君ガ墜チル鬨

重い扉を開けて中に入る。
おはようございます、と彼の美しい瞳から光を奪っている黒い布を解いた。
しゅるりと静かな音が鳴って、彼の…カイコクの黒曜石が細く眇められる。
「…ぅ、く…あ……」
「…随分とお辛そうですねぇ、鬼ヶ崎様」
「…っ!誰の…せい…ぅ、あぁっ!」
睨みつけてくる彼の乳首を抓り上げた。
荒い息のカイコクにパカは囁いてみせる。
「いけませんねぇ。貴方は囚われの身なのですよ、鬼ヶ崎様。…痛いことはされたくないでしょう?」
その言葉に彼はビクンッと躰を跳ねさせた。
最初連れてきた際、手酷く犯されたのはカイコクのトラウマになっているらしい。
言葉を発せない程痛みを植え付けながら犯し、ボロボロになった彼を優しく甘く抱いてやった。
とろりと溶けたカイコクに媚薬を上から下から飲み込ませ放置したのだ、どうなっているかは想像に難くない。
「…鬼ヶ崎様」
ベッドに横たわり、彼を呼んだ。
虚ろ気にこちらを見たカイコクがよろよろと近づいてくる。
「…ぁう、ん、ふ…」
パカの屹立を口に咥え、舐め上げた。
噛み付かれるかと思ったが彼の方も余裕がないらしい。
暫くそうしていたがリップ音を立て口を離し、自身のアナルを先端に押し付けた。
「…ぅぐ…ぅうっ、あ…や…!」
首を振る彼に、パカは何も手伝ってやらなかった。
さらさらとカイコクの黒い髪が揺れる。
「~~っ!」
声にならない嬌声を上げ、ようやっと全て飲み込ませた彼が控えめに動き出した。
ぱちゅん、と小さな音が鳴る。
「良い眺めですねぇ」
「…う、るせ…ぅああっ!や、ふぁあ…っ!」
上下に動きながら子どもの様に首を振り、涙を散らすカイコク。
きゅうきゅうと搾り取るようなそれは愛らしいなと思えるほどだった。
「ひ、ぅ…っ!ぃや…あ、ぁあっ、やぁああっ!!」
白濁が飛び散り、ぐったりと彼が倒れてくる。
その腰を掴みあげ、パカは身を起こした。
え、と、目を見開く彼をこてりとベッドに転がし、体重をかける。
「ぅ、ぐぁ…?!…や、や…だぁ…やめ…やめてくんな…ひぐっ?!!」
「良いことを教えてあげましょう、鬼ヶ崎様。まず、貴方の最奥はここではない」
コツコツと亀頭で結腸の入り口を叩き、ぐぷりと割開いた。
衝撃に呼吸するのもままならない彼の結腸を犯す。
「かはっ…あ、あぁっ…!!ぃぐ…っ!!」
「ああ、後それともう一つ。…貴方に飲ませたのは媚薬などではありませんよ」
酷く喘ぐ彼に囁やけば快楽に溶けた表情がみるみる内に絶望へと変わった。
嘘だ、という小さな声が霧散する。
「嘘ではございません。正真正銘、ただの水です。…鬼ヶ崎様が淫乱なだけにございますよ」
「…う、そだ…っ!だって、俺ァ…!」
「…はしたなく強請った、私の雄の味はいかがでしたか?」
「…ふ、ざけ…!ぅぐっ!あ、ぁあ、やだ、やだぁああっ!!!」
睨む彼が、子どもの様に嫌々と首を振った。
助けて、と手を伸ばす…その先は?
「イ、きたくねぇ…!も、やめ…ふぁ、あ、あ、ぅあぁああっ!!!」
ビクンッと躰が震え、身を守るように丸まる。
そんな彼の結腸奥に熱を叩きつけた。
嫌だ、と漏れる小さな声。
啜り泣くカイコクは綺麗で儚くて…。
…どうしたって壊したくなる。
「貴方が淫乱であると思い知らせてあげましょう」
「…ぅ、え…??」
きょとん、とした彼はもう【彼の理性】を封じ込めてしまったようだ。
ほんの少し幼く見えるカイコクの、仕舞いこまれた理性を引き摺り出す。
…戻ってこい、と。
だって幼い彼を犯してもつまらないではないか!
(私は、強くて美しく、私に歯向かう貴方を犯したいのですよ)
「…?!ぅ、あ…」
「良い映像でしょう?…ネットに流せば再生数バク上がりですよ。…尤も、炎上のリスクもありますからおすすめはしませんが」
壁一面に映る映像に、カイコクは絶望の色を濃くした。
そんな彼に、言外に警告する。
夢に逃げたらコレを流す、と。
「ぅううっ…!ゃ……!」
四つ這いにさせ、後ろ手に引いて犯した。
許してくれ、と彼が呟く。
その相手は一体…誰なのであろう。
犯しているパカにだろうか。
それとも、心に秘めている…想い人か。
妬けますね、なんて心にもないことを思いながらぐぷんっと結腸を犯す。
悲鳴にも似た嬌声が…辺りに響いた。

「…」
すうすうとカイコクの寝息が聞こえる。
何度となく絶頂し、メスイキを繰り返した彼を容赦なく犯し、失神してもなお叩き起こして行為を繰り返した。
ぐったりと、意識を飛ばしたカイコクの髪をそっと撫でる。
それでも目を開かない彼には、そろそろ迎えが来るはずだった。
…それが正義のナイトなのか、正義と信じ込んだナイトメアなのかはパカにも定かではないけれど。

「…これで、宜しいのですよね。マダラメ」

パカの声が闇に溶けた。
夜はまだ、明けない。 (終)

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