イチャイチャ10題・おデココツン(えむえす

忙しい日常の中、好きな人と仕事が出来るのはやっぱり特別な時間で。


「最近一緒になる率高いなー」
「そうですね」
ブースの外のソファで台本チェックしながら隣の杉山君に声をかけると真剣な顔をふわっと崩して笑いかけてくれた。
・・・俺と同い年なのに可愛すぎだろ・・・。
「初期と同じくらい会ってる気ぃするよな」
「?不満ですか?」
「その逆ー。すげぇ嬉しい」
ニッと笑いかけると杉山君はきょとんとしてからくすくす笑って。
「なかなか一緒の仕事ないですもんね」
「な〜。休みも重なんねぇから遊んだり出来ねぇし」
ソファの背もたれにもたれながら伸びをしつつ笑いかける。
出番まだだし、こんだけまったりと二人で過ごせるのも久しぶりだ。
いつも皆一緒だしな。
・・・あ〜・・・仕事場って事忘れそー・・・。
「森田さん」
「ん?」
苦笑しながら話しかけてくる杉山君を見る。
「くつろぎ過ぎです」
「え?あ〜・・・。なんか落ち着くんだよなー」
笑って言う杉山君に俺もにへらっと笑って返した。
「・・・もう・・・。・・・まあ、ここのソファは気持ちいいですけどね?」
「いや、ソファだけじゃないって」
「え?」
こて、と首を傾げる杉山君をぐいっと引き寄せる。
「杉山ちゃんの隣だから、だよ」
「・・・!」
吃驚した表情で俺を見つめた杉山君はもう、と照れた表情で俺を突き放した。
あー、杉山君のこういう顔、好きだわ。
・・・まあ・・・にやにやとその表情を見てた俺は流石に「森田さんっ?!」って怒鳴られたわけだけど。
普段は声を荒げることなんかないから、俺の前では気を許してるんだなって思うと嬉しくはある行動なんだよな。
「ごめんってば」
「もう・・・」
「あ、なあ、久しぶりに今度遊びに行こうぜ?」
拗ねた様子の杉山君にそう言うと気を取り成したようでふっと微笑んで「そうですねぇ」って微笑む。
うん、やっぱ杉山君は笑ってるほうがいいわ。
「っし、電気街行こ、電気街」
よっと身体をちゃんと起こして座りつつ提案した。
「いいですね。見てるだけでも楽しいですし・・・」
「あんま理解されねぇけどな」
「あはは、そうですね」
ふわふわと笑う杉山君は可愛い。
・・・ホントに同い年なんだろーかとちょっと疑問になんだけど。
「あ、この前駐車場にいたねこが可愛くてですねー・・・」
「え、嘘、マジで?」
デジカメを取り出して目を輝かせる杉山君に思わず苦笑する。
ホントねこ好きだな〜。
ブログもほぼねこで埋まってるし。
まあ、杉山君自身ねこっていうか素直すぎるねこ・・・いや、うさぎ・・・?
「・・・?森田さん?」
「え?いやぁ・・・ははっ・・・。あ、こいつ可愛い」
きょとんと首を傾げる杉山君に曖昧に笑いかけて画面に映ったねこを指差した。
「ああ、この子はスタジオの近くにいるねこですね」
「えー、嘘、俺見たことねぇ」
「そうですか?凄く人懐っこくって可愛いんですよ〜」
小さな画面を額をつき合わせるようにして覗き込む。
・・・デジカメのねこを大の大人が真剣に見てる構図・・・傍から見りゃさぞかしすげぇ光景だろうな・・・。
まっ、あんま気にしねぇけどさ。
ふと横を見ると吃驚する位杉山君と顔が近かった。
「なぁ」
「え?」
機嫌良さ気に前を向いた杉山君の驚いた顔が間近に見える。
「・・・なんか・・・隠し事してるみたいだな」
「・・・ふ、ふふ・・・っ、そうです、ね」
声のボリュームを小さくしてそう囁けば杉山君もくすくすと笑った。
なんかさ、こういう雰囲気、好きだなって思う。



「・・・杉山ちゃん、大好き」
「・・・ふふ、僕もです」








コツン、とお互いの額をつけて。

笑い合う事の出来る幸せ。



ーーー
ナマモノ2本目〜。
久しぶりの甘いちゃえむえすです。
仕事場で何やってるんでしょうね、この人たち(笑)

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