にょたカイちゃんがパカメラフラッシュでザッくんに犯される悪夢を見る

少し、痛い目を見ていただきませんとお分かりになりませんか?と、パカが言った。
それは覚えている。
「…ぅ…」
パカメラのフラッシュが光り、一瞬目を瞑った。
ただのそれだけだったのに。
「…ここ、何処でェ…」
痛む頭を押さえ、彼女…カイコクは辺りを見回す。
真っ白い場所だった。
何もない、場所。
悪夢を、見ていただきますと…パカは言ったのだ。
これが自分にとっての悪夢なのかと疑問符を浮かべた…その時である。
「…おし、ぎり?」
何もないと思っていた場所に、仲間である忍霧ザクロが立っていた。
「…っ、忍霧!」
思わず大声で彼を呼ぶ。
ゆっくりと振り返ったザクロは…見たこともないような、嫌悪に塗れた顔をしていた。
思わずびくりと固まる。
「…忍、霧…?」
「…。…その汚らわしい口で俺の名を呼ぶな」
「…ぇ?」
彼の口から放たれた言葉に一瞬理解が遅れた。
「…お、し…」
「聞こえなかったのか?貴様」
「…っ!」
震えるカイコクの伸ばした手を取り、ザクロが嗤う。
ゾッとするような笑みだった。
違う、これはザクロではない。
分かっているのに体が動かなかった。
「…っ!ぃ…っ!!」
ザクロの手が長く伸ばされた彼女の髪を掴み上げる。
そのまま思い切り引き倒された。
「…っ!!!げほっ、ごほ…っ!な、に…しやが…!」
受け身すら取れず、カイコクは咳き込みながらザクロを睨む。
「…煩い」
両手首を地面に押さえつけられ、彼女は目を見開いた。
目の前のザクロは…ナイフを振りかぶっていたから。
信じられないものを見ている気分だった。
「…や、めろ」
「煩いと言っている、だろう!」
「…~~っ!!!!」
震える声を無視して振り下ろされたナイフは両手のひらを貫通し、地面に刺さる。
本当に痛い時には悲鳴も出ないのだと、カイコクは知った。
「…ぅあ…ぁ……」
「良い顔をする」
ザクロが嗤う。
涙でその顔が歪んだ。
違う、こんなの…ザクロではない。
だが、痛みは確実に現実を突き付けてきた。
「…し、ぎりぃ…!…すけ、て…っ!」
「まだ歯向かうのか、貴様は」
助けを求めて呼ぶ彼女に…ザクロは小さく溜息を吐き出す。
そうして、痛みに動かす気力もなくなった両足を大きく割った。
あれよあれよという間に下着を脱がされ、カイコクは震える。
犯す気なんだろうか。
こんなにも【嫌い】を押し付けてくるというのに。
…ただただ、怖い、と思った。
と、ザクロは何かを手に取る。
それが何かを理解する前に…再び激痛が走った。
「…っ!!ぅあああっ!なに、なにぃ?!!」
「…切れてしまったか」
混乱するカイコクに、何事もないようにザクロが言う。
ズッズッと腹の奥を突かれる不快感。
しばらく経って何かで尻の中を犯されれているのだと…チカチカする脳内でようやっと理解した。
「…きもち、わる…!ぃだい…っ!!や、めろ…やめ、て…くんな…!!そ、んなとこ…ひっ、ぁっあぁああっ!」
「俺に指図をするな」
ぐり、とそれが一層強く奥を突き上げる。
快楽も何もない行為だった。
涙が溢れて止まらない。
「ぅあ…はっ、はぅ……ひ、ぅ…!」
ガタガタと震えるカイコクを…更なる地獄が襲った。
「?!お、おし、ぎりぃ…!…も、う…やめ…!!」
「存外頭が悪いな、貴様は」
縋るカイコクにザクロがせせら笑う。
ズプン、と…濡れてもいないそこに彼の性器が入り込んだ。
脳内で弾けるプチプチと言う音。
処女膜が散らされた…音。
ひゅっと喉が鳴る。
これは悪夢だと強く思い込もうとするカイコクに、現実は無情だった。
「っぁ、あ、あぁああああっ!!ひぁぅっ!やっ、ぁんっ、ひっ…ぅう~~っ!!」
防衛本能だろうか、膣から溢れ出た愛液を混ぜ返し、ザクロは犯す。
子宮口を突き上げ、涙を流すカイコクを気遣いもせず、ただ本能のまま犯すザクロに彼女はは涙を散らすしかなかった。
「ぅうううっ!!!」
びくっびくっと足が大きく跳ねる。
何がなんだか分からないカイコクに、出すぞと言う声が耳に入った。
理解する前に、膣内に熱いものが注ぎ込まれる。
「…ぁ、つぃい…!」
無意識にそう声を漏らした。
尻を犯していたそれが引き抜かれ、カイコクはゾッとする。
彼女を犯していたのは番傘だったのだ。
真っ白な部屋で、カイコクの眼前が真っ黒に染まる。
許して、と呟いたカイコクがそれを承諾される訳も無く。
「ひぎゃぁあっ!」
再びザクロのそれがカイコクを犯す。
悲鳴にも似た嬌声は、白い部屋を覆ってから霧散した。

「…気がついたか、鬼ヶ崎」
ぼんやりと目を開けたカイコクに、ザクロはほっとした目を向ける。
廊下で倒れていた彼女を部屋に運んだは良いが、魘されるばかりで一向に目を覚まさないカイコクにやきもきしていたのだった。
「どうしたんだ。あんなところ、で…」
「…ぅ、ぁ…っ!!」
小さく悲鳴を上げたカイコクがシーツを掴む。
ゆるゆると首を振り、彼女は小さいながらはっきりと「怖い」と言った。
「…は?怖い?俺が、か?」
その言葉にザクロは混乱しきりである。
カイコクは何を言っているのだろうか。
「俺が何をした?教えてくれ、鬼ヶ崎」
「…ぁ……」
僅かに声を上げ、カイコクがおずおずとザクロを見上げた。
ポツリポツリと夢の内容を話すカイコクを…ザクロは思わず抱きしめる。
「…ッ!や、ぁ…!」
「…夢だ、それは…夢だ、鬼ヶ崎」
そっと囁き、ザクロは笑みを浮かべた。
マスクの下で…黒い笑みを。
「…ゆ、め…?」 
「そうだとも。俺はそんな酷いことはしない。知っているよな?」
「…ぁ…」
そっと離れ、ザクロはナイフが刺さっていた箇所を優しく撫でた。
うん、と壊れた目でカイコクが笑む。
ザクロが優しいならばそれで良いとさえ、思った。

(さてさて、夢はどこからどこまでが夢だった?

優しい彼は、夢か現か幻か。


それは彼女だけが知っている。)

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