好きなところ(へし燭SSS・ワンドロお題)

「はぁ?燭台切の好きなところだぁ?」
非番のある日、長谷部は唐突の質問に眉を潜めた。
表情を輝かせるのは大和守安定、そしてそれに巻き込まれたのだろう加州清光である。
「長谷部さんは光忠さんのどんなところが好きになったのかなって!」
「俺は興味ないけど!…でも、へし切が燭台切さんを好き、って思ったのは何処なのかは、まあ、聞いてみたいし?」
「…なんだ、それは」
二人のそれに呆れたようなため息を吐き、上を向いた。
好きなところ、急に言われても困る。
無いわけではない。
寧ろ有りすぎるほどなのだ。
あの全てが好ましいと言っても良い。
最初に好きだと思ったのはさて何処だったろう。
「…。…目だ」
「目?」
きょとんとする安定と清光に長谷部は、ああ、と頷いた。



微笑む度に蕩ける蜂蜜色の瞳。
眼帯の下に隠れる自分と同じ色の、藤色の瞳。

どちらも美しいと思い…好きだと、思った。

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