後書きだったりなんだったり

ラジバンダリ!(懐かしいな)



1日1題、終わりました〜。
たまーに「・・・今日何日だっけ・・・?」ってなったりしつつ日付操作が合ったりしつつ(笑)ちゃんと続けられて良かった!!
あ、タイトルの花言葉は診断メーカーのをお借りしましたよ!
日替わりなので今は違うのが出ると思います。
このタイトルは7月31日付の分ですので、ご了承を。


そんな訳で、

1日目・七陽→お題が出て一番書きやすかったのがこれ。相互依存っぽい感じ
2日目・朔アル→お題の奇跡な、これ!1つなのはもう一個の奴が合わなかったから。感情の起伏がないアルベールさん難しいよぅ;
3日目・岩坂→乙女ルートの序盤とかなんかその辺。鬱って言われて一番書きやすいCP
4日目・レンカイ→崎本家のレンとカイトではこのお題は難しくて急遽。書くのは一番楽しかったです(笑)なぜか好評でした
5日目・がくキヨ→小坂さん家の二人でも書けたんだけど、突発的に思いついたので。表面上は幸せそうだけど根本が寂しそうなのを見抜いたガストさんと気付いてないキールさん
6日目・レイイス→レイナスが!クズ!!()花が二つなのに花言葉が一つなのはミスじゃなくてどっちも同じ花言葉だから。生きる事に対して貪欲になって欲しかった
7日目・ザーロナ→8日目のザカセイと対。消えてる会話は二つを関連させると見える・・・仕組みなんだけどケータイからは丸見えなんですよね(笑)
8日目・ザカセイ→びっくりだろう?私もだ。まさか全く同じものが出るとは思わなくて・・・!色々奇跡を起こしてくれます。ザカリーの口調ェ・・・(やれよ)
9日目・イチウリ→本編見てないのであれなんですけ、ど・・・。現実を見ないと、と焦ってる雨竜さん
10日目・ヒュロイ→エドロイかハボロイか迷って。最後は夢オチか回想オチか、はたまた・・・。まあ、読み手次第ということで


画像は恒例・酒の写真!(笑)
友達と花火見たんだよって言う。

鬱的花言葉で1日1題・ヒュロイ(コリアンダー/タツナミソウ・鋼SSS

野郎ばっかの戦場で

お前は一輪の華だと、そう思った






中央司令部よりすこし小さい、東方司令部を見上げる。
此処に来るのも久しぶりだ。
「よぉー、ロイ!」
「・・・ヒューズ」
司令室で珍しくも仕事をしているロイに手を上げて見せると、途端に嫌そうな顔をした。
「来るときは連絡くらいしろとあれほど・・・」
「いやぁ、悪ぃ悪ぃ!!」
ロイの文句を聞き流しながらソファに座る。
そんな俺に小さく溜め息を吐いたロイが立ち上がって、俺の前に座った。
「急用か?」
「いや?ただの休暇」
ニッと笑うとはあ、とあからさまな溜め息を吐く。
こいつにしちゃ珍しくノリが悪いみてぇだ。
「・・・休暇くらい家に帰ってやれ。グレイシアが悲しむぞ?」
「その、グレイシアが今旅行中なんだよ。あ、写真見る?」
「いらん」
きっぱり。
ロイはこういうやつだ。
昔から変わらんなぁ、まったく。
「・・・お前に会ってもう15年になるな」
「・・・ん、ああ、そうだな」
いきなり何だ、と言わんばかりにロイが俺を見る。
「お前さん、目標には近づけたか?」
「・・・さぁな」
俺の問いに、くすりとロイが笑った。
その微笑みは今まで見てきた女性のどれより綺麗で。
ああ、ロイ・マスタングだ、と思う。
「で?俺以上の男は見つかったか?」
「なんだ、『俺以上』とは。・・・まああれだな。ハボックは見込みはあるがまだまだ、といったところか」
ロイが顎に手を当てながらそう言った。
・・・あのわんこ、相変らず振り回されてんのな・・・。
「エドは?」
「技術こそ見込みはあるが性格に難有りだ。もう少し落ち着くべきだと思うが」
「はぁはぁ。相変らず辛辣ねー、ロイちゃん」
「煩い。・・・大体お前は何をしに来たんだ・・・」
呆れた目で俺を見るロイに笑いかける。
黒い瞳に黒い髪。
同い年に見えない童顔の。
可愛い可愛い俺の、親友。

「・・・暫く嫁にやれそうにないな、こりゃ」
「はぁ?エリシアか?」
「なーんでもねぇよ」
首を傾げるロイの髪をくしゃりと撫でた。
ハボの野郎も、エドも、きっとこいつの助けになる。
俺がいなくても、こいつはやっていけるだろう。
それでも、俺は。
「・・・お前さ、タツナミソウって知ってるか?」






ずっとお前を護ってきたんだ


2人がこいつを知らない時から・・・ロイと初めて出会った時から、ずっと






・・・なぁ、ロイ


お前のためなら命を捧げて見せるよ


お前はそれを望まないとしても


それがお前の願いに繋がるのなら


「大佐!」
「おおい、大佐!」
「・・・ああ、すぐ行く!」

花が揺れる


まるで、そこに誰かがいたかのように


ーー
ヒュロイ・辛辣/私の命を捧げます

鬱的花言葉で1日1題・イチウリ(斑のカーネーション/ヘムロック・鰤SSS

お前はいつも俺を拒絶する

そう、いつだって


「僕に近づいてくるな、黒崎」
暑い、とイラついた一言を俺にくれる石田。
こいつはいつだってそうだ。
「いいじゃねぇか、別に一緒に帰るくらいよ」
「嫌だ」
「即答してんじゃねぇ!」
じろりと睨む石田に俺も言い返す。
「暑いっていってるだろう?余計に周りの気温上げないでもらえるか、黒崎」
「暑ぃのは俺の所為じゃなくて夏の所為だろーが」
「そういう事言ってるんじゃないんだよ、僕は」
石田の黒い髪がさらりと揺れた。
なんでこいつは俺の言葉を全部否定してかかんだろうな?
黙ってりゃ可愛いもんなのによ。
「なぁ、石田ぁ・・・」
「・・・君は」
呼びかけた途端、前を行く石田の足がぴたりと止まる。
「自分が死神だと自覚しているかい?」
そう、俺に尋ねる石田の表情は俺からは見えなかった。
・・・ええと、死神だと自覚してるか?
「なんだよ、いきなり」
「いいから」
有無を言わせない石田の声はいつになく真剣で。
真面目に答えねぇと、と思った。
「・・・。・・・自覚は、してる。そりゃ最初は訳分かんなかったし、力失ったりなんだりしたけどよ。俺はこの死神の力を持って多くの奴を護りてぇと思ってるぜ。勿論、おめぇもな」
「・・・そう」
俺の答えに石田は一言だけ返してまた歩き出す。
・・・なんなんだ、一体。
「おい、石田」
「・・・」
「なぁって」
「・・・」
「石田!!」
呼びかけても返事もしねぇ石田にイラついて肩に手をかけた・・・途端。
「五月蝿いなぁ!!」
石田が怒鳴る。
・・・えっと。
「・・・なんで泣いてんだよ、お前」
声にも出さずに紺の目に涙を溜めた石田に俺はぎょっとした。
思わずその頬に触れかけた手を振り払われる。
「・・・君、は」
まっすぐに石田が俺を見つめた。
初めて会ったときと同じように。
・・・数年前と変わらない表情で。
石田が俺を見る。
「滅却師と死神が根本的に相容れないと知っていて言っているのかい?僕も君も望まないにも関わらず敵になる可能性があるかもしれないのに?・・・君が僕を殺すことがあるかもしれないと、そこまで覚悟しているのか、黒崎」
「・・・石田」
「100%ないとは言えない。それは君も分かっているだろう」
「・・・ああ」
石田のそれに、俺は頷く。
数年間の出来事は俺の価値観を丸ごとひっくり返させた。
「日常が非日常に変わる。有り得ねぇことじゃない。味方だった奴が敵になる可能性もある。・・・けど、例えてめぇが敵になったとして、俺の元から離れても、俺はお前を助けに行く」
「・・・それで君が命を落としたとしても?僕は嫌だよ。君がいなくなるなんて」
「それは俺も同じだ。だからこそ、そんな後味の悪い結果にさせねぇ」
日差しが照りつける。
暑さの所為か、薄い石田がさらにぼんやりと霞んだ。
「なぁ、石田。俺はお前を絶対に護る。・・・だから」
「・・・だから、何。僕が居なくなったら君は何も出来なくなる。誰かに背中を押してもらわなきゃ・・・何をしていいか分からなくなる」
「昔はな。今は違うさ」
「違わないよ。もし僕が死んだらどうする?君も死ぬかい?僕がいない世界で君は生きていけると?・・・僕はいつ死んでも構わなかった・・・君が現れて、僕に情をかけるまでは」
いつもより石田は饒舌だ。
暑さの所為で何も言葉が出てこねぇ。
・・・暑さの所為?
いや、違う。
これが、事実だからだ。
「・・・君はずるいよ。僕は君の重荷になりたくない。君の為に泣く人を・・・見たくはないのに」
僕の気も知らないで、と泣く石田を、俺は抱きしめる事も出来ない。
細いその身体に触れようとした俺の手は、途中でだらりと落ちた。


嗚呼、そうかもしれない


こいつがいなくなったら俺はきっと何も出来なくなる



風に吹かれる、その花の言葉の様に



俺にとってお前は


ーー
イチウリ・拒絶/貴方は私の命取り

鬱的花言葉で1日1題・ザカセイ(紫露草/アリウム・フラフロSSS

なぁ。こわい、こわいよ
『だいじょうぶ、だいじょうぶだよ。おれがいるから』
・・・うん
『だから・・・はやくかえってきて』
ここでまっててくれる?
『もちろん。ここでまってる。ずっとまってるよ、』
・・・。・・・おれ・・・がんばるよ。まっていてくれる、から
『・・・なぁ』
?なに、

『・・・おれだってこわいよ、セイリオス』
だいじょうぶ。きっとかえるよ、ロナード
『・・・うん』


『ここで、ずっとまってる』



部屋に入ると兄貴であるセイリオスが椅子に座った状態で寝てた。
・・・寝にくくねぇのか・・・?
「・・・ぅ・・・」
しげしげと見つめていると、兄貴が苦しそうな声を上げる。
起こすかどうしようか迷った挙句、そっと髪を弄ぶに留めておいた。
変に起こすと兄貴、すっげ不機嫌になるしな・・・。
オレみてぇな下っ端に弱いところ見られんのが嫌なのかね。
兄貴がこういう表情してる時は・・・大概は此処に来る原因となった時の夢を見るそうだ。
辛いか辛くないかって言ったら辛いと思うんだが、兄貴には何か思うところがあるらしい。
もうちと弟であるオレを頼ってくれても良いと思うんだけどなぁ。
「・・・ぁ・・・」
「おぅわ。はよッス、兄貴!」
「・・・ザカリー」
取り繕うようにぼぅっとしたナイトブルーの瞳に笑いかける。
兄貴にこう呼ばれるとオレは『ケイン・リバース』から『ザカリー・ファラン』に戻る事が出来んだ。
「どうしたんで?こんなトコで寝るなんて兄貴らしくもない」
「・・・」
顔を覗きこんでも、兄貴は無表情で。
・・・や、いつもこんなんちゃあこんなんなんだが。
らしくは、ない。
「兄貴ー?」
顔の前で手を振ってみると、びくっと身体を揺らしてオレを見た。
腰まで伸びた碧い髪がさらりと揺れる。
「夢、ですかぃ?」
「・・・ああ」
笑いながら問いかけたそれを意外にも肯定されてオレはちょっと面食らった。
「・・・死に別れた、双子の兄の夢・・・」
ぽつりぽつりと呟かれたそれはオレの知らない事実で。
・・・それを知らないと抗議してもしょうがない事だけど・・・兄貴、兄弟が居たのか。
「恐らく・・・向こうは俺がもう死んだと思っているだろうな・・・」
「・・・」
「仕方のないことだ」
自嘲気味に笑う兄貴はすぐに消えてしまいそうだった。
なんだ。
なんなんだ。
知らない。
こんな兄貴は知らない。
オレの知ってる兄貴はもっと強くて、もっと・・・。
「兄貴には」
視線を落とす兄貴の手を、思わず強く握る。
「兄貴にはオレがいる!!」
「・・・ザカリー」
目を見開く兄貴にオレは詰め寄った。
怒られていい。
今は、今だけは。
「・・・オレが、兄貴を護る、から」
「・・・フッ」
真っ直ぐに見つめていると、兄貴がおかしそうに笑った。
「俺を護る?・・・もっと強くなってから言え」
強気でそう言うのは・・・オレのよく知る兄貴、セイリオス・ファランの姿。

兄貴

なあ、兄貴


オレ達は本当の兄弟じゃない

そんな事は分かってる


でも、それでも

兄貴の悲しみを、少しでも掬ってあげたいと思うのは

寂しい思い出から救い出してあげたいと願うのは



オレのエゴなんだろうか


ーー
ザカセイ・寂しい思い出/無限の悲しみ

鬱的花言葉で1日1題・ザーロナ(紫露草/キングサリ・フラハイSSS

『なぁ。こわい、こわいよ』
だいじょうぶ、だいじょうぶだよ。おれがいるから
『・・・うん』
だから・・・はやくかえってきて
『ここでまっててくれる?』
もちろん。ここでまってる。ずっとまってるよ、
『・・・。・・・おれ・・・がんばるよ。まっていてくれる、から』
・・・なぁ
『?なに、』

・・・おれだってこわいよ、セイリオス
『だいじょうぶ。きっとかえるよ、ロナード』
・・・うん

『だから、ここでまってて』





部屋に入ると、変な体勢でロナードが寝てた。
・・・ベッドで寝たほうが楽だと思うんだけどなぁ・・・。
「・・・ぅ・・・」
ロナードが苦しそうなうめき声を上げる。
悪い夢、見てんのかな。
起こしてやろうかとも思ったけど、さらりとした髪を弄ぶに留める。
大概、こういう時のロナードは魔殖された時の夢を見てるって前言ってたから無意味に起こさないようにしてんだ。
・・・っていうか前起こしたら「起こすな」って、本人から言われたからだけど・・・。
嫌な夢は見たくないってのが普通なのに、ロナードは違うのかな。
・・・なんか、な。
「・・・ん・・・」
「・・・あ。はよー、ロナード」
「・・・ザード」
ぼんやりとしたラピスラズリの眸に笑いかけると、舌足らずに名前を呼ばれた。
「眠ぃならベッドで寝ろよなー。余計疲れんぞ?」
「・・・ああ、すまない」
肩まで伸びた蒼い髪を揺らしてロナードが姿勢を正す。
謝って欲しいんじゃねぇんだけど。
「・・・少し・・・夢を見た」
ぽつり、とロナードが呟いた。
まるで独り言の様に。
「亡くなった、双子の弟の夢を・・・」
淡々とロナードが言う。
・・・ってか、ロナード弟いんのかよっ。
「何それ。おれ知らねぇけど」
「随分昔の話だ」
「・・・そうかよ」
自嘲する様に微笑むロナードを睨んだ。
赤い空を見上げて佇んでるロナードはどこか儚い。
こんなにも強そうなのに。
なんでだろう、な。
・・・なんで・・・こんなにむしゃくしゃするんだろう・・・。
「俺はあいつの死に目見ていない。・・・確認出来なかったんだ」
「・・・」
「生きているはずはないのにな」
「・・・分かんねぇだろ」
くすりと笑うロナードの手を取る。
「ザード?」
「分かんねぇだろ!!何があったか知らねぇけど、ロナードだって生きてるじゃねぇか!」
そうだ、おれはロナードに何があったか知らない。
けど。
「・・・行こう、空に。ロナードの故郷、クラウディアにさ」
「・・・。・・・ああ、そうだな」
驚いたようにおれを見つめていたロナードがふっと笑った。
いつも通りの・・・おれが知ってるロナード。

おれはまだロナードを護るなんて大きな事言えない。
でもさ。

・・・ロナードにずっと笑っていてほしいんだ。


今ならあのもやもやした気持ちが何だったのかが分かる

おれは、


寂しい思い出に包まれているロナードを

美しいと思った自分が嫌だったんだ

ーー
ザーロナ・寂しい思い出/淋しい美しさ

鬱的花言葉で1日1題・レイイス(ルピナス/ピナス・フラハイSSS

眠るのが怖いんだ、とイスファルが独り言の様にそう言った。
「うん?」
振り仰ぐと、少し困ったようにイスファルが笑う。
「夢・・・なのかな。ゼクスはそんなもの見ないって言うんだけど」
「・・・ああ、ヴァイスもそんな事言ってたな・・・」
その言葉に、俺もこの間言われたそれを思い出していた。
イスファル達は生者である俺たちとは違って夢というのは見ないらしい。
もし見ることがあったとしても、それは生きているときの残留思念か乗っ取られている時の記憶、なんだそうだ。
「で?どんな『夢』?」
「ああ。誰の声かは分からないんだけど・・・」

少し上を向いて思い出すように言う、イスファルの『夢』はこうだ。
誰か知らない男の声で『お前は死ぬべき存在だ』と言われる。
否定をすると『人殺しの癖に』と笑われる。
ならばと肯定すると四方から剣が飛び出してくる・・・。

「・・・何、殺されたい願望?」
「そんな訳ないだろ、馬鹿」
笑いながら言う俺にぶすくれながらイスファルが言う。
「けど、そんな夢見るってことはちょっとはそう思ってることなんじゃないのか?」
「・・・え・・・あー・・・」
俺の言葉にイスファルは少し考え込むように視線を落とした。
・・・なんでそこで考えちゃうかなぁ、イスファルは・・・。
「じゃあ、さ」
にこりと笑って俺はイスファルを押し倒した。
え、とイスファルが俺を見る。
「殺されてみる?俺に」
「・・・な、にを」
怯えたように見るイスファルの首に手をかけた。
「・・・冗談は、やめ・・・」
「本気だって言ったら?」
「レイ、ナス・・・?」
引きつった笑みを見せるイスファルに笑いかけてその手に力を込める。
それでも人を殺せるほどではないけど。
いつものイスファルなら・・・俺が本気じゃないってことくらい、気付けそうなものなのに、な。
「・・・う、ぁ・・・」
ひゅう、と気管が音をたてた。
無意識なのか、俺の服を掴むイスファル。
弱々しいそれは振り払えるものだったけれど、俺はそのままにしておいた。
「殺して欲しかったんだろ?夢に見るほどに」
「・・・ちが、ぅ・・・」
すぅ、と綺麗な涙がイスファルの頬を伝う。
・・・なあ、お前はこんなことは望んでなかっただろ?


「・・・い、やだ」
ぽつり、とイスファルが呟く。
・・・嗚呼、お前は。
「・・・生きたい、生きたいよ、レイナス・・・!」
「うん、知ってる」


嗚咽を漏らすイスファルを抱きしめる。
志半ばで逝ってしまったイスファル。
きっともっと生きたかった筈なんだ。





あの山に咲く花に付けられた言葉の様に



もっと貪欲に生きていいんだよ?イスファル


ーー
レイイス・貪欲

鬱的花言葉で1日1題・がくキヨ(茜・ボカロSSS

「馬鹿なんですか何なんですか死にたいんですか」
目の前にいる可愛らしい男から酷い罵声が飛ぶ。
その頬は朱に染まっていた。
・・・ふん、意外に初心なのだな。
「口付けをしただけだろう?・・・この国では挨拶だと聞いたが」
「男同士でするものでは・・・!!」
声を荒げかけた男・・・キール・フリージスはふと口をつぐんだ。
此処が自宅だという事を思い出したらしい。
代わりに、はあ、と溜め息を吐いて何か手帳の様なものを開いた。
「・・・商談を始めましょうか?」
「ああ、そうしよう」
少し不満そうなのが面白い。
まるで野良猫のようだな、と思った。
「・・・それで?」
「分かっているだろう?我の・・・望むものは」
「勿論。・・・しかしそれ相応の物は貰う、と申し上げたはずですが?」
にこ、とキールが笑う。
目の奥が笑っていない、営業用の笑顔。
最初はそれに騙された。
そして・・・何故かこの男を手に入れたいと・・・そう願ったのだ。
勿論我が家宝・ヴェノム・ソードも欲しい。
それがこの男の元にあるならなおさらだ。
「冷たいな、キール」
「・・・馴れ馴れしくしないでください、ガスト・ヴェノム」
不服そうにするキールが面白くて手を伸ばすといとも簡単に打ち払われた。
「君は」
真っ直ぐなブラウンの眸。
「ヴェノム・ソードが欲しかったのではないのですか」
「ああ。無論だ」
そう言われ、我は目を閉じた。
初めてこの男、キールに会った時の衝撃は忘れない。

『君がガスト・ヴェノム?初めまして、キール・フリージスです』

そう、微笑む彼を美しいと思った。
・・・まあその後の誹謗中傷は散々たる物だったが・・・本人を目の前にして言うものでもないだろうに。
少し幼い顔立ちからは想像もつかなかったが娘まで居ると聞いたときは驚いた。
そして・・・その顔は幸せそうに見えて何処か寂しそうにも思えたのだ。
幸せそうな家族の一般像、それに隠れている小さな寂しさに。
我は気づいてしまった。
もしも、幸せかと聞けば不信そうな目で「何を言ってるんです?不幸せに見えますか?」と言うだろう。
・・・彼は気づいていない。
自分の、願いに。
「ヴェノム・ソードを手に入れるためだ。当主様の望む物を捧げよう」
「・・・へえ?」
目を開け、くすり、と笑う彼に近づく。
笑みを浮かべるキールの、細い腕を取って口づけた。


脳内で声がする。


その剣を取ってしまえば最後だと。


・・・お前が望む、最期だと。


「私の望む情報をくれると?・・・それとも大量の報酬?」
「・・・その・・・どちらとも違う」
媚びた目をする彼を押し倒す。
その奥の・・・寂しさをも埋めたいと・・・そう願ってしまったのだ・・・。



可愛い娘が居て、美しい妻が居て・・・幸せな家族が居る彼の


心の叫びに応えよう


「さあ、踊ろうか」

ーー
がくキヨ・私を思って・媚び・誹謗中傷・不信
*ガスト×キール

鬱的花言葉で1日1題・レンカイ(木伏/ナイトシェード・ボカロSSS

罪深いほどに美しいキミは見た時

ボクは


いつも優しげに微笑むノーマルのKAITOとは違う、冷たい笑みの男、ギルティ。
見下した目でボクを見るねこに似ているギルティ。
見つけた見つけた、ボクのねこ。
ねぇ、キミの罪を裁いてもいいですか?




その日、偶然にもギルティを見つけたボクは衝動的にぐい、と腕を引っ張って床に倒した。
「・・・っ!!!」
「・・・初めまして」
顔を歪めるギルティにボクは笑みを向ける。
「・・・ノーマルの・・・鏡音、レン」
「違うよ、よく見て」
嫌そうな顔をするギルティのドッグタグを引っ張る。
青い髪がさらりと揺れた。
「ボクはストレンジダーク」
「・・・旧作が俺に何の用だ」
ふい、とギルティがそっぽを向く。
ねぇ、ボクには振り向いてくれないの?
愛を囁いてくれないの?
どうして?どうしてどうしてどうして?
「女の子には優しいのにね。酷いね、ギルティ」
「酷い?俺が?・・・当然の疑問を発したまでだ」
ボクの言葉に、ギルティが挑発するように笑った。
それには応えず、ボクは立ち上がる。
身体を起こそうとするギルティの、細い首輪をぐっと掴んだ。
「・・・っ!!」
首に嵌まったそれを掴んでずるずると引っ張る。
「・・・め、ろ!はな・・・!!」
ひゅっとギルティの器官が鳴る音がした。
足をばたつかせて抵抗しているけどボクは気にしない。
ボクには、通用しない。
激しく咳き込むギルティを部屋に押し込んだ。
「・・・何をする気だ、貴様」
ギルティが睨む。
「何?何って?」
「・・・っ!!・・・此処から出せ!」
「ダメ、だよ」
ボクは笑ってギルティに手を伸ばした。
その手が激しく打ち払われる。
ねぇ、どうしてボクを受け入れてくれないの?
ねぇどうして?
・・・ボクは何のために存在するの?
「・・・っ!やめろ、何を・・・!!う、ぁ・・・っ!」
びく、と震えるギルティの服の中に手を入れた。
じわじわとギルティの肌を撫で上げる。
「ねぇ、怖い?」
「・・・怖い?怖くなどは、ない」
嘘だ。
怖いくせに。
キミはどうして嘘をつくの?
「ボクみたいな『旧作』にヤラれる気分はどぉ?ギルティ」
「・・・別に」
ギルティは目線を合わせない。
もう時が過ぎるのを待つ事にしたようだ。
・・・それじゃあ面白くないんだよ?
「他のレンモジュールを呼んできてあげようか。スターマインは驚くだろうね。・・・ああ、ギルティはブルームーンに見られるほうが嫌かなぁ??」
「・・・っ!!」
驚いたようにボクを見上げるギルティ。
「知ってるよ。ギルティはブルームーンが好きなんでしょう?おかしいね、『あれ』もボクと同じ旧作なのにね」
「煩い黙れ!貴様に何が分かる!!」
「名前を呼んでよ、ギルティ。簡単でしょ?」
ボクは笑う。
キミは唇を噛み締める。
「・・・もう、やめろ」
ふと、ギルティがそう言った。
手を止めると、ギルティは今までで一番の笑顔を作る。
嘘の、笑み。
イカサマの、微笑。
ボクには、分かる。
「此処から解放すれば貴様の名前を呼ぶ事を誓う」
「本当に?・・・ボクを、愛してくれる?」
「ああ」
「誰よりも?」
「誰よりも、だ」
ギルティがふわりと微笑む。
うそ、ばっかり。



嘘をつくキミは正しくない。

ボクはキミの欺瞞に騙されない。

ボクは正義です。
キミは有罪です。

罪は、裁かなきゃ。

「残念だよ、ギルティ」
「・・・う・・・っ・・・」
ポケットから取り出した白い布を押し当てる。
一瞬苦しそうにしたギルティは細い手をボクに伸ばし・・・それがぱたりと落ちた。
意識をなくしたギルティの身体をボクは抱き上げる。



狂おしいほど愛おしい華を


ボクはこの手で裁きます

ーー
レンカイ・嘘/欺瞞
*ストレンジダーク×ギルティ

鬱的花言葉で1日1題・岩坂(西洋水引・鳩彼SSS

「坂咲君は卒業したらどうするおつもりで?」
棚の薬ビンの数を数えていた坂咲君にそう問いかけると彼は怪訝そうに振り向いた。
「・・・なんです?いきなり」
「いえ。貴方も三年生なのですから、進路の事は考えておくべきでしょう?」
「・・・まあ・・・そうですけど」
かたり、とガラスの戸を閉めて彼はふっと微笑む。
「まだ詳しく考えていませんよ。・・・まあ、大学だけは行こうと思ってますけどね?」
「大学ですか。貴方は頭はいいのですから今から受験を考えても構わないと思いますよ」
「褒められてます?それ」
くすくす、と彼がおかしそうに笑った。
そうだ、彼は頭がいい。
こう私に言っているそれも真実かは分からない、彼はそういう鳥だった。

・・・ですが、頭がいい鳥ほど、利用されやすいのですよ。
貴方もそうでしょう?坂咲君。

「私が無闇に褒めたりしない事は貴方が一番良くご存知のはずですが」
「ふふ。自分で言いますか、それ」
「ええ」
性格悪いなぁ、と彼が肩を揺らせながら笑った。
「性格悪いついでにもう一つ。坂咲君、教師になられては如何です。・・・私の様に」
「やだなぁ先生。・・・本気で言ってます?」
にこ、と彼が・・・目の奥が笑っていない微笑を見せる。
「ええ、私は本気ですよ」
そんな彼に私も笑ってみせた。
彼が私を調査している事は知っていた。
そしてそれに関する『良い結果』が出ていないことも。
もし私がこの学園を出て、違うところに行くとしても彼はきっとついてくる。
それが彼の仕事であるから。


なら、此処で終わらせて差し上げましょう。
貴方の誇り高き仕事に終止符を。
・・・そして、私の元で飼い殺しにしてあげますよ。
私を追う貴方にとっては願ったり叶ったりではありませんか。
ずっと私の傍にいるのですから・・・ね。
違いますか、坂咲君。
「・・・。先生?」
笑みを浮かべて首を傾げる彼に、私は小さく笑いかけた。




この案件に結果が出ない限り、貴方は私を追い続ける


きっと、きっとどこまでも



影の様に、貴方が私から離れないのならば囲ってしまえばいい


貴方にとっては不都合かもしれませんが、私には好都合なのですよ


「坂咲君」
「なんです?岩峰先生」


・・・私だけを映す、アクアブルーの眸に絶望を





貴方に相応しい花を捧げましょう

私を追うスパイの貴方に、一輪の



「少しお話があるのですが・・・ー」
ーー
岩坂・どこまでも離れない