ゆるゆるした監禁の話2(アカカイ)

パン太郎との朝の散歩が終わった俺は朝食を持って部屋に向かう。
自分の朝食はさっき食堂ですませてきた。
じゃあ誰のかって?
それは……。
「おはようございます、カイコクさん」
ガチャリと鍵を開けて、俺は部屋の中にいるその人に声をかける。
「…ん……はよ……」
ぼんやりしたその声はガチ寝起きだった。
もそもそと起き上がって…布団の中で夢と現を行ったり来たりしているカイコクさんにはもう慣れっこだ。
起きてくださーい、と声をかけ、朝食を机に置く。
「今日の朝ご飯はホッケですよー、美味しいですよー」
「…ん……」
頑張って目を開けようとするカイコクさんの着流しを脱がせる…のに少し邪魔だったから手首についた【枷】を取り外した。
ガシャン、と重い音を立てるそれを床に置いて、黒い着流しからいつもの着物に着替えさせる。
再び手枷を着けて、温かいお絞りを手渡す頃にはようやっとカイコクさんも覚醒したようだった。
「おはようございます、カイコクさん」
「…ん、おはようさん。入出」
顔を拭いてさっぱりしたのか、小さく息を吐き出したカイコクさんが立ち上がって洗面台へと向かう。
シャコシャコと歯磨きをする音を聞きながら俺はお茶の準備を始めた。
「いたれりつくせり、ってやつだな」
数分後に戻ってきたカイコクさんが小さく肩を揺らす。
「そういう契約です」
「そうだった。…いただきます」
「召し上がれ」
綺麗に手を合わせてカイコクさんはお箸で魚を解した。
その所作の美しさにはいつ見ても惚れ惚れする。
「なぁ、入出。今日はなんかゲームあんのかい」
「いえ、特に何も言われてませんよ」
カイコクさんの質問に俺はにこりと笑って答えた。
「なら将棋でもしようや」
「…カイコクさん、手加減してくれます?」
「勝負はいつだって平等であるもんでぇ」
クスクスとカイコクさんが可愛らしく笑う。
その笑顔に見惚れてしまった俺に拒否権なんてないのだった。
ごちそうさまでした、と再び手を合わせてカイコクさんが立ち上がる。
どうやら早速勝負を始めるつもりらしかった。
「わわ、待って下さい!俺、食器返してきますから!」
「待つの苦手なんでぇ。…早くしてくれな」
慌てて立ち上がる俺にカイコクさんが言って手を振る。
ガシャリと重い音が、鳴った。
カイコクさんは、俺に監禁されている。
俺が頼んで、彼が許可を出した。
だから無理矢理でもないし、期限も決まっている。
それが済んだらまたカイコクさんは前のような、普通に、いつも通りの生活に戻るのだ。
…彼がそれを望めば、だけれど。
「お待たせしました!」
「遅え」
部屋に戻るとカイコクさんの短いお言葉が飛んできた。
そんなに待たせたつもりはなかったけれど、一応すみません、と謝る。
何も娯楽がない部屋だから、ただ待つのもつまらないのかもだし。
カイコクさんも言いたかっただけのようで、怒った様子も何もなかった。
それを証拠に、手加減しないと言いながら最初の数回は明らかに接待勝負で。
言葉とは裏腹に優しいカイコクさんに甘えつつ素直に喜ぶ。
あまりこういう機会もないですからね!
「じゃあ勝ったほうが負けたほうの言う事を一つ聞くことにしましょう」
お昼ご飯のおにぎりを食べながら言う俺に、カイコクさんの目が楽しそうに光った。
「…ほぉう?乗った」
勝ち気なそれは意外と負けず嫌いなそれもあるんだろうな、と思う。
ちなみに本気になったカイコクさんに俺は一度も勝てた試しがなかった。
画して勝負はもちろん俺の負けで。
修行が足りねぇってこった、と笑うカイコクさんはそれはそれは綺麗だった。
「はーぁ、やっぱり最後は俺の負けですかぁ」
「ま、いい線まで言ってたんじゃねぇか?」
ご機嫌なカイコクさんが俺の頭をポンポンと叩く。
それだけで元気になるから俺も現金なものだ。
「ありがとうございます。で?カイコクさんは何をご所望ですか?」
俺のそれに、カイコクさんはそうさなぁ、と上を向く。
「今晩は寿司が食いてぇな」
にっこりと微笑まれるそれは有無を言わさないそれで。
カイコクさんの笑顔に弱い俺が敵うはずもなく、行ってきます、と立ち上がった。
「そろそろ風呂にでも入るかねぇ」
俺が持ってきた極上寿司に舌鼓を打った後、暫くしてからお茶を飲んで一服もし終わったカイコクさんが言う。
よっ、という声と共に立ち上がって風呂場へ向かった。
普通の部屋とは違い、ここはカイコクさんリクエストの檜風呂がある。
そこでのんびり過ごす事も、気に入っている一つのようだった。
「手伝いましょうか?」
「んー?…良い良い、風呂くらい一人で入れる」
俺の言葉に返ってきたそれはカイコクさんらしい応え。
小さく笑ってから、そういえば枷を外していないと俺も立ち上がる。
「入出?手伝いは要らねぇって言ったつもりだが」
「手枷外さないでどうやって服脱ぐんですか?」
「…あ」
今気づいたと言わんばかりのそれに俺は笑った。
意外とうっかりしている…そこが可愛いんだけど。
「…。…早く外してくんな」
笑われたことにブスくれるカイコクさんに俺は近づく。
…そうして。
「…【カイ】」
するり、と入れ墨を撫でて囁いた。
「…ぁ、ふぁあああっ…!!」
たったのそれだけで甘ったるい声を上げてカイコクさんはがくんと崩れ落ちる。
ぴくん、と震える彼は先程までのカイコクさんとはまるで別人だった。
白い肌が蒸気し、触れる度にびくびくと跳ねる。
昨夜から突っ込んだままだったバイブと赤い紐で堰き止められた根本に身悶え幼子のように首を振りながら自分自身を守る様に抱き締めていた。
「我慢してたんですか?【カイ】」
「…し、てた…してた、からぁ……!」
目線を合わせてしゃがむ俺にカイコクさんが舌足らずに訴えてくる。
「ぬぃて……これ、はずして、くんなぁ…も、やだ…っ」
「何が嫌なんですか?言ってくれないと分かりません」
泣きじゃくる彼は俺よりも遥かに幼かった。
まるで、その時から精神が止まっているかのような、そんな。
「【カイ】、言ってください」
「…ぁ……」
俺の言葉にカイコクさんはぴくん、と肩を震わせる。
怒られたかのような顔をするから、大丈夫だと頭を撫でた。
「良い子にはご褒美をあげます。上手に言えたらお望み通りにしますよ」
「…ほ、んと…に?」
「本当です」
にっこりと笑う俺に、カイコクさんはおずおずと足を開く。
「これ…っ、紐…外して…ほしい……」
「ほしい、ですか?」
「…外して、くださぃ……」
ほろほろと涙を溢して訴えるカイコクさんに俺は仕方がないなぁと紐に手を伸ばした。
一気に緩めると足を痙攣させ、精を吐き出す。
熱い息を漏らし、ぼんやりするカイコクさんをころんと押し倒した。
「…ふぇ…?」
「紐は外してあげたんですから、今日はこっちで遊びましょう」
「…?!待って、ま…っ!ぃぅううっ!!」
「これでイけたら抜いてあげます。だから頑張ってください」
バイブを持ち、ごちゅんと打ち付ける。
途端に嫌々と首を振った。
そんなカイコクさんの態度とは裏腹に、躰は与えられる快楽を享受している。
多少乱暴に打ち付けて、振動を最大にしてしまっても、もっともっとというように収縮を繰り返すアナルはまるでその役割を変えてしまったようだった。
それはそうだろう。
俺が毎回入れるお茶には遅効性の媚薬が含まれている。
初日にその効果が発揮された時、カイコクさんは狂ったように泣きじゃくった。
快楽を享受するのはいけないことなのだとでも言うように。
声を上げないのもきっとそのせいだろう。
だから俺は呪いをかけた。
【カイ】、と呼ばれた時だけ快楽を思い出すように。
バイブを埋め込んでいても縄で躰を責められていても平気なのは催眠にかかっているからだ。
一種の防衛本能と言って良い。
あれは、自分ではないと。
懸命に自分に言い聞かせている。
一週間経ってやっとこの調子だ。
これでも毎夜行ってきたせいか、だいぶ慣れた方で。
「【カイ】」
「ぅんんんっ!!」
囁いた途端、カイコクさんはぎゅうっと躰を縮こませて痙攣した。
「上手にイけましたね、良い子」
するりと頬を撫でてやるとふにゃと笑う。
あまり慣れていないそれはどこか歪。
「約束通り、抜いてあげますね」
「ひゃ、ぁ…~~~っ!!!」
ずるりと引き抜けば声なき悲鳴が上がった。
ぽたり、と透明な液が滴り落ちる。
「意外と気に入ってました?」
意地悪を言う俺に、カイコクさんは力無く首を横に振った。
「頭…も、躰も……ぐちゃぐちゃになるから、嫌だ……」
「そうですか」
「…おね、が……も、止めて…止めてくれ……」
気ぃ狂う、と吐き出される小さな本音。
今止めたところで、カイコクさんが辛いだけだろうに!
「俺も我慢してるんです。一緒に狂ってしまいましょう?【カイ】」
張り詰めたそれを取り出して、すっかり柔らかくなってしまった後孔に擦り付ければ、ひっと小さな声を上げた。
「…【カイ】、いれますね」
囁いてズブズブと押し進める。
「ゃだ、や、ぁあっ、んぅうーっ!!」
首を振る彼に深く口付けた。
舌を入れても噛むことなくそれを受け入れる。
悲鳴のような嬌声は消え、ジャラジャラという鎖のそれだけが部屋に響いた。

「…カイコクさん」
小さく、聞こえないように呼びかける。
彼は、慣れてしまった。
この…甘やかされる生活に。
享受するだけの日々に。
それに慣らされてしまった体は本能が戻りたいと願ってしまう。
鍵が開いて、前の日常に戻れるとしても。
砂糖水が決して真水に戻らないように、僅かなそれは日常に支障をきたしてしまうのだ。
「早く、堕ちてくださいね」
口内で願ったそれは、暗い部屋にぽつんと波紋を広げてゆっくりと揺蕩うように沈んでいった。
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