ハロウィンなので高校の制服着てください!R18 ザクカイ

「…ん、ぅっ、ふ…ぁ…」
深く深く口付けていたそれを離した。
大きく息を吐き出す二人の間につぅ、と糸が一本引かれる。
さんざ、上顎やら歯の裏やらを舌で擽ってやったカイコクはとろんとしていた。
下世話な話だなんだをする割に実際カイコクはとんと初心なのである。
可愛いな、と思いながらザクロはその頬を撫でた。
「…ん、ぅっ…」
無意識なのだろう、すり、とカイコクがそれに甘えるように擦りつく。
「どうした?今日は随分甘えただな、鬼ヶ崎先輩」
フッと笑ってやるとカイコクは少し不満そうな顔をした。
「…それ、止めてくんなぁ」
「…それ、とは」
「その…先輩っていうやつでぇ」
首を傾げたザクロにカイコクが小さく答える。
どうやら普段と違う呼び方なものだから、恥ずかしいらしかった。
「…なんで」
「…なんでって…なんつーか…ムズムズする…」
態とらしく理由を聞くザクロに、モゴモゴと言うカイコクがあまりにも可愛いものだから。
少し、ほんの少しザクロはこのまま虐めたくなった。
普段は飄々と言うカイコクが照れているのは珍しいのである。
だから。
「嫌だ」
「…なっ…!」
あっさり言うザクロに、カイコクの黒曜石の瞳が大きく見開かれた。
いつも揶揄われているのだから、少しは仕返しも構わないだろう。
ちゅ、と触れるだけのキスを落としてザクロは笑った。
「たまには可愛い後輩のお願いを聞いてくれても構わないだろう?鬼ヶ崎先輩」
「…っ!お前さん、後輩って、自分で思っちゃいねぇだろ…ぅ…!」
焦ったようにわたわたと言うカイコクは非常に珍しい。
普段は人形のように綺麗な笑みを見せるだけの彼が自分の言動に振り回されているのは見ていて少し楽しかった。
それに、自分で言ってしまったが、可愛い後輩、という言葉に思いの外動揺したのが気になる。
可愛いは否定しないんだな、と思いながらザクロは態とらしく首を傾げた。
悔しかったりもするが、使える所は使っていかなければ。
「…だめ、か?鬼ヶ崎先輩」
「…~っ!今回、だけでぇ……」
案の定あっさり落ちたカイコクにザクロは小さく笑って頬を撫でる。
「分かった。今回だけの遊び、だ」
「…ん…!」
そんなザクロに、カイコクは不満そうにしていたがふと何かを思い出したかのようにニッ笑った。
「…なあ、忍霧。そんならお前さんの呼び名も変えないとな」
「はぁ?俺は別に……」
「そういう訳にもいかねぇだろう。…なぁ、『ザクロくん』?」
にっこりとカイコクが微笑む。
その口から溢れる名前はキラキラと輝いていて。
「…なっ……!き、さま……っ!!」
途端に顔の熱が一気に集まった。
「どうした、遊びは終いかい?ザクロくん」
意地悪くカイコクが笑む。
どうやらこのまま通すことにしたようだ。
「…っ。…まさか。無知な俺に色々教えてくれ、鬼ヶ崎先輩」
「あぁ。俺は優しいからな。…可愛い後輩に何でも教えてやる」
不敵な笑みを浮かべるカイコクの頬に手を添え、ザクロはちゅ、と触れるだけのキスを落とす。
無知な後輩と優しい先輩。
今回だけのごっこ遊び。
普段とは違うそれは確かにぞくぞくとした。
「ん、ぅっ、ふぁ…ぁう…」
もう一度深く口付けながら、ザクロはネクタイを外そうとする。
が、人のネクタイなんか外した事もないから、どうしたら良いのか分からなかった。
一瞬固まるザクロに口を離したカイコクがゆったりと微笑む。
「何にも知らねぇんだなァ、ザクロくんは」
くすり、と笑ってカイコクがザクロの手を添え、教えるように指を絡めた。
「…慣れているんだな」
「なんでぇ、嫉妬かい?」
しゅるりとネクタイを外し、ニットベストに隠れないボタンを外して首元を緩ませながらカイコクが笑う。
「安心しな。心を許したのはお前さんだけだぜ?ザクロくん」
そうやって綺麗な笑みを浮かべるから、いっそ縛ってやろうかとも思った。
だが、ネクタイはそうやって使うものではないと思い直す。
まあそんなことを言ってしまえば、このごっこ遊びもどうなのかと思うけれど。
「…。…煽って後悔するなよ、鬼ヶ崎先輩」
「ふふ、後悔させてくれんのかい?」
クスクスと揺らす肩にある入れ墨を露出させた。
舌を這わせながら両手を服の中に潜り込ませ、乳首を弄る。 
「…っ!ふ、ゃぁ…!」
「気持ち良いか?」
ぴちゃぴちゃ舐めながら聞けば、可愛らしい声を上げながらもカイコクは笑みを作った。
「…は……行為中に聞くのは…野暮だぜ…んっ…ザクロ、くん?」
「分からないことは教えてくれるんじゃなかったのか?鬼ヶ崎先輩」
揚げ足を取ったり煽られたりしながらもザクロは責める手を休めない。
乳首を摘み上げたりくるくると擽ったりしながら高めていった。
黒いスラックスをパンツごと脱がせてやれば、先走りの糸が引く。
「躰は素直に教えてくれるようだが」
「…っ」
ザクロのそれにカイコクはふいと横を向いた。
恥ずかしいのか耳が赤く染まっている。
くちりと亀頭を撫であげると、ビクンッとその躰が跳ねた。
「ぅう、ぁぅ…ゃ…!」
ふるふると髪を乱しながらカイコクは首を振る。 
亀頭に息を吹きかけ、竿を手で何度もこすり上げた。
「ぅあっ、あ、ゃ、は…~~~っ!!」
ビクビクと躰を揺らし、爪先をぎゅうと丸めてカイコクは精を吐き出す。
「沢山出たな、鬼ヶ崎先輩」
小さく笑い、荒い息を吐き出すカイコクに見せつけてやった。
そっぽを向く彼が面白くなくて、ザクロはその綺麗な足を肩に抱え上げる。
「んぅ…っ!!」
精を指に塗りつけてそろりと後孔へと手を伸ばした。
表面を撫で擦ればきゅん、とそれを銜えこもうとしてくる。
躰は素直で可愛いのに、と思いながらザクロは一本指を潜り込ませた。
「はぅ、ぅう~…っ!!」
「…おい、自分の腕を噛むな」
声を抑えたいのか、自分自身の腕を噛むカイコクを叱り、その手をぎゅっと握る。
「だって…ふぁっ?!や、ぁう……っ!!」
恨めしそうなカイコクがある一点を擦った途端に大きく跳ねた。
二本、三本と指の数を増やし、一気に責め立てる。
「そこ…ぃや…だ…!ぁん、や、やぁ…!!」
「やだ、じゃないだろう?」
「嫌、だって……ぅうんっ!!はぅ、ぁ、あ、あぁあっ!!!」
嬌声を挙げ、嫌々と駄々をこねるように首を振り、カイコクはイッた。
「…鬼ヶ崎、先輩?」
「…嫌だって、言った」
指を引き抜き顔を覗き込めば、カイコクは拗ねたようにこちらを見ていて。
それが何となく幼く見えるから少し笑ってしまう。
綺麗なお人形さんと揶揄されるカイコクがこんな顔をするだなんて。
「すまない、やり過ぎた」
ちゅ、とカイコクにキスを落とす。
「…ザクロくんがこんなに意地悪だなんてな」
「だから、悪かったと…」
むすぅ、と不服そうなカイコクにザクロは少し慌てた。
まさかこんなところで終わっては溜まったもんじゃない。
「…気持ち良く、するから」
「…ん……」
囁やけば、こくりとカイコクが頷いた。
彼もまた色々と限界なのだろう。
ザクロは自分のズボンを脱ぎ捨て、ゴムを嵌めようとした。
しかし、その手をカイコクが止める。
「…普段は生、嫌がるだろう?」
「…良い、から」
きゅ、とザクロの服を掴んで引っ張るカイコクが可愛く、足を抱え上げた。
「ぅうん、あ、あぁっ、や…!」
「鬼ヶ崎…っ!」
ズブズブと埋めていき、最奥に収まったところで大きく腰をグラインドさせる。
「…ひぅっ…!やぁう、あ…おし、ぎり…忍霧ぃ…!」
「はっ、ぅぐ…っ!!」
切な気に呼ぶ彼の手を握り、ぱちゅぱちゅと水音を響かせた。
何度も何度も奥を突き上げる。
「く…っ、出る…っ!!」
「ふぁっ、あっああっ!!!」
最奥に叩きつけるように熱を吐き出した途端、カイコクも同時に果てた。
どちらともなくキスをして、余韻に浸りながらもザクロはずるりとそれを抜く。
「ん…!」
ふる、と震えたカイコクから、白濁色のそれが溢れてきた。
なんともいやらしいそれに思わずごくりと喉が鳴る。
だが。
「…調子に乗るなよ、忍霧」
くたりとしたカイコクが自身の腕でガードしながらそう言う。
呼び名も元に戻っていて、どうやらごっこ遊びは終いのようだ。
「…鬼ヶ崎」
「だぁめだ」
強請るように呼んでみるがカイコクは頑として譲らない。
しゅんとするザクロにカイコクははぁ、と溜め息を吐いた。
「お前さんに付き合ってちゃァ身が持たねぇ。…まあ、確かに、悪かぁなかったが…」
最後の方は言い訳がましくカイコクが言う。
「ま、年一のお遊びなら付き合ってやっても…良いぜ?」
「…え…」
にっこり笑うカイコクに思わず固まった。
それを余り気にしない様子で彼は起き上がり洋服を脱ごうとする。
「あーあー、ドロドロだな。どうすんでぇ忍霧…ぅえう?!」
少し嫌そうに言うカイコクを押し倒した。
「待て、待て待て忍霧?!俺はもうしないって…!」
「だが今年のハロウィンはまだ終わっていない」
焦るカイコクにザクロは笑ってみせる。
「年一のお祭りには、付き合ってくれるんだよな?鬼ヶ崎先輩?」
囁くザクロにカイコクは引き攣った悲鳴を上げた。
彼のハロウィンは…まだまだ終わりそうにない。

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