Q、冬弥の好きなところは?/類冬

それを聞いてきたのはそういうことにあまり興味がないと思っていた寧々で。
類は思わず金の目を見開いた。
「…どうしたんだい?急に」
「別に?ただ、同じクラスだけど、好きになる理由がよくわからないな、と思って」
サラリとそう言う彼女に類は苦笑する。
寧々はそういうところがあった。
今も本当にただただよく分からないのだろう。
…類はショーに関係する人物しか関わってこなかったのだから。
「ショー以外で好きになったの、あの人が初めてでしょ」
「…そうでも…」
「ある。幼馴染舐めないで」
ぴしゃりと言われ、類は肩を竦めた。
まったく、寧々には敵わない。
「で?あの人のどこが好きなの?」
「…そうだねぇ。…じゃあ幼馴染の特権で教えてあげるとしよう」
ウインクをする類に、寧々が聞かなければ良かった、と嫌な顔をした。
どうせこうなるのは分かっていたのだから。

類はショーにしか興味がないことも。

存外、花みたいな綺麗なものが好きなことも。

「僕は彼の目が好きだよ」

…その言葉の意味も、分かってしまった寧々が小さくため息を吐き出した。


(おやおや、これでも猫も食わない惚気話のつもりなのだけれどね!)

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