ショタおね/おにロリ(光忠♀ワンドロ・へし燭♀

気持ちの良い朝だった。
昨日は久しぶりに光忠と夜を共にしたからか。
普段より体が軽い。
「・・・おはよ、長谷部くん」
先に彼女が起き上がりふわりと笑いかけた。
「・・・ああ、おはよ・・・う?」
起き上がり、目を擦ろうとしたところで・・・ふと違和感を感じる。
「・・・は?」
「どうかしたの?長谷部く・・・ん?」
きょとんとした声の後、光忠が口を呆けたように開けて固まった。
そして。
「うわっ」
「か、可愛い!!長谷部くんちっちゃい!可愛い!!」
「・・・や、やめろ、みつただ!!」
突如として抱きしめられ、長谷部は苦しい声を上げる。
普段なら嬉しい抱擁だが、今は苦しいだけでしかなかった。
ぎうぎうと豊満な胸を押し付けられる。
「あ、ごめんね?でも可愛かったから・・・」
「おまえ、かわいいってな・・・」
「だって、長谷部くん僕よりちっちゃいんだよ?」
呆れると、光忠がにこにことそう言った。
その笑みは可愛らしいが如何にも腹が立つ。
「いや、ちっちゃいっておまえ・・・」
「え?だって長谷部くん、それ子どもの姿だよね?」
「は?」
にこにこしながら光忠が爆弾発言を落とした。
ひょいとその身体が『抱き上げられる』。
「・・・は??」
普段なら・・・まあ確かに彼女は打撃がトップクラスではあるけれど・・・流石に抱き上げられることはない。
・・・はずなのに。
「お、おろせ!」
「えーどうしようかな?」
「おろせ、みつただ!!」
「あはは!長谷部くんかーわいーー!」
無邪気に光忠が笑う。
焦る長谷部の声は届かず、所謂彼女の『高い高い』は第三者が通るまで続けられたのだった。

それから数十分後に審神者の元を訪れた時には長谷部は疲弊しきっていた。
ぽかんとした審神者が慌てて調べて言うには、【システム上のトラブル】らしい。
よく分からなかったが、1日経てば元に戻る事が出来るようでそこは安心した。
「しかし、ふべんだ」
「大丈夫。僕がお世話してあげるから!」
憮然とする長谷部に光忠は楽しそうに言う。
元々彼女は世話好きだ。
いつも世話されるのを拒否しているからだろう。
公然と世話できるのは嬉しいらしい。
「何は無くてもご飯だよ、長谷部くん!」
にこりと光忠が笑った。
ずるずると手を引かれ、長谷部には拒否する隙もない。
「うわっ、へし切ちっちゃい!!」
「本当に子どもの姿なんですねー!」
「うるさい、さわるな!・・・やまとのかみ、かしゅう!!」
食堂にはいつもの二人がわくわくしながら待っていて、二人に遊ばれながらも食事を大人しく待つことにした。
安定も清光も常識くらいはある。
この二人に遊ばれている方がまだましな気がした。
「お待たせ、長谷部くん!」
大きな皿に乗せてきたのはいかにも短刀が好きそうな食事で。
安定も清光も苦笑いをしていた。
おまけに。
「はい、あーん!」
「いや、じぶんでくえ・・・」
「いいから、ね?」
箸を長谷部の口の前で止めてにこにこと光忠が笑う。
それには逆らえず、長谷部は口を開けた。

「・・・はあ・・・」
げっそりとした表情で長谷部は溜息を吐く。
あれから散々遊ばれた。
悪意があるならまだ全力で抵抗できる。
だが彼女、光忠は全て善意なのだ。
如何すればいいのか分からない。
拒否すれば泣きそうな顔をするし、かといって子ども扱いはもうごめんだった。
「んーっと・・・」
何か高い所のモノを取ろうとしているのか目の端で彼女が背伸びをしながら手を伸ばす。
「とってやろうか」
「今の長谷部くんじゃ届かないでしょ・・・っと」
ふわふわと笑って光忠はそう言った。
中々に心へ突き刺さる。
別に小さいのは長谷部の所為でもないのだけれど。
「うわっ!」
「あぶない!」
ぐらりと踏鞴を踏む光忠を突き飛ばす。
がらがらというすさまじい音が響いた。
「・・・だいじょうぶか?」
「・・・う、ん」
自分の下に居る光忠がぽかんと見つめてくる。
「・・・なんだ」
「ううん。ちっちゃくても長谷部くんは格好良いんだなぁって」
睨む長谷部にへにょりと笑う光忠。
小さいは余計だと小突いた。
「あたりまえだろう。おれはおまえをまもる。おおきかろうがちいさかろうがかんけいない」
「長谷部くん・・・」
「まあ」
引き寄せ、抱きしめる。
「ちいさいとおまえをだきしめるのはふべんだな」
そう言って笑いかければ、光忠は頬を紅く染めて幸せそうに笑うのだった。

小さい身体は不便だが、まあいいか、と思う。
彼女が幸せそうだから。
彼女が可愛らしく笑うから。
一日くらいは我慢してやろうと。

「長谷部くん、そろそろお風呂の時間だね!」
「おい、おまえ、まさか・・・」
「うんっ!一緒に入ろう!」
にこっと笑う光忠。
前言撤回。
早く元に戻りたいと切に願う長谷部であった。

(そうでないと彼女は無自覚に煽り続ける)





「はせべくん、たいへん!こんどはぼくがちいさくなっちゃった・・・!」
「・・・ほう?では今日は俺が一日面倒を見てやろうな?何、心配するな。着替えから風呂に至るまで俺がやってやるからな・・・!」
「や、やだ、はせべくんがこわい・・・!」
「こら、逃げるんじゃない、光忠!!」

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