彼女にズボンを履いてほしい!(ザクカイ♀)

「鬼ヶ崎!!!」
「?なんでェ、忍霧」
人のベッドで寝転がるカイコクを怒鳴るザクロに、きょとん、と不思議そうな目を彼女は向ける。
さらりと長い黒髪が揺れた。
ザクロを見る目は純粋そのもので、ザクロは溜息を吐く。
「…あのなぁ…!貴様、何度言ったら分かるんだ」
「何が」
「…っ、ズボンを履けと言っているだろう!!」
ズイ、と脱ぎ捨てられたままのズボンを差し出せば、カイコクはふいとそっぽを向いた。
「いやでェ」
「…なっ」
あっさり告げられるそれにザクロは固まる。
「…何故…っ」
「暑い。締め付けられるのが嫌だ」
「…子どもか、貴様は!しかもまた俺のTシャツを勝手に着て!そういう破廉恥な格好をするな、と…!」
「Tシャツのどこがいけねェって…?!」
「それ一枚きりなのが問題だと言っている!!」
「とにかく、嫌なんでェ!」
怒鳴るザクロに同じくらいの声量で返してくるカイコクは、布団に潜り込み、どうやら籠城することに決めたようだ。
こうなればうんともすんとも言わなくなるのはザクロも知っていた。
「…っ!勝手にしろ!」
ズボンを投げつけ、シャワー室に向かう。
どうして、こうも彼女は無防備なのだろうとため息を吐いた。
ズボンも履かず、ザクロのTシャツを一枚着たきりなど、襲ってくれと言っているようなものではないだろうか。
普段の浴衣も目のやり場に困ることはあるが…あちらはまだ足が見えてないのでマシだった。
ザクロの服はあまりダボッとはしていないので色々ギリギリなのである。
…そう、色々。
『押してダメなら引いてみろ、というのはどうでしょうか』
ふと思い出されたのは以前このことを相談した時に告げられたヒミコの言葉だった。
『弟たちも以前、パジャマを着ずに走り回ってたんです。でも、私が注意するよりも自分たちで危ない目にあった方が実感したみたいで』
ふわふわと笑う、彼女には何があったかは聞かなかったが…それを試してみる価値はありそうだな、と思う。
カイコクには少し痛い目を見てもらわなければ。


「…ん、ぅ……」
シャワーを浴びて出てきたザクロが見たのは、すっかり【要塞】を崩したカイコクだった。
生足を惜しげもなく晒し、無防備に寝息を立てている。
普段なら叩き起こすか諦めて布団をかけてやるが、今日は違った。
そっと起こさぬよう彼女に近づき、黒い布で目を覆う。
瞳を隠しさえすればこちらのもので、ザクロはカイコクの両腕を取り上げ一纏めに縛った。
「…ぅ……?!…なんでェ、こりゃ…はな、せ…っ!」
さすがにそんな暴挙に出れば彼女は目を覚まし、じたじたと暴れる。
だが、そんな抵抗を無視し、ザクロはカイコクの足を持ち上げた。
「だ、れ……っ!!やっ、やぁっ!!やめ、ろ!!離せ、触ってんじゃ、ね……ふぅっ、ぅあっ?!!」
声を荒らげる彼女の下着越しについ、と指で中心部を突く。
可愛らしい声を上げるカイコクがふるふると震えた。
まるで捨てられたばかりの子猫のようだ、と思う。
ザクロは引き出しから筆を取り出し、下着越しに肌を撫でた。
クリトリスからは愛液がじわりと滲み、下着にシミを作る。
「ひぅっ!や、だぁ…っ!…し、ぎり…おし、ぎりぃ…っ!」
彼女は視覚情報がない中での刺激に恐怖しているのだろう、小さな声で縋るように助けを呼んだ。
「…おし、ぎり…だよな?忍霧だろぅ?なぁ、悪かった、悪かったからぁあ!ふあっ、やっ、やだっ、やだぁっ!」
カイコクの謝罪を無視しその行為を続けること十数分、既に下着はぐしょぐしょで。
これくらいなら良いだろうとローターを2つ取り出す。
下着を横にずらし、ローターを膣に押し付けた。
「?!やめろ、やめ…っ!やだぁ!!!いや、やだ、い…や…」
カタカタとカイコクが震える。
いつもはこんなに嫌がらないが…やはり視界が奪われているというのは恐怖でしかないようだ。
しかしお仕置きだと言い聞かせ、ズブリと押し込む。
「~~っ!や…や…!…はなっ…せ……っ!ぃぐっ?!」
一瞬躰を強張らせた彼女がじたじたと先程より強く暴れた。
目隠しが取れてしまう!とザクロは馴らしてもいないアヌスにローターを押し込む。
「ぅぐ…ゃ……や…!ぃだ…い…」
途端に大人しくなり、震えるだけになった彼女の下着を戻した。
痛みを訴えるカイコクのそこを指で撫であげる。
切れた訳ではなさそうだが、彼女は痛いとシーツを掴んで泣いた。
精神的なものだろうか、と、その手をぐいと引っ張り、ザクロは彼女の躰を起こす。
「うぇ?!何、なになに?!やめろ、やだ、助け、て…っ!おし、ぎり、忍霧ィ!!」
己の名を呼び、助けを求めるカイコクを歩かせ、ザクロは無言で部屋の外に出た。
「っ!!ぃ、きたくねぇ…!やだ、ぁあっ?!」
音だけで部屋の外だとわかったのだろう、渋る彼女のナカに埋め込まれたローターのスイッチを入れる。
途端に力が抜けるカイコクの手を引っ張った。
廊下をただただ歩き、時間を消費させる。
「おや、ザッくんと…そっちのひっつき虫はカイさんかにゃ?」
「珍しいわね。…こんな時間に何をしてるんです?」
と、前から歩いてきたのは髪型が違うユズとカリンだ。
大方、銭湯にでも行っていたのだろう。
「ああ、ホラーゲームをやったんだがな、思ったよりグロくてこのざまだ。水を取りに行こうとしたんだが…一人は怖いと言うから」
目隠しを見られないよう自分の方に顔を押し付けてやりながら、ザクロは持って来ていたペットボトルを振り、そう言った。
バレると思ったが二人は存外あっさり信じたらしい。
カリンなどはホラーゲーム実況者だからだろう、「鬼ヶ崎さんがこうなるなんて!どのゲームです?!」とわくわくしながら聞いてきた。
以前、ザクロが挑戦してみようとしてその悍ましさに秒で諦めたゲームタイトルを告げればカリンは知らなかったようで、「一緒にやりましょ、ユズ先輩!今!」と楽しそうにユズの手を引っ張る。
「…今の話を聞いて、やろうと思う要素あったかい?カリリン」
「実況者たるもの、何事も挑戦ですってば!ね!…ありがとうございます、忍霧さん!」
「はいはい、仕方がないにゃぁ。じゃあ、ザッくんにカイさん。また明日」
「ああ」
二人に手を振り、ザクロはまた無言になる。
嫌がる彼女を歩かせ、部屋に入った。
「…鬼ヶ崎」
「…は……ぅ、ううーっ!!」
そこでようやっと、黒い布を外してやる。
漆黒の瞳に光を浴び、濡れたそれを歪めたカイコクが抱きついてきた。
「忍霧、の、阿呆…っ!!こわかっ、怖かったんだから、な……?!」
「すまない。…そんなに怖がるとは思っていなくて、だな……」
宥めるようにザクロは彼女の髪を撫でる。
まさか目隠しの下のカイコクがこんなにも怯えているとは思わなかった。
見たこともない姿にザクロは苦笑する。
「ほ、かっ、他のっ、やつ…っ、こわっ…」
「悪かった」
ガタガタと震えるカイコクは余程怖かったのだろう、素直に抱きついてきて、普段はあんなにも気丈なくせに、とザクロは笑った。
「しかし、貴様も俺の言うことを無視していたのだから相子だろう?」
「…ぅ、え…?」
きょとん、とカイコクがこちらを見る。
「ズボンを履けと、言ったよな?」
「?!そ、んだけ…??」
「そうだが……」
目を見開いた彼女がザクロの返答にへなへなと崩れ落ちた。
「?!鬼ヶ崎?」
「…き、らわれ…た、かと……」
ぽつりと呟かれたそれはあまりに意外で、ザクロは目を見開く。
何を持ってそんなことを言うのか、検討もつかなかった。
「は…。…そんなことあるはずが無いだろう」
「…っ!お前さんっ、何度呼びかけても無視したくせに!」
「…それは……」
キッと睨みつけてくるカイコクに、ザクロは頭を掻く。
「こうでもされれば、危機感を覚えてくれるかと思って、だな…」
「…お、れが……っ、どんな…思いで…っ!」
ポロポロと涙を零す彼女に、やりすぎた、とその頭を撫でた。
「…すまない。貴様のことは大切だ。だからこそあまり破廉恥な格好をしてほしくはないんだ」
「…忍霧の、前だから…っ!他のヤツがいる時はしてねェ…っ」
「存外可愛いことを言ってくれる。だが、パカメラがいつ見ているかは分からないんだぞ?」
頭を撫でながら言えばカイコクは少々ブスくれた顔をする。
「…何のための彼氏でェ……」
「…貴様は俺に護られるのなんぞはごめんだと思っていたが」
苦笑しつつも意地悪く言ってやれば彼女もまたじっとりと見上げてきた。
「…お前さんには背中を預けてやるって言ってんだが?」
「それは…彼氏冥利に尽きるな」
くすくすと笑いながらザクロはカイコクの目尻にキスを落とす。
「…んっ……忍霧、ベッド……」
「…分かっている」
もぞもぞと動く彼女を抱き上げ、ベッドに下ろし、そのまま押し倒した。
「…鬼ヶ崎…」
「…ん、ぅ…ふっ…」
ちゅ、と唇に軽くキスを落としてから深く口付ける。
カイコクは意外とキスが好きだった。
上顎を撫でくすぐれば、とろん、とこちらを見つめてくる。
綺麗な髪を乱し、ちゅっちゅと体中に口付けた。
ローターを起動させるのも忘れない。
「…おし、ぎりぃ…ぅあっ、ふ…ぁ……っ!とって、とってくんなぁ…っ!」
ぴくんっと躰を揺らし、嫌々と首を振る彼女の太ももに跡を残しながらザクロは駄目だと一言告げた。
「な、んで…んぁあっ!!や…っだぁ…っ!」
「一応『お仕置き』だからな。今日はこのままだ」
「…ひっく、ぅう……っ!は、んせ…した…か、らぁあ!」
「駄目だと言っている。…少し我慢しろ」
泣きじゃくる頭を撫でてやり、ザクロは少し離れる。
以前に使おうとしてカイコクが盛大に嫌がったそれを手に戻れば、ひくっと表情を引きつらせた。
「…や、やめて…くんない…っ」
「お仕置きだと、言っただろう?」
震えた声の彼女にそう返しながらローションをかけ、下着を脱がす。
くちり、とバイブを膣に押し付けた。
「…わ、悪かった…から……」
「なら、次からはしないことだ、な!」
「~~っ!!!!」
ズプンと押し込めば、カイコクは声なき悲鳴を上げる。
ローターを押し上げ、スイッチを入れた。
「ぅあっ、ふぁっ、や、やぁっ、…やぁああァっ!!!」
嬌声を上げる、カイコクの手がゆらゆらと彷徨う。
その手を取らず、もう一本の細いバイブにもとろりとローションをかけた。
ぎゅうっと身を縮め、快楽に耐える彼女は気づいていないのだろう。
幸い、とザクロはそれをひくつくアヌスへと突き刺した。
「ぃぐっ?!!む、りぃ…っ!や、だ…ぃやだぁあ!!」
「大丈夫だから。…ほら」
「むり、らから…さけ、る…や……っ!!」
舌足らずな言葉でザクロに訴えてくるがここまで行けばもう止められず、最奥まで押し込む。
揺らめく手を今度こそ取り、ザクロはカイコクを抱きしめた。
「ほら、入っただろう?頑張ったじゃないか、鬼ヶ崎」
「…ん……」
ホロホロと涙を流す彼女にキスを落とし、ザクロはスイッチを入れる。
「ぅぁあ??!ひっぃ…やっ、あ"っ?!!ぃぐっ、ひぅううっ!!!」
ぎゅぅうっと抱きついてくるカイコクは一瞬の内にイッてしまったようだ。
だが、機械は彼女を余韻になど浸らせない。
「?!!とめ、てくんなァ?!!や、だ…イッた、ばっか…あっ、あぁっ、ひん…っ!!」
可愛らしい声を上げ続けるカイコクの、躰に跡を残しながらザクロはバイブを前後に動かした。
「やぁあっ!も、やだぁあ!!!ふぁっ、やっ、ぅうーっ!!」
びくんっと盛大に躰を跳ねさせ、普段はあまり上げない声を上げて彼女はイく。
「はー…はー……」
とろん、と躰を弛緩させるカイコクに、こちらもスイッチを切った。
「よく頑張ったな、鬼ヶ崎」
「…ん…」
するりと頬を撫でれば彼女は素直に頷く。
「気持ち良かったか?随分とイったようだが…っと」
ほんの少し意地悪を言いながら膣のバイブを抜けばカイコクが小さく声をあげながら引っ張ってきた。
「お、しぎりが良い…っ!おし、ぎりのが、ほ…しぃ…」
ぎゅうっとザクロの服を掴む彼女が可愛らしい。
いつもこうなら良いのに、とザクロは服を脱ぎ、身を沈めた。
「…ぁっ、待って、まだ入ったまんま…んんんぅーっ!!」
「…はっ…今日は両方を嫌になるまで可愛がってやるからな…っ!!」
目を潤ませるカイコクに、ザクロは舌なめずりをしながら自身を押し込む。
有言実行の言葉通り、彼女は一晩中可愛がられたのであった。



「なー…パカの野郎からネグリジェ?が届いたんだが……」
「捨てろ。一緒に選んでやるから」
後日、パジャマ騒動で一悶着あるのは…また別の話。

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