ワンドロ・祝1周年/誓い

「彰人、冬弥!見てみてー!」
「祝!1周年!!だよ!」
「…はぁ??」


いつものセカイ、いつものカフェで、何故だか横断幕を持ったレンとKAITOにテンション高く出迎えられ、彰人は心底分からない、といった声を出した。
後ろにいた冬弥も流石によく分からないのかきょとんとしている。
「あれ?彰人はともかく、冬弥もノリ悪いなぁ」
「…すまない、何が祝なのかを測りかねていた」
笑うレンに、冬弥が曖昧な笑みを浮かべた。
「え、もしかして彰人くんも?」
「なんだ、二人とも忘れちゃったの?」
「いや、忘れるも何も、そもそも知らねぇし」
驚くKAITOと不満げなレンに彰人は言う。
レンやKAITOに祝ってもらうような記念日などあっただろうか、と思っていれば、レンが「じゃー、ヒント!」とポケットを叩いた。
疑問符を浮かべながらお互いポケットを探る。
出てきたのは音楽プレイヤーで…。
「…あ」
思い当たったそれに、思わず出た声と、冬弥の小さな声が被った。
大正解!とレンがピースサインを出す、その答えは。
「…セカイが、出来た日…か」


セカイが出来た日。
つまりは本当の想いを見つけられた日。
ちなみに正式にチームを組んだ日はもう少し後だったから、すっかり忘れていた。
「…あんな喧嘩をした日だったのに、忘れていたとは」
「…思い出すんじゃねぇよ…」
小さく笑う冬弥に、バツ悪く彰人は顔を背ける。
あの時期は冬弥が離れて行ってしまい、荒れていた時期でもあったから忘れたくはあったのだ。
「だが、あの喧嘩があったからこそ、彰人の想いを知る事が出来た。思っている事をぶつけるのも大切だと分かったな」
「そーな。普段は見えねぇお前の想いも分かったしな」
柔らかく微笑む冬弥の手を取る。
「…これからも頼むぜ、相棒」
「ああ。こちらこそよろしく頼む、相棒」
二人で不敵に微笑んで、歩み出した。
想いの光がキラキラと輝く。

誓おう。

この手を二度と離しはしないと。



この想いは、二度と覆しはしない、と。


(叶えたい想いは一周年を超えてミライへと!)

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