鬱的花言葉で1日1題・

いちあかに相応しい花は『ラッパスイセン(報われぬ恋)』か『へレニウム(絶望の恋)』です。

鬱的花言葉で1日1題・

テドセイに相応しい花は『日本スイセン(愚かさ・偽りの愛)』か『西洋昼顔(不運な愛)』です。

鬱的花言葉で1日1題・

ゼクイスに相応しい花は『トリトマ(胸の痛み)』か『ヘンルーダ(悔恨)』です。

鬱的花言葉で1日1題・

ヴァロナに相応しい花は『ムスカリ(絶望・失意)』か『竜胆(悲しむ貴方が好き)』です。

鬱的花言葉で1日1題第5章・へし燭

へし燭に相応しい花は『黒薔薇(美しい死)』か『木伏(嘘)』です。

鬱的花言葉で1日1題第5章・安清

安清に相応しい花は『シラン(不吉な予感)』か『ムシトリナデシコ(罠)』です。

鬱的花言葉で1日1題第5章・七陽(金盞花/コリアンダー

七陽に相応しい花は『金盞花(嘆き・暗い・悲しい)』か『コリアンダー(辛辣)』です。

鬱的花言葉で1日1題・イカリソウ/トリトマ朔優(鳩彼SSS

朔優に相応しい花は『イカリソウ(君を離さない)』か『トリトマ(胸の痛み)』です。

へし燭SSS(R-15)

月の綺麗な晩だった。
「おい、燭台切」
「?何、長谷部君」
寝室に戻るところであったのだろう光忠が長谷部の声に振り返る。
「晩酌に付き合う気はないか?」
先程彼が持ってきた猪口を掲げるときょとんと長谷部を見、それから表情を綻ばせた。
「え、何。珍しいね」
長谷部君が僕を誘うなんて、とくすくす笑いながら光忠が隣に座る。
「たまにはいいだろう」
「まあ・・・。長谷部君が呑んでること自体が珍しいよね」
「そうだな」
光忠の言葉に長谷部は同意した。
普段は次の日の戦闘も考えてあまり酒は嗜まない。
加えて騒がしいところは苦手だった。
宴会とも縁遠く、となれば自然と酒とはかけ離れていく。
「長谷部君呑める方?」
だから、光忠の問いは当然と言えば当然だった。
長谷部はあっさりと答えてやる。
隠す理由もなかった。
「まあな。そう言うお前はどうなんだ」
「え?僕?・・・うーん・・・人並みだと、思うけど」
少し上を向いて考えていた光忠がへにゃ、と笑う。
それにそうかと答えて猪口に酒を注いだ。
「・・・あ、一つしか、ないんだっけ」
長谷部の手元のそれを見、光忠が言う。
尤も、長谷部は彼に「酒を呑みたい」としか言わなかった。
だから最低限の用意と軽いつまみしか彼は持ってこなかったのである。
普通に考えて当り前であろう。
「待って、今持って・・・」
「待て」
「え?」
「これでいい」
「長谷・・・?・・・?!!!」
立ち上がろうとする光忠の腕を引き不思議そうな顔をする彼を引き寄せた。
混乱の表情を見せる光忠にニッと笑ってから長谷部は酒を煽る。
そのまま強引に彼へ・・・口付けた。
「ふぅ?!んんぅ!!!!」
抵抗する彼の口を無理やり開き酒を流し込む。
嫌々と首を振っていた彼も息苦しさには耐えられなかったのだろう、こくりと小さく喉を鳴らし全て享受した。
「あふ・・・あ・・・」
口を離すと光忠は苦しげに息を吐き蜂蜜色の眸をとろんとさせる。
呑み切れなかったそれが口の端から零れるのに長谷部は劣情を感じた。
「・・・!い、いきなり何す・・・!?」
「綺麗だな」
「は・・・?」
声を荒げる光忠にくつくつと笑ってやれば、彼は不思議そうな、それでいてぞっとしたような表情を浮かべる。
「長谷部君・・・?・・・やっ、離して!!!」
必死に抵抗する彼を床に押さえつけ長谷部は再び酒を呑ませた。
「んぐ、ん、・・・〜!!!!!」
びく、びくと躰が震えるのが面白い。
二杯、三杯と重ね、二桁を超える頃にはきつく睨んでいた目元が緩み熱い息を吐き出していた。
「これが人並み、か?」
「・・・ゃ、ぅ・・・さわんな・・・!・・・?!!!!」
力のない腕で押し返そうとする光忠の寝間着の胸元に手を入れ揉みしだく。
酒の入った人間の身体とは面白いもので途端にずるずると力が抜けていった。
「は、せ・・・はしぇべく・・・も、や・・・!!」
「止めてほしいか?」
はくはくと息を吐きながら制止を求める光忠にそう囁く。
頷く光忠の上から己の身体をどかすと彼は明らかにほっとした顔をした。
気が緩んだ一瞬、彼の体を反転させ再び圧し掛かる。
「や、なに・・・!!!や、ああああ!!!!!」
散々暴れたせいだろう、乱れた寝間着はずれ落ち、肩を露出させていた。
白いその肩甲骨の窪みに熱燗を注ぎ音を立てて呑み干す。
「やら、や・・・っ!!!あ、すっちゃ、ぁあああっ!!!」
びくんびくんと光忠の躰が跳ねた。
「ひ、どい・・・。やめぅ、って、いった・・・!!!」
しゃくり上げる光忠の耳に息を吹きかけ耳朶を噛む。
もう片方の肩甲骨にも同じように酒を注ぎ呑み干した。
ぴちゃぴちゃと音をたて舐め啜る。
空いた手で腰を撫で乳首をこねくりまわした。
どの愛撫にも可哀想なほどに躰を跳ねさせ彼は喘ぐ。
酒が入っているからか何時もより堕ちるのは早かった。
「も、もうやめよ・・・?ね、はしぇべくん・・・も、むりぃ・・・!」
怯えた声で懇願し、長谷部に限界を訴える光忠。
だが。
「・・・。・・・だからァ?」
そんな事は長谷部には関係のない事案だった。
低い声から逃げる様にもがく腰を押さえ、長谷部は徳利を振る。
とぷんと音を立てるそれに光忠が恐怖の目で振り仰いだ。
途端、はらりと眼帯が落ちる。
現れた紫の目ににやりと笑ってから目尻に浮かんだ涙を舐め取ってやる。
引きつったような小さな悲鳴。
月に照らされた光忠の肌はほんのりと赤く、とても綺麗だった。
「夜は長いぞ、・・・なァ、光忠?」
震える光忠にそう囁き、長谷部は彼の躰へと徳利を傾ける。

月が綺麗な夜だった。
紅く赤く、燃えるような月が二人を照らしていた。

大太刀長谷部をドロップしました(刀らぶSSS・へし燭

「燭台切さん、たっだいまー!」
元気な加州清光の声に光忠は作業していた手を止めて振り返る。
「お帰り、清光君。お疲れ様」
「ぜーんぜん!あいつのレベルに合わせてたら疲れもしな…いてっ!」
得意げに話す清光が後頭部を抑えて蹲った。
よく見れば地面に石が転がっている。
「…っにすんだ!」
「お前が変な事言うからだろ!」
「うっせ、事実じゃん!!」
「もう、喧嘩しないの」
石を投げたのは大和守安定であったようで二人はいつものように言い争いを始めた。
それを仲がいいなあと思いながら止めようと声をかけたところで、安定が、あ、と声を上げる。
「お前と言い争ってる場合じゃなかった」
「何その言い方ムカつく。…まあいいや。長谷部さーん」
安定のそれに清光もぶすくれながら手を振る。
彼がそう呼ぶとは珍しいなとそちらへ目を向けたところで…光忠は、思わず固まった。
榛色の髪、紫色の眸。
まぎれもなく彼と同じで、それでもどこか違う。
「久しぶりだな、光忠」
低く響く声にやはり違うと首を振った。
見上げれば紫の目が細く眇められる。
…彼は自分と同じ目の高さであったはずで。
(だから違うと分かっているのに)
「…長谷部、くん…?」
それでも、と震える声で光忠は聞く。
ニヤリと彼が笑った。
「光忠さん、この人はね」
安定が口を開く。
彼の[長い]髪が風に靡いた。
「国重さん。長谷部国重さん…大太刀だよ」
「え?」
安定のそれに思わずぽかんとする。
今…何と言っただろうか?
「そー言うことだから。燭台切さん、後よろしくな!」
「僕たち、主に報告してくるね」
「…え、ちょ、まっ…!!!」
手を振り主の元へ駆けていく二人に慌てて手を伸ばす。
それを掴んだのは国重だった。
「俺と二人きりは怖いか」
「…」
そう問われて黙りこむ。
怖くはない、ただどう対処すればいいか分からなかったのだ。
曲なりに彼はあの[長谷部国重]なのだから。
「国重、さん」
「雰囲気が柔らかになったな、光忠よ」
するりと頬を撫でられる。
あ、と思う間もなく眼帯を外された。
弱視を伴った目と合わさって視界がぶれる。
「な、に…。…!」
「此方の方がずっと好みだ」
笑う国重。
それだって彼に良く似ているのに違うと思うのは何故だろう。
「国重さ…。…っ?!」
言いかけ、見上げた途端だった。
ぐいと後ろに引っ張られ、眼帯を外された方を再び隠される。
「…貴様、何をしている」
低い声が耳をくすぐった。
嗚呼、この声は。
「…。何、ただの挨拶だ」
「挨拶ならもっと他にするべき相手がいるんじゃないのか」
戻る視界に安堵しつつ、彼の言い様に小さく笑う。
やはり彼だ。
「…行くぞ、燭台切」
「あ、え、ちょ…!」
引っ張られて光忠は声を上げる。
今日は驚かされてばかりだ。
慌てて振り向けば国重がひらひらと手を振っていた。
彼に…へし切長谷部に引きずられるまま歩を進めれば物陰に押し込められる。
壁に押し付けられ、痛いと思う間もなく紫の瞳に射ぬかれた。
同じ高さのそれにどきりとしながらも、思わず笑ってしまう。
「…おい」
「ふふ、だって」
咎めるようなそれに光忠はくすくすと笑った。
榛色の髪、紫の瞳に低い声。
こんなにも同じなのに安心する。
「…長谷部くんは格好良いね」
「は?」
「何でもない」
不思議そうな彼ににこりと笑いかけた。
変な奴、と言う長谷部にまた小さく笑う。
歪む世界でもこんなに安心するのだな、なんて思った。

(だって、こんなに格好良く助けてくれるのは他でもない、打刀のへし切長谷部だけだろう?)