或る詩謡い人形の記録〜4〜

設定はこちら



ーーーーーーー
国境間の争いは中々冷戦を窮めているようであった。
お互いがお互い相手が攻撃してくるのを待っている状態なのだろう。
攻撃されないのはいいがそれでは埒が明かない。
「・・・分かりました」
自国の大将から報告を受けたイスファルは凛とした声で一言そう告げた。
「私が、行きます」
「・・・そうか」
その選択肢しか残していないくせに。
イスファルは頭の隅でそう思いながら立ち上がり、この紛争のために急遽設置されたというテントを出る。
「・・・おい、雪菫!!!」
呼び止めたのはまだ若い青年兵だった。
入ったばかりだろうか、軍服も何所か着慣れていない様子にイスファルは表情を和らげる。
青年の方も呼び止めたはいいがどう声をかけたら良いのか判らない様で、どこか戸惑った顔だ。
「・・・あんたがそんな・・・」
「・・・汚れ役は、なれておりますから」
青年の言葉を遮る。
どこか泣きそうな表情でイスファルは微笑んで見せた。





或る詩謡い人形の記録〜4〜





雪山の天候は変わりやすい。
先程まで晴れていた筈の国境付近は吹雪だった。
敵国とのこの冷戦状態も一つは吹雪が関係しているともいえる。
「おい、何かあったら知らせろ」
「yes,sir」
少し仮眠を取るか、と一緒に見張っている兵にそう告げて男は臨時テントに戻った。
早いうちに片が着くと思っていただけにこの有様は己に呆れてしまう。
結果次第で自分の身も危ないかもしれない・・・などと考えていた、その時。
「・・・あ、あの・・・」
「・・・っ?!誰だっ!!」
「・・・すっ、すみませんっ!!・・・道に迷ってしまったのですけど・・・」
銃を向けた先に居たのはどこかおどおどとした少女だった。
くせの強い黒髪、吹雪の後の空のような色の瞳、黒くふわりとしたフレアスカートのワンピースを纏い、小さなカバンを持った少女は今にも泣きそうである。
普通は侵入者は殺すか本部に突き出すかをしなければならないが男はそれを躊躇った。
こんな少女が何かをするとは思えない・・・という建前、無論本音は己の欲望、ただそれだけである。
「あの、・・・少し此処にいさせてもらえませんか?」
「・・・此処がどこだか、分かっているのか?」
「・・・は、い・・・」
少女が俯いた。
「・・・なんでも、します」
小さな声で言う少女にニッと笑う。
戦場において中々『女』はいない。
まして此処は雪山だった。
こんな上玉の『女』は久しぶりである。
「・・・何をすれば良いか、分かってるんだろう?お嬢さん」
男は笑う。
少女の身体を引き寄せて。
・・・彼は欲望に駆られていた。
だから気付かなかったのだ。
震える可愛らしい少女が、大凡その場の雰囲気に似合わぬ笑みを浮かべた事に。

・・・自分の命が、此処で終わってしまう事に。

ダンッという銃の音が続けて響き渡った。
「何事だ!!!!」
テントに兵が集まってくる。
空に向かって撃ち上げた銃を投げ捨て、愛剣に紅い血を纏わせて綺麗な笑みを浮かべていたのは、雪菫その人だった。
「その容姿、風貌・・・まさか、貴様!!」
「・・・無名の知将、雪菫・・・?!!」
「きっさま・・・いつのまに!!!!」
「大将の首は頂いた・・・後は貴様らを倒すのみ」
たんっと軽い音を立てて少女が驚きに目を見張る敵に向かって駆ける。
目にも止まらぬ剣捌きを見せてイスファルが笑った。
あの銃の音を引き金にして自国の軍も攻撃を開始したらしい。
「我が国に勝利を!!!」
剣を突き上げる可憐な少女。
敵陣、雪の中を舞う彼女は、『雪菫』と呼ばれるに相応しかった。









勝利を収め帰還したイスファルを待っていたのは民衆からの歓喜の声だった。
それ以外には何もない。
・・・王の、迎えも。
「・・・?」
公務が立て込んでいるのだろうか?
それにしては何も言ってこない、と思いつつ報告の為に王室へと訪れた時だった。
「イスファル・・・様」
おどおどと声をかけたのは王御付きの侍女である。
イスファルの事を名前で呼ぶのは王と、この彼女だけだ。
「どうかした?」
「・・・王様が・・・」
「・・・?王様がどうかなさったのか?」
「ええ・・・その」
部屋の中をそっと覗いた侍女は小さく溜め息を吐き、驚くべきことを告げた。
「・・・恋煩いなのです」
「へ?」
「ですから。・・・レイナス王は今恋煩いなのですわ」
「・・・こっ、恋煩いぃ?!」
侍女の言葉にイスファルらしからぬすっとんきょうな声を上げる。
「イスファル様!」
「・・・え、ああ・・・すまない。・・・で、そのお相手は・・・」
慌てた侍女の声にイスファルも落ち着きを取り戻し、小さな声で聞いた。
その問いに侍女は心底困った表情をしてみせる。
「・・・それが」
窓から見える高い塔を見上げて彼女は名を告げた。
「あの、歌姫様です」

或る詩謡い人形の記録〜3〜

設定はこちら



ーーーーーーー
ふわ、と白いワンピースの裾が翻る。
「こんにちは、おばさま」
「あら、また来てくれたのかい、お嬢さん」
大らかな様子が見た目にも分かる屋台の女主人がにこりと笑った。



或る詩謡い人形の記録〜3〜

「ええと・・・」
「ミートパイ、だろ?」
「・・・はい」
良く分かった様子の彼女に少女も照れた様に笑う。
何時も買うから覚えられているのだろうと思いながらふと遠くから聞こえる喧騒に後ろを振り返った。
「・・・あれは一体・・・?」
「おや、知らないかい?今此処では戦場に現れた勇者の話で持ちきりなんだよ。『無名の知将、雪菫』のね」
「・・・あんな騒ぎになるほどの?」
「誰も姿を見た事がないからね。実は男なんじゃないかとかそもそもそんな奴はいないんじゃないかとか」
少女にパイの包みを手渡しながら女主人が笑う。
「まああいつらは主に雪菫の素顔が気になってるのさ。あれ程の武勲を挙げる女だ、美しさとは程遠いだとか・・・本人が聞いていれば卒倒するような事を言ってるよ」
女主人の言葉に少女は苦笑した。
やはりこの格好で来て正解だった、と空を仰ぐ。
何時も視察の時は普通の少女に見える格好で来ているイスファルだ。
城の者だとばれては色々と面倒だからである。
「いやいや、雪菫は可憐な美少女だという噂もあるぞ?お嬢さんのようにな」
「え?」
きょとん、とした表情で振り向くと大柄な男が笑いながら立っていた。
「アンタ、どこほっつき歩いてたの!!」
「あで、そう言うなよ!・・・ちゃんと仕入れてきたって!」
そんな男の耳を引っ張る彼女・・・どうやらこの夫婦は彼女の方が実権を握っているようだ。
目の前で繰り広げられるそれにイスファルはくすくすと笑う。
「お嬢さん、仕入れてきた林檎でアップルパイを作ってあげよう。どうかね?」
「ええ、じゃあ・・・お願いします」
慌てたように言ってくる男にイスファルも笑って答えた。
もう、という女主人も呆れた表情ながらどこか優しい。
こうやって夫婦というものは成立していくのだろう。
「『雪菫』の話以外、特に変わったことは?」
「ないねぇ。余所者は『雪菫』がおっぱらってくれるし、何より王の政治力が良いんだろうね。かつてないほどに安定してるよ。・・・魔獣が降りてこないのも大きいしねぇ」
女主人の話にイスファルも顔を綻ばせる。
民衆から直接話を聞けるのは良いことだし、何より平和だと分かるのが良かった。
「歌姫様もいらっしゃるしなぁ」
「・・・歌姫・・・様?」
作業が終わったのだろう、話に加わる主人のそれにイスファルは首を傾げる。
「どこから来たのか知らんが澄んだ歌声をお聞かせくださる・・・女神のような方だよ」
男がそう言って笑った。
言ってみれば街のアイドルという所か。
「ほい、お嬢さん。出来立てほやほやのアップルパイだ」
「有難う」
暫く歌姫の話を聞いていると店の奥に引っ込んだ主人が豪快な笑顔で渡してくれたそれを受け取る。
代金を支払ってお礼を言ってから、イスファルは踵を返した。
街の人混みを潜り抜け、路肩に止めた馬車に乗り込む。
「・・・遅かったな、イスファル」
「・・・。色々話を聞いてましたから」
「『雪菫』の酷い噂?本物はこんなに美しいって言うのに」
「・・・馬鹿言わないでください」
レイナスの、王とは思えない軽口にイスファルは呆れたようにそう返し、ローブの袖に腕を通した。
明日戦地へと赴くイスファルの用意と視察も兼ねてレイナスと共に街へ出てきたのである。
王室に篭りっぱなしのレイナスも良い気分転換となっているようだ。
イスファルは居住まいを正してから先程屋台で買ってきたそれを齧りながら話を掻い摘んで報告する。
「・・・やっぱり魔獣が降りてきてたのか・・・。あの夫婦に頼んで正解だな」
イスファルの話から取り上げたのはやはりそこだった。
王としても気になっていたらしい。
「しかし今は出てきていないようです。・・・あの夫婦の力が大きいのでしょう」
「でも油断は出来な・・・。・・・?!」
言いかけたレイナスがふと止まり、馬車の窓から身を乗り出した。
「これ、は・・・」
「・・・っ、レイナス王!」
突如として馬車を降りるレイナスにイスファルも慌てて追いかける。
脇目も振らず走るレイナスをイスファルはローブをたくし上げ、彼を見失わないように必死になって走り続けた。
「・・・レイナス、・・・さ、ま・・・?」
突然レイナスが止まる。
その先には人だかりが出来ていた。
問いかけるイスファルを無視してレイナスが人垣を掻き分けた先、彼らの中心に居たのは可愛らしい様子の少女である。

どこか人間離れした少女だった。
クリーム色をしたボブショートの髪がふわりと揺れる。
ふわりとその場の空気が揺れるのを感じた。
ソプラノともアルトともつかない声が音と共に言葉を紡ぐ。

・・・美しい。
そうとしか表現出来ないほどの歌声は心にスッと染込んできた。
どういう意味を持つ歌詞かも分からない。
しかしそんな事はどうでも良くなる、体中を歌声が包んでいくような感覚をイスファルは覚えた。

歌には不思議な力があるという。
慈愛の力もあるが・・・歌に魅了された王族が滅んだという話も、聞いた覚えがあった。
言葉では説明が出来ないような力があるのだろう、とイスファルは思う。
隣に立つレイナスの顔が輝いていた。
彼女の歌の力に魅了されてしまった・・・そんな表情で。
こちらに気付いたのか少女が詩を紡ぐ途中にふわりと微笑んだ。







その笑みの持つ、本当の意味を彼女は後々知ることになる。

この歌姫と王の出会い・・・これが正常だった歯車を狂わせて行くという事をー・・・。

或る詩謡い人形の記録〜2〜

設定はこちら



ーーーーーーー




光り輝く王宮の一部屋。
そこに城の者殆どが集まっていた。



或る詩謡い人形の記録〜2〜



「隣国との争い・・・先日の件で懲りたと報告があったが?」
会議室の一番奥、じろりと睨むのは先程までイスファルといたレイナス王だ。
やはり大臣が多く集まるこの場では雰囲気がまるで違う。
一応王の立場は理解しているという事か、とイスファルも小さく嘆息した。
すい、と前を見ればレイナスに睨まれた大臣が身を縮ませている。
歳若いレイナスに媚び諂う彼等が何だかおかしかった。
「・・・はっ・・・国境付近には常に軍を配備しておるのですが・・・。何分相手はこちらより雪山には慣れております。・・・故に・・・」
「それだけではあるまい?」
大臣の報告にレイナスが軽く笑ってみせる。
「相手はこちらを甞めている・・・違うか?」
「・・・仰る通りで」
レイナスの言葉は事実だった。
隣国はこちらの戦力を甞めきっている。
・・・ただ一人、イスファルを除いて。
彼女がいなければこの国はとうに滅びていたはずだ。
「しかし・・・!」
「ではどうしろと?戦力は埋め様がない、事実であろう」
先程から同道巡りである。
小娘なんぞを軍に入れたくない大臣達と、その彼女の戦力を期待している王と民衆との意見で真っ二つに割れているのだ。
「・・・戦地に赴いてくれ。明朝、すぐ」
「・・・はっ」
レイナスの椅子のすぐ後ろに控えていたイスファルは告げられた命に敬礼して応える。
先程報告していた大臣が睨んでいたのを、彼女は醒めた目で見つめた。

「雪菫・・・ただの小娘の癖に」
会議後、早々に王が出て行った後を追おうとしたイスファルをそんな言葉で呼び止めたのは先程の大臣だった。
「ええ。それは紛うことなき事実です。しかしその小娘にも貴方方は敵わないのでしょう?」
「・・・くっ・・・」
くすりとイスファルが笑う。
「野心が強いから隙が生じるんじゃありませんか?私は権力も財産も要らない。ただ王の為に剣を取ってきた・・・」
ふっと王の背中を見つめ、少女は小さく微笑んだ。
大臣に向けた笑みとは違う、本当の笑みを。
すぐに戻した質の違うそれで、イスファルは再び大臣に笑いかける。
「私が気に食わないなら追い出されても結構です。・・・もっとも、国がどうなっても構わないなら、ですけれど」
「貴様・・・」
「・・・では、私はこれで」
彼女の言う事は尤もなのだろう、言い返す様子も見せない大臣に嫌味なほどに綺麗にお辞儀をして見せ、イスファルは王の後を追った。

或る詩謡い人形の記録〜1〜

設定はこちら



ーーーーーーー

ふわりと蒼い髪が夜風に靡いた。
エアシップの縁に腕を置き、星を見上げるのは物憂げの表情をした蒼髪の青年・・・ロナード=ナイトスターである。
「・・・ロナード。どうかした?」
ふと彼の耳に声が届く。
振り向くと彼の従姉、ライ=ナイトスターが部屋を覗きこんでいた。
「・・・ライか。いや・・・エルディアの子ども達に何か面白い話を聞かせてやってくれと頼まれてな」
少し困った表情をするロナード。
恐らくそういうことを頼むのは元気な黄緑の髪を持つ、エルディアの青年だ。
どこか少年らしさを残す彼は若干強引に物事を頼む癖があり、またロナードはこの青年に頼まれると断ることが出来ないようだった。
「あら。・・・貴方自身の話をすれば良いじゃない」
くすり、とライが笑う。
確かにロナードは一般人が体験していないような事をやってはいるが。
「・・・今回は物語を聞かせて欲しいそうだ」
ロナードが小さく溜め息を吐く。
体験を話す分にはまだマシなのだろうロナードはそういう事を聞かせる事は苦手らしかった。
「そう・・・。・・・ならあれはどう?」
「あれ?」
微笑むライにロナードが小さく首を傾げた。
「ええ。ナイトスター家に代々伝わる物語があるでしょう」
「・・・あの話、『狂った少女と堕ちた王の話』・・・、か。・・・少し表現がきついが・・・」
「仕方がないわ。話が話ですもの」
考え込むロナードにライがそう言う。

それは、そう


昔々の物語








・・・ナイトスター家に伝わる、『或る詩謡い人形の記録』




或る詩謡い人形の記録〜1〜


「この後の予定は〜・・・王様?」
小さな王宮の、王室に響く綺麗な声。
疑問符を含んだそれは徐々に怒気を帯びていく。
「聞いていらっしゃいますか?レイナス王」
澄んだ空色の瞳を眇め、眉を釣り上がらせるのはまだ歳若い可憐な少女だ。
瞳と同じ色の蒼を基調とする服、ふわりと広がるスカートに合わす様に作られた少女の身体を護る鎧は文官のそれよりも戦士に近い。
「・・・俺は、」
そんな少女の声に答えたのは黄土色の髪とそれと同色の瞳を持つ青年だった。
この国の若き王である。
民間人の中から選ばれた、優しく人々に愛される理想の王様・・・のはずだが。
「お前には王と呼ぶなと言ったはずだけど」
ぶすっとした表情はまるで子どものようで。
それを見る少女も何処の駄々っ子だ、と呆れ顔だ。
「・・・そうは参りません。私はただの部下ですから」
「イスファルが名前で呼んでくれなかったら今日の公務しないからなー」
固い声で告げる少女に王がとんでもない言葉を言ってのけた。
癖の強い少女の黒髪が揺れる。
「そんな・・・っ、レイナス王!」
「イスファル?」
慌てたように顔を上げた少女にレイナスがニッと笑った。
王にイスファル、と呼ばれた少女がその表情を見、ぐっと黙る。
「・・・レイナス」
ややあって、はあ、とイスファルが堪えかねたように溜め息を吐いた。
「やっと昔みたいに呼んでくれたね、イスファル」
「・・・。やめてください。他の者に聞かれたらどうする・・・レイナス!」
嬉しそうなレイナスにほんの少し複雑な色を滲ませるイスファルが急に声を荒げる。
王座から飛び降りたレイナスがイスファルに抱きついたからだ。
「・・・もうっ」
白い肌を紅く染め、イスファルがレイナスを引き剥がす。
大人びて見える少女もまだ16、レイナスに怒ってみせるイスファルは歳相応に見える。
「・・・本当に止めろ。此処には二人しかいないから良いものの・・・王座を追われたらどうするつもりだ?」
「ごめんってば」
言葉を崩してレイナスを窘めるイスファルは王の側近と言うより近所のお姉さんだ。
それに謝る王もにへらっと笑うだけで反省の色もない。
まったく、と溜め息を吐いた少女は再び書類に目を落とした。
「・・・ん〜、隣国との国境で睨み合いが続いている件について?」
「・・・っ、横から覗くなっ!!」
ひょこりと書類を覗き込んだレイナスにイスファルが再び声を荒げる。
そんなイスファルをまあまあ、と宥めたレイナスは少し考えるように顎の下に手を置いた。
「・・・それで、どうなさるおつもりで?」
「あんまり戦いたくはないんだけどな」
困ったような表情でレイナスが笑う。
「イスファルを戦場に出したくないし」
にこっとレイナスが微笑んだ。
それについっと顔を背けるイスファル。
「戦場に出ろと言ったのはお前だろ」
小さな声で呟かれるそれ。
その言葉は王の右腕ではない、ただ普通の少女だった。
そんなイスファルにレイナスもにこっと笑ってみせる。
「まさかイスファルがあんなに腕が立つとは思わなかったんだよ」
「過度な期待をかけたのは誰だ?」
「俺だよ?でもイスファルはその期待に応えてくれた」
笑う王にイスファルが首を傾げた。
きょとりとする少女にレイナスが笑って続ける。
「突如現れた無名の知将『雪菫』。・・・俺の耳にも届いてるけど?」
「・・・敵将がそう呼んだだけだ。そう呼んでくれと頼んだ覚えはない」
ふい、と顔を背けるイスファルにレイナスは苦笑し、まあまあ、と宥めた。
そして彼女の手を取ってにこりと笑い、でも、と続ける。
「まさかその雪菫が俺の右腕で・・・文官だったとは皆知らないだろうからなぁ」
くつくつとレイナスが笑うのを、イスファルが呆れた目で見つめた。
「市民に慕われる賢帝は随分意地が悪いんだな?」
「本当の事だろ?」
にことレイナスが笑う。
「・・・兎に角。隣国との件についての会議を行いますので出席なさってください。本日午後4時」
「はいはい」
つっけんどんに言ってパタンとファイルを閉じるイスファルにレイナスが首を竦めた。
「・・・そういえば、遠い国の話で同じようなのがあったよな」
「え?」
唐突なそれにイスファルは首を傾げたが先程まで話していたそれを思い出したらしい。
「戦場に出てきた無名の女武将の話?」
「そう。祖国を救った少女。結末は知らないけどそこだけ聞けばイスファルみたいだ」








・・・二人が言う遠国のかの少女・・・彼女がどの様な結末を歩んだのか・・・それを彼らが知っていればこの物語の結末は違っていたのか・・・。




それは神のみぞ知る。

或る詩謡い人形の記録〜自己設定〜

大まかな設定は本家様よりお借りしております。
無断です、すみません;;;
後、一人楽しすぎる自己解釈ですので苦手な方はすいません;

イスファルにょた設定注意!!!

・雪菫の少女(イスファル):元は貴族の少女で王とは幼馴染に当たる。王に忠実で絶対服従。文官だった少女が何故戦場に出たかは定かではない。雪菫と呼んだのは初陣で戦った敵将。多くの功績を残した彼女が犯した唯一の罪で投獄されそこで狂った少女は、後に処刑されたとされている。

・賢帝と呼ばれた王(レイナス):民間人の中から出た、人々に愛されていた小さな国の賢帝。街を視察した際に歌姫に一目惚れしたが彼女は手の施しようがない病に冒されていた。歌姫を救うために手段を選ばなくなった王の行動が国を破滅へと導いていく・・・。

・歌姫(ニア):病弱の村で一番の歌姫。何故病弱なのか、どういう病気なのかは不明。病名が分からないので手の施しようがない。*終焉の歌姫(ルナ)は彼女のようで彼女ではない・・・らしい。

*語り手はナイトスター従姉弟。



ーーー

雪菫の少女・夕刻の夫婦・賢帝の愛顧までのパロ(言霊使いと終焉は出さないつもり)
ニア←レイナス←にょイスファルというなんともww
ちなみに夫婦はゼクスとレイラ、言霊使い兄妹はヴァイスとラナです。
後半になるにつれて大分辛い要素が入ってきますよ、という。
・・・原作者様に許可頂いた方が良いのかしら・・・でもなぁ・・・う〜ん;
取り敢えず明日から始めていきます!
全6話くらいの予定ですよー。

友達に貰った

フロラインルカたん!!
よしきたこれで勝つる!!!
・・・フロライン可愛いよフロライン・・・。




あぁあ・・・年齢の話・・・色々勘違いしてたぁあ・・・!
合ってるんですね;;
頭が足りなくてすいません;
ちなみに私は精神年齢はあれですが実際は・・・ええと、誰だ、後4ヶ月で4イスファルと同い年です(きのこ初出時の)





イス「女装の次はにょたい化か。あの人暴走しすぎだろ。俺を何だと思って・・・」
レイ「まあまあ。あの人の暴走は今に始まったことじゃないし」
イス「お前が言うな」
ニア「でもあの人にしては珍しいわよね?最終ノーマルCPでしょう」
レイ「『話のオチ的事情なんだよちくしょぉお!』だって」
ニア・イス「・・・ああ・・・」

そんな訳で次回から『或る詩謡い人形の記録』パロ連載始めまーす。

今年の

戦利品!!
可愛いおにゃのこたちから貰いました・・・にこにこ。
しああせ!!


更新しようと日記書いてたらエラー起こしたのでまた明日です。
・・・Windowsェ・・・。

大丈夫じゃない、問題だ!!

いや、これが今日の昼ごはんだったとかそういうあれでもなく←

昨日書いたやつ、こっそり追記してたやつが間違ってたという・・・orz
某さん、レイナスと同い年ですね、理解!!
やっぱこっそり追記しちゃダメなんですねぇ・・・ふふっ。
そんなこんなでおめでとうでした!
喜んで頂けて幸いv
ロナードの流し具合とレイナスの暴走具合を褒められたー!!わーい!
それよりリボン巻きにょロナについてkwsk。
白コートも可愛いです白コートはぁはぁ!!!←

寒中、私も不安でしたww
着く着かないもですが「途中で袋が開いたらどうしよう・・・!!」というww
無事着いて良かった・・・!!

後・・・つなびぃならケータイから見れると思うのでケータイ版合同企画は此処を載せといていただけると助かります^^
つなびぃ・・・ケータイサイトとしてリンクしても・・・いいのよ・・・。

sss!(フラハイ)

全力で駆け寄りたい気持ちを抑えて小走りで階段を上がる。
俺の右手にはスプーンと小皿。
左手には小さな白い箱。
完璧だ。

「ロッナードー!」
「・・・なんだ、レイナス」
勢い良く入っていったっていうのにロナードは本から目も離さずに応答した。
ロナードは割りと何時もそんなだから俺も気にしないでそのすぐ隣に立つ。
「何読んでるんだ?」
「調査報告書だが」
覗き込むと手元にあるのは本じゃなくてファイルだった。
文面から見てエルディアの現状況だとか、そんな感じ。
「・・・俺に何か用か」
「ああ、そうそう」
邪魔なのか・・・まあ邪魔なんだろうけど・・・ふと俺を見上げてくるロナードに、本来の目的を思い出した。
「じゃあんっ、期間限定☆ミルザフルーツ・シュー・ア・ラ・クレームでーす!」
「・・・ほう?」
箱を突き出す俺に、ロナードの表情が柔らかくなる。
この、いかにも軍人然としたお貴族様、ロナード=ナイトスターは甘いものが・・・とりわけミルザフルーツを使ったお菓子が大好きなんだ。
意外、を通り越してただのギャップ萌えだと思う。
「行列が凄かったんだ。中々手に入らないんだぞ?」
「・・・そうか」
ニッと笑いかけた俺にロナードは心底複雑そうな顔をした。
仕事中じゃないのか、って怒りたいけど怒れない、みたいなそんなトコか。
俺はそんなロナードを無視して、普通のシュー・ア・ラ・クレームよりも大きいそれを取り出して持ってきた皿に載せて差し出す。
見上げたロナードがいいのか、っていう顔をしてから小さく微笑んだ。
この笑顔を見たくて買ってきたって言うのもあるけど。
でも今日は。
「あーんvv」
「・・・は?」
大口を開けた俺にロナードがぴたりと止まった。
「いや、だから、あーんv」
「断る」
きっぱり。
即答か、ちくしょう。
「俺が買ってきたのに何のお礼もなしか?それは人としてどうかと思うんだけど」
「俺はお前が理解出来ん」
「なんで!」
「良い歳した男が同じ歳の男に食べさせてもらうのはどうかと思うが」
「俺が望んでるから良いんだよ」
言い切る俺にロナードが小さくため息をついた。
「・・・金を払えば良いか?」
「そんなに嫌か!!」
まさかそう返ってくるとは・・・。
今日のロナードは中々手強いな。
「何でも金で解決しようっていうのはロナードの悪い癖だぞ。俺は金が欲しいんじゃない、ロナード、お前が食べさせてくれればそれで良い」
「何処の悪徳商法だ」
まったく、と小さく呟いたロナードはシュー・ア・ラ・クレームの端をスプーンで掬い上げた。
ほら、とでも言いたげにそれを差し出すロナードに俺は慌てて口を開ける。
ロナードのデレは唐突だからちょっと困るんだよなぁ。
「・・・これでいいか」
頭の隅でそんな事思ってると憮然とした表情のロナードがそう言った。
あ、もう意識が俺じゃないほうにいってる。
しょうがないなぁ、ロナードは。
「ああ。じゃあ次は俺の番」
「は?」
「はい、あーんv」
ぽかんとするロナードからスプーンをひったくって同じようにしてからスプーンを口元に突き出した。
「・・・いい。自分で食える」
「遠慮するなって」
「遠慮ではない、拒絶だ」
「一段階抜かすなよ、意味が大きく変わってくるぞ」
「変わらん。俺にとっては同じだ」
盛大な溜め息と冷たい言葉一つ。
まったくロナードはお堅いんだから。
「ロナード、ほら、落ちるってば、俺食べちゃうぞ!!」
俺がまくし立ててるのを聞いて、ロナードは何かを諦めたのか冷たいまなざしをくれてからしぶしぶといったように口を開けた。
「どう?美味いだろ?」
「・・・そうだな、自分で食べた方がよく分かると思うのだが」
「そうか!はい、じゃあ、あーんv」
「聞いていたか?レイナス」
ロナードのイラッとした声を聞き流して俺は再びスプーンを差し出す。
暫くして諦めを含んだ表情のロナードが口を開けて、食べた直後に苦言を呈す。
俺はそれを聞き流して次のを差し出す。
その繰り返し。

俺たちの攻防は呆れた声の第3者が来るまで続いた。


ーーー
お誕生日でロナと同い年な某様に捧ぐ、自身久々の暴走レイナス×流されロナードです。
第三者は誰でも良いですよ・・・個人的にイスファルだけど←
書けるか不安でしたが何て事はない、うちのレイロナも平常運転でした本当にどうも(ry
・・・人様の誕生日SSSがこれなんだが大丈夫か?

あ、そうだ、寒中見舞い・・・届きましたよぉお・・・ひゃっほう!
マルラグダーナktkr!!!
なんて可愛い神集団・・・ほくほくvv
取り敢えず早めに・・・頑張ります・・・企画のラグダーナ小説をww
お誕生日おめでとうでしたー!

手作りチョコクッキーもどき

明日持っていく、早すぎるバレンタイン用ですww
・・・ふふ・・・誰もこれを見て偽装工作後とは思うまい・・・!!←


ちなみにこれが明日のメインですよ!!!!
テスト?何それ美味しいn(ry