しほはるワンライ/和装・1年越しの邂逅

新年の過ぎたとある神社。
長い青髪を舞わせる少女を見つけ、榛色の上の少女は笑みを浮かべる。
「やっと会えたね」
そう呟いて少女はぴょん、と鳥居から飛び降りた。
「…?!!」
「こんにちは、久しぶりだね。…カンナギ」
「え、あ、和風ロック?!」
驚いた表情の手を握る。
一年越しの邂逅。
…ずっと、彼女に会いたかった。
「会えなかった一年、カンナギのことを想ってた」
「…うん、私も会いたかったよ」
カンナギが優しく微笑む。
嗚呼、この笑顔がずっと……。



「…っていうのはどうかな?!」
「…何それ……」
わくわくしながらこちらを見る咲希に志歩は飽きれたように見つめた。
「めちゃくちゃ良いね、それー!」
「でしょでしょー!!」
きゃっきゃしているのは志歩ではなく、服を見繕ってくれた瑞希だ。
テンションが似た知り合いが増えてしまったな、と思う。
「はぁ……」
「あっ、みずきちゃん!しほちゃんのテンションが低いよ?!」
「えー?!なんでー?!…遥ちゃんは、良いと思うよね?!」
瑞希がくるんと振り向いた。
それを見ていた遥はくすくすと笑う。
「…桐谷さんも笑ってる場合じゃないと思うけど」
「そう?…私は楽しいと思うよ」
「でしょでしょー?!」
「ほらぁ!しほちゃんももっと楽しまなきゃだよー!」
「…なんで私が少数派なの……」
テンションが高い二人に同意する遥に、志歩は息を吐いた。
少し裏切られた気分だ。
「…でも、嬉しいのは本当なんだよ?」
「…え?」
ひそ、と遥が声を顰めて志歩に言う。
きょとんとしていれば彼女はにこりと笑った。
「私も日野森さんの和風コーデ、見てみたかったから」


笑う遥に、志歩は目を見開く。


私も、と囁き、二人で微笑みあった。


お互い待っていた、1年。



待ちに待った、邂逅の日!



「あっ、しほちゃんとはるかちゃんがナイショしてるー!」
「ちょっとぉ!コーデしてるのボクたちなんだけどー?!」
「やばっ、バレたよ、桐谷さん」
「ふふ、バレちゃったね、日野森さん」

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