へし燭&安清前提へし清

どたどたと廊下を走る音がする。
「へし切っ!!!」
凄まじい音と共に扉が開けられた。
…本当に騒がしいな、こいつは。
「うるさいぞ、加州清光。だから俺をへし切と呼ぶなと…」
「へし、切ぃ…!」
「うわっ」
文句を言う俺に、涙声と共に加州が抱きついてくる。
なんだ、こいつは。
「…また喧嘩か」
「…るっさい」
さわり心地の良い髪を撫でながら笑えば、小さく文句を言ってきた。
まあそれくらいの余裕があるなら大丈夫だろう。
「で?今日はどうした」
「…安定が、付き合うなら俺みたいなじゃなくて燭台切さんみたいな人がいいって」
「…なるほど」
ぐすぐすと泣く加州のそれにふむ、と思考を巡らせる。
恐らく大和守は光忠のところだ。
そうして、光忠を口説いているだろう…あいつもなかなかに頑固だ。
光忠は光忠で悪のりする喜来があるから…まあおおよそ。
「なら、俺と付き合ってみるか?」
「…はぁ?!なんで!」
「俺ならお前を大事にしてやるが…どうする、清光」
「…!!!おま、さいて…」
い、と紡ごうとした加州の手を掴み指先に口づけた。
その表情は纏う衣服宜しく真っ赤だ。
ああ、なるほど、な。

「可愛いな?」
「うっさい!!」
小さく笑えば怒りながらも膨れ面を晒すだけだった。


さて、どこまで続けようか??

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