ハッピーバースデイ、愛しの可愛い妹様!(ルカ総受け、ちょっぴりレンカイ)

「「「さーいしょーはグー!」」」
部屋の中に声が響く。
それをくすくす笑ってみているのはルカだった。
「…何してんの?ルカ姉ぇ」
「…レン兄様」
怪訝そうな表情で声をかけるレンにルカは困った顔をする。
「お姉様たちが私のお誕生日をお祝いをしてくださるそうなのですけれど…誰が一番に祝うかで揉めていて…」
「あー…恒例行事になりつつあるよな……」
その返答に呆れつつレンがじゃんけんをしている、MEIKO、ミク、リンを見やった。
「つか、大変なのはルカ姉ぇじゃん」
良いのかよ、とレンが見上げれば、ルカはまた穏和に微笑む。
「…私は…MEIKO姉様もミク姉様もリン姉様も大好きです。そんな大好きな方たちから愛を受けることに負担も不満もありませんわ。寧ろ、嬉しいんです」
「そ?なら良いんだけど」
レンのそれに、ルカは、はい、と笑んだ。
じゃんけんはとうに終わり、「年下に譲ってよぅ!」「そーだよ!私、電子の歌姫だよ?!」「公平にじゃんけんで決めたんだから文句言わないでよ!大体、私は今年15周年なのよ?!」「それ持ち出すのずるーい!リンだってねぇー…!」という口論に取って代わっている。
「…あれ、終わんの?」
「…さあ……?」
呆れ返ったレンにルカが首を傾げた。
ちなみに彼女らのあのやり取りは今ので3回めである。
「まー、いいや。ほい、ルカ姉ぇ、誕生日おめでと」
「まあ、ありがとうございます、レン兄様」
差し出される白い袋に、ルカは笑みを浮かべて受け取った。
可愛らしい袋の中には所謂バスボールが入っている。
「良い匂い…」
「イチゴ、グリーンアップル、オレンジだって」
「ふふ、美味しそうですわね」
「…じゃあ俺からは本当に食べられるやつを」
キッチンから出てきてニコニコと言うのはKAITOだった。
手にはピンクの薔薇…チョコレートだろうか…が乗ったホールケーキがあり、市販品とも見紛うそれはKAITOが丹精込めて焼き上げたもので。
「…KAITO兄様、年々上達しますわね…?」
「兄さんは寧ろ何を目指してるんだよ…もうプロじゃん」
「ふふ、褒め言葉として受け取っておくね?」
二人のそれにニコニコとKAITOが笑い、ケーキを置く。
「そうだ、はい、これ」
「ありがとうございます、KAITO兄様。私のはKAITO兄様のお誕生日に」
「うん、楽しみにしてる」
大きめの袋を受け取ったルカと渡したKAITOがにこりと二人して微笑み合う癒やされるはずの光景はどこか嫌な予感がした。
「あー!レンがルカたんとカイ兄ぃとイチャイチャしてるぅう!」
と、リンの鋭い声に言い争いをしていたミクとMEIKOがバッとこちらを見る。
「ずるい!ミクもルカちゃんとお兄ちゃんのハーレムする!」
「私だってしたいわよ!ルカ!KAITO!」
「喧嘩してる方が悪いんだろー!」
ははん、と、レンがルカとKAITOの腰を抱いた。
文句を言いながら三人が向かってくる。
「やっぱり、賑やかなのが一番だよね」
「…ですわね」
ルカとKAITOは顔を見合わせ、くすくすと笑いあったのだった。

(皆から貰う愛が、何よりのプレゼント!)

「…ところで、兄さんは何上げたの?つかルカ姉ぇから何貰うの」
「んー?…脱がせにくいパジャマ、だよ?」

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