にょたカイさんを好き過ぎる高2組がイキ地獄に落とす話(ザク+マキ×カイ♀)プロローグ

「ぜっったい嫌でぇ」
にっこりと、音がつくような笑顔でカイコクが言う。
「…何故だ」
「逆に、なんで良いと思ったか聞かせてもらおうか?ん??」
その迫力に負けじと聞くザクロに、カイコクがそう聞いた。
まるでザクロたちからの質問は受け付けない、というように。
「…貴様が」
「俺がなんでぇ」
小さく言いかけるザクロをカイコクは詰問するよう促す。
「…っ、貴様が!俺との、その…営みの時に、あまりにも淡白だから!心配になって、だな……」
「…はい??」
ザクロの返答に彼女はきょとんとした。
何を言ってるんだ、と呆然とするヵカイコクに、だから!と言ってやる。
「俺との行為が気持ち良くないのかと思ったんだ!しかしマキノくんに聞いても貴様はいつも淡白だと言う!もしや鬼ヶ崎は俺たちの為に無理をしているのではないかと…!」
「よし、待て、わかった。ちょっと落ち着け忍霧」
熱弁を振るうザクロにカイコクがはぁあと溜息を吐きつつストップをかけた。
「あのな?俺は、その、お前さん方とのセックス、に不満を抱いた事は一回もねぇんだが?…そりゃあまあ淡白と言われちまえばそうかもしれねぇけども…」
「鬼ヶ崎。俺は…俺とマキノくんは、貴様をただ気持ちよくしたいだけなんだ」
諭すようなカイコクにザクロは言う。
実は彼女とザクロ、そしてマキノは三人で【付き合っている】のだ。
いつからこうなったかは分からないが別にお互い不満はないのでこのままでいる。
マキノもザクロも、カイコクをただ好きなだけでお互いを蹴落とそうだなんて気はさらさら無いからであった。
カイコクもそれは了承したのだが…今回の件…『マキノとザクロの二人でカイコクを気持ちよくしたい』という申し出だけは受け入れられなかったらしい。
「…鬼ヶ崎」
「だぁめ」
「どうしても嫌か」
「しつこいぜ、忍霧」
「…。…カイコッちゃん」
にべも無い返事をしていたカイコクに、声をかけたのは今まで黙っていたマキノだ。
「…逢河?」
「…だめ?」
こてりと首を傾げるマキノにカイコクがうっと詰まり、そこをここぞとばかりにザクロが追い詰めた。
「鬼ヶ崎。…貴様は俺達のことが嫌いなのか…?」
「…っ!!あぁっ、もう!!今回きりでぇ!」
殊更大きな溜息を吐き出し、カイコクは自慢の腰まであるポニーテールのゴムを解く。
ふわりと舞う髪はカイコクが折れた証で。
…なんだかんだカイコクは二人に甘いのだ。

こうして、カイコクの甘く長い夜は始まりを告げた。

name
email
url
comment