ、やぁぅ・・・お、ねが・・・」
ふるふると頭を振る少女が可愛くて、長谷部はその飾りをそっと撫で上げた。
「ひゃあぅ?!!なでちゃ、やぁああ!!」
「我侭だな。どうされたい」
「う、うう・・・」
ぐすぐすと鼻を鳴らし、「吸って・・・」と小さく漏らす光忠。
「こうか?」
「そ・・・ちじゃな、あ、あああ!!!」
「要望通りにしたが」
「・・・う、く・・・い、じわる・・・!」
胸を揺らし泣きじゃくる彼女の頬を撫でる。
ひっと声を漏らす光忠の耳に口を寄せ・・・囁いた。
「意地悪?これは検査なのだがな」
「・・・!!」
びくんっ!!と光忠の躰が跳ねる。
覆っていた布がはらりと落ち、濡れた金の眸が現れた。
「ぼ、くは」
「検査が終われば晴れてお前はこの国の者だ」
「・・・僕、長谷部君の・・・傍にいたい」
健気にそう言い募る光忠の涙を吸い取ってやり、脱脂綿に先程より多く液体を含ませる。
「我慢・・・出来るだろう?光忠」
くすくすと笑って長谷部は脱脂綿を嬲っていたそこに近付けた。
地下室に可愛らしい嬌声が響く。


赤い月の夜は、まだ、終わらない。

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