にょたカイさんを好き過ぎる高2組がイキ地獄に落とす話(ザク+マキ×カイ♀)プロローグ

「ぜっったい嫌でぇ」
にっこりと、音がつくような笑顔でカイコクが言う。
「…何故だ」
「逆に、なんで良いと思ったか聞かせてもらおうか?ん??」
その迫力に負けじと聞くザクロに、カイコクがそう聞いた。
まるでザクロたちからの質問は受け付けない、というように。
「…貴様が」
「俺がなんでぇ」
小さく言いかけるザクロをカイコクは詰問するよう促す。
「…っ、貴様が!俺との、その…営みの時に、あまりにも淡白だから!心配になって、だな……」
「…はい??」
ザクロの返答に彼女はきょとんとした。
何を言ってるんだ、と呆然とするヵカイコクに、だから!と言ってやる。
「俺との行為が気持ち良くないのかと思ったんだ!しかしマキノくんに聞いても貴様はいつも淡白だと言う!もしや鬼ヶ崎は俺たちの為に無理をしているのではないかと…!」
「よし、待て、わかった。ちょっと落ち着け忍霧」
熱弁を振るうザクロにカイコクがはぁあと溜息を吐きつつストップをかけた。
「あのな?俺は、その、お前さん方とのセックス、に不満を抱いた事は一回もねぇんだが?…そりゃあまあ淡白と言われちまえばそうかもしれねぇけども…」
「鬼ヶ崎。俺は…俺とマキノくんは、貴様をただ気持ちよくしたいだけなんだ」
諭すようなカイコクにザクロは言う。
実は彼女とザクロ、そしてマキノは三人で【付き合っている】のだ。
いつからこうなったかは分からないが別にお互い不満はないのでこのままでいる。
マキノもザクロも、カイコクをただ好きなだけでお互いを蹴落とそうだなんて気はさらさら無いからであった。
カイコクもそれは了承したのだが…今回の件…『マキノとザクロの二人でカイコクを気持ちよくしたい』という申し出だけは受け入れられなかったらしい。
「…鬼ヶ崎」
「だぁめ」
「どうしても嫌か」
「しつこいぜ、忍霧」
「…。…カイコッちゃん」
にべも無い返事をしていたカイコクに、声をかけたのは今まで黙っていたマキノだ。
「…逢河?」
「…だめ?」
こてりと首を傾げるマキノにカイコクがうっと詰まり、そこをここぞとばかりにザクロが追い詰めた。
「鬼ヶ崎。…貴様は俺達のことが嫌いなのか…?」
「…っ!!あぁっ、もう!!今回きりでぇ!」
殊更大きな溜息を吐き出し、カイコクは自慢の腰まであるポニーテールのゴムを解く。
ふわりと舞う髪はカイコクが折れた証で。
…なんだかんだカイコクは二人に甘いのだ。

こうして、カイコクの甘く長い夜は始まりを告げた。

スキキライ(アカカイ)

スキヨキライ ワカンナイ キライ 
スキダ イガイ アリエナイ スキダ! 
スキトキライ ワカンナイ 止まれない 
スキキライ


もう! あいつのコクハクってやつ 
頭の中グルグルと回る 
スキ キライ 真ん中はあるの? 
迫られる二択


もう返事は決まってるはずさ 
「Wedding」そうヴィジョンは完璧! 
そうだ、住むのは松涛あたりがいいな♪ 
子供は3人かなぁ(^ω^ )


だって待って 何で? 
だって14歳ですー! …ですよ? 
「付き合うとか…」「好きだ」「話聞いてバカ!」 
ノーガードだぜ スキが多いの


恋してみたいわ ふわふわと 
校長ハゲのスピーチにスマイル 
ミルクとパンダはシロクマで 
世界がはずむの♪


スキト キライ ワカンナイ 
キライ でも スキ?


「ホイ!!」 「エッ!?」 
レインボークォーツ 帰り道欲しがってたやつ 
眺める君を僕は視ていた 
通学路 反対だけど 
それは気にしないで


てゆーか! あんまりスキじゃないタイプ 
ゆえに 反動でしょうか 
そっか、急に優しくなんてされたから 
グラついて動揺


タって グって ソっと ヌいて 
賢者れいせいになってみても 
間違いなく! いなくぅ? 理屈ヌキでスキ 
ノープロブレム 僕を信じて


君に火を点けた ゆらゆらと 
萌えてHighになるパイロマニア 
「愛しているんだ!」 よく分からないけど 
おそらく正解


やだな 染められそう 
知ってシマタ優しさ(´・ω・`) 
時にヘンタイでも 
スキにソメラレテク…


恋してみたいわ ギラギラと 
パンダが寝てちゃツマラナイ 
愛して出して水をあげて 
初めて育つの


ぶつかる二人と同時のスキ 
絡み合うフロマージュ 
キライさえ裏表 
僕ら今 コイシテル


スキヨキライ ワカッテル スキヨ 
スキダ イガイ アリエナイ スキダ 
スキトキライ オワラナイ 
スキキライ

どういうことなの!?(アキカイ)

隣で悩んでる私の思考は
局所解で揺れる振り子時計
恥ずかしい単語を縦に並べて
次のパズルに着手したところ

難解な式で描いた 愛情
人という機械は思い馳せる

どういうことなの どういうことなの
君は何が好き?
どういうことなの どういうことなの
そんな事じゃない

肩が触れること 何とも思わない?
その度に貯まる君の成分
すぐ手が届くよ だけどできない
友情でさえも壊してしまいそうで

恋の詩 カラクリ羊 まわれ
好き嫌いの問題 答え合わせ

どういうことなの どういうことなの
君は誰が好き?
どういうことなの どういうことなの
そういう意味じゃない

どういうことなの どういうことなの
君の好みは?
どういうことなの どういうことなの
わたし届いてる?

数字に頼らないならば 退屈を何に変えれるだろう
不意に目が合って吐息隠す

そして 人という機械に思い馳せるのか

どういうことなの どういうことなの
君は何が好き?
どういうことなの どういうことなの
そんな事じゃない

どういうことなの どういうことなの
君は誰が好き?
どういうことなの どういうことなの
全部教えて

どういうことなの どういうことなの
君の笑顔に
どういうことなの どういうことなの
わたし共起する

教えてね

『鬼ヶ崎の将棋指し人形』(メルツェルパロ)

将棋指し人形カイさんと用心棒ざっくんとメイドのサクラちゃんと悪い大人の話

絵本 人柱アリス ナカノヒトゲノムパロ

人柱アリスパロをナカゲノでやるなら小さな夢がユズちゃで1番目がアンヤ、2番目がカイさん(狂った男はあっきー)、3番目がひーみん(従者がカリリンとマキマキ)、4番目が忍霧双子かな。
カイさんが大人しい男ではないのは分かってるし、サクラちゃん出すならシン兄出したい気もするし。

草木や獣を斬ってたのに閉じ込められた先で自分が斬ったシン兄の亡骸見せられて発狂するアンヤ、とか。
刀を取り戻す為に歌を作り歌ってたら俺だけの赤いバラになってくださいって青薔薇作りのあっきーに撃たれるカイさん、とか。
自分だけの居場所を手に入れてそれを崩さないように必死なひーみんとか、そんな女王ひーみんの大切な場所は私達が守ってあげる、なカリリンとマキマキとか。
好奇心で穴に落ちたサクラちゃんとそれを追ってきたザッくんとか。
1番目が4番目を、2番目が1番目を、3番目が2番目を、4番目が3番目をそれぞれ堕とすのが好き。
小さな夢のユズちゃはそれを見るのが楽しい、寂しがり屋。

ボカロ版、口上はルカで小さな夢はショウタ、後はメイコ、カイト、ミク、リンレンだと
ミキ、キヨテル、ユキ、いろはゆかりで口上あかりの小さな夢アイってのが一番しっくり来るよなって思う。

○○しないと出られない部屋、そのまたおまけのアキカイの場合(カイコク受け)

Q「あっきーは、好いている相手の身体にキスをするならどこにするのかな」
A「俺は……そうだなぁ」

カイコクがこちらを睨む。
以前にもこんなことがあったなぁ、とぼんやり思いながらにこりと笑った。
まあ、あの時は【入出アカツキ】だったのだけれど。
「キス、させてよ。カイコクさん」
「嫌、でぇ」
硬い声のカイコクに、小さく溜息を吐く。
ここは、【鬼ヶ崎カイコクにキスをしないと出られない部屋】だ。
悪趣味な部屋だけが残ったのだなぁと思う。
「しなきゃ一生ここに二人きりだけど。このまま心中でもする?」
「…っ。俺ァ男でぇ!男にキス、だなんてまっぴらごめんだ!」
「…【入出アカツキ】にはさせたのに?」
声を荒らげる彼にそう言えば、びくんっと身体を震えさせた。
視線を落とすカイコクに、可愛いなぁと笑う。
「カイコクさん。アカツキはどこにキス、してくれたの」
「…っ!…し、ってる…くせに…!」
するりと頬を撫でれば悔しそうにカイコクがこちらを睨んだ。
だから、「うん」と笑顔を見せる。
「知ってるよ。…駆堂アンヤは目蓋、逢河マキノは首筋、忍霧ザクロは肩口。…そして、入出アカツキは、手首」
「…」
「目蓋は憧憬、首筋は執着、肩口は愛顧、手首は欲望」
「…っ!!」
相手からキスされる場所は、それぞれ意味を持つのだと言ってやればカイコクは怯えた目でこちらを見つめた。
まるで、現実を突きつけるな、という風に。
皆の思いを、わざわざ声に出して見せつけるな、と。
「カイコクさんは、知っていた…そうだろ?」
「…そ、れが…なんだって……」
「ずるいなぁ。俺だってカイコクさんに思いを伝えたいのに」
にこにこと笑って追い詰める。
彼は存外優しいのだ。
きちんと、【入出アカツキは信用ならない】と気付いていて、絆されてしまった。
「ねぇ、カイコクさん。『ダメ、ですか?』」
「…っ!お前さんはっ!入出じゃ、ねぇ!」
間髪無く否定するから、少しばかり驚く。
そして…嬉しいな、と思った。
「なら、俺は俺としてお願いするね、カイコクさん」
「…」
「キス、させてよ。ここから出たいだろ?」
「…分かった」
硬い声の彼が了承を出す。
それを聞き…座っていたカイコクの、すらりと伸びた足を取った。
「っ!」
服の上から、太腿にキスを落とす。
カシャンという、小さな音が耳に届いた。
「意味、分かるよね。カイコクさん」
「…。…俺は、お前さんの思い通りにゃなんねぇよ」
睨みながらカイコクが身体を起こす。
そうこなくては、と…アキラは、笑みを浮かべた。


心を開かない、野良猫のような彼を……自分のものにしたいのだから。
(それは、アカツキとはまた違った…濁った欲望…支配欲)

○○しないと出られない部屋、おまけのパカカイの場合(カイコク受け)

映像を再生し終わり、パチン、とパカは電源を切る。
流れていたのは○○しないと出られない部屋、というエクストラステージのゲームを行った際の映像だ。
そんなこともありましたね、と他人事のように…勿論他人事なのだけれど…思いながらパカはある部屋に向かった。
「…っ」
「おはようございます、鬼ヶ崎様。…いえ……」
カイ、と部屋の中にいた彼に向かって囁く。
ぼんやりとベッドに腰かけていたのはあの鬼ヶ崎カイコクであった。
そう呼ばれるとは思わなかったのだろう。
少し驚いた顔をしたカイコクがそれを柔らかく破顔させた。
その表情は仲間たちにも見せたことがないほど、酷く幼い。
本当に止まっているのだな、と思った。
…あれだけパカを嫌っていた彼が何故信頼しきった瞳で笑うのか。
それは少し時間を遡る。
見るな!という声が響いたのは果たして誰のそれだったか。
パカメラのフラッシュをもろに浴びた彼らは一様に悪夢を魅る。
何故連れて行ってくれなかったの、何故置いて逝ったの、何故俺じゃなかったんだ、なんで私だけ守るの、どうして僕を見てくれないの、愛されないのは何故…彼らの悪夢が辺りに霧散した。 
パカメラの目はストロボ機能がある。
そのフラッシュは悪夢を魅せると言われていた。
「…ぅ……」
初めに悪夢から覚めたのは誰だったろうか。
「流石は1億再生を突破された精鋭。物ともしませんね」
夢と現を彷徨う彼らにパカはゆったりと声をかけた。
「…ふ、ざけやがって…!」
「…なんの、つもりだ…!」
悔しそうな声を上げるのはアンヤとザクロだ。
よく対立する二人だが血気盛んなところはよく似ている。
分が悪い、とパカは静かに言った。
「ワタクシ一人に対して7人はあまりにも不公平。一人、味方をお願いしたいのですが」
そう告げ、ぼんやりと立ち尽くすカイコクに手を伸ばす。
「貴殿は来て頂けますね。…鬼ヶ崎様」
「…」
濁った黒曜石の瞳をゆっくりこちらに向け、カイコクが足を進めた。
おい!という鋭い声はアンヤとザクロ、どちらだっただろう。
「…カイコクさん?」
アカツキの声が響いた。
「…お、れは……」
緩慢なそれは何か迷っているような声音を滲み出す。
「…カイ、カイコク」
「…っ」
「こちらに来なさい。そうすれば…愛してあげる」
「…あい…して」
パカの言葉を反芻し、カイコクは今度こそ振り返りもせずこちらに来た。
「待て、鬼ヶ崎!!!!」
「鬼ヤロー何考えてんだ!!このボケ!」
意地でも止める、といった二人が…カイコクの番傘に弾き飛ばされる。
「駆堂さん!忍霧さん!!」
「やだ、なんで…どうして」
ヒミコの悲鳴と呆然としたようなカリンの声。
それを護るように立ち尽くすマキノがパカを見上げた。
「パカメラの目に搭載されたストロボには悪夢を魅せるという機能があります。一度目はご自身が一番見たくない記憶を映し出し、二度目は…」
従順な下僕に成り下がったカイコクがにこりと笑う。
その綺麗な目からは光が消えていた。
「ワタクシを、主だと思い込ませることにございます」
「…?!」
パカのそれに全員が息を飲む。
「…証拠は、ありますか」
固い声のアカツキにパカはもちろん、とカイコクを近くに呼び寄せた。
疑いもなくやってくる様子で分かろうものだが、パカは敢えて彼らに見せつける。
もう彼が戻らないということを。
「カイ、足の甲にキスを」
命じたそれはあまりに残酷だった。
足の甲へのキスは隷属を意味する。 
それは…つまり。
「やめろ…やめるんだ、鬼ヶ崎!!!!!」
悲痛なザクロの声は届かなかった。
カイコクはなんの躊躇いもなく跪き、靴の真ん中にキスを落とす。
「お分かりですね、皆様。それでは、また後ほど」
パカはカイコクを立ち上がらせ、その場から去った。
光を、希望を失った筈のカイコクが、苦しそうにすまない、と呟いたのは…気のせいだったろうか……。
「鬼ヶ崎様」
ベッドにいる彼に触れる。
柔らかく微笑む彼の綺麗な瞳はすっかり濁ってしまった。
「…なあ」
「はい?」
かけられる声は少しばかり幼く聞こえる。
きゅ、とスーツの裾を引きカイコクは言った。
「…なまえ…よんでくんねぇの?」
幼いそれはまるで愛されたいと必死に叫んでいるようで。
「カイ、カイコク」
ころりと押し倒し、腿にキスを落とす。
無邪気に笑う、彼の声だけが広い部屋に響いた。

(果たして囚われの姫の前に現れるはナイトか、ナイトメアか)

○○しないと出られない部屋、ザクカイの場合(カイコク受け)

カシャン、と無機質な音がしてから随分と経った。
現れるはずの人物は未だ現れず、ザクロは、はぁ、と溜息を吐き出す。
嫌だとごねているのだろうか。
それとももっと別の理由だろうか。
例えば…そう、パカに連れさられた、とか。
(…ないな)
一瞬過ぎったそれをすぐさま振り払った。
パカはゲーム中、そのプレイヤーに対して何かをしでかすことはない。
少なくとも、今まではそうだった。
…と。
「…」
「…鬼ヶ崎!」
少しフラついた様子で扉から出てきたカイコクに、ザクロは慌てて近寄る。
「遅いから心配したんだぞ。何かあったのか」
「…何でも、ねェよ」
詰め寄るザクロに答えるそれはいつも通りに見えた。
だがザクロには分かってしまう。
カイコクが、決していつも通りのそれではないと。
「…。…さっさと終わらせて、こんな部屋早く出よう。他の三人も待ってる」
「…っ」
「女子もとっくに出てしまっているかも…。…っ?!鬼ヶ崎?」
言葉を紡いでいれば、表情を歪めぽすりと己の肩に顔を埋める彼に、ザクロは驚いた声を上げた。
まるで弱音を吐くかのようなそれは滅多に見られるものではない。
「…どうしたんだ」
「…。…お前さんは、嫌がると思っていたが」
「…は…」
小さく紡がれる言葉に、ザクロは思わずぽかんとした。
それはつまり。
「…貴様は、俺が入出や駆堂、マキノ君に嫉妬するとでも?」
「…っ」
「ゲームの一環とはいえ、貴様にキスをし、その場所を責め立てた三人に嫉妬するような人間だと、そういうのか?」
「…ち、がう」
純粋な疑問として聞いたのだが、どうやらカイコクはザクロが怒っていると思ったらしい。
珍しくボソボソと小さな声なものだからすっかり調子が狂ってしまった。
「…。俺は、怒ってるわけじゃない。普段の貴様ならその違いくらい分かるだろう」
「…」
「…鬼ヶ崎」
努めて優しい声を出すザクロにカイコクはやっと口を開く。
「…嫌、だった」
「…何がだ」
「…お前さんが…」
カイコクがそこまで言ってまた黙ってしまった。
だから、続きの言葉を紡ぐ。
「…俺が、三人を…もっといえばパカを止めなかったこと、か?」
そう聞くザクロに、カイコク逡巡した後、こくりと頷いた。
「貴様なら嫌なものははっきり嫌だと言うと思っていたが」
「…あの状況で、俺が嫌だと言えると思うってェのかい」
「俺だって本音は嫌だった。だが、外に出るためには仕方がない。俺が嫌だとごねたところで状況が変わるわけ無いだろう」
「…そんなのは、分かってる」
「鬼ヶ崎。俺が貴様のどこにキスをしたか覚えていないのか?」
存外に我儘で、可愛い所がある年上の恋人に、ザクロはマスクを外しながら言う。
どさりとベッドに突き飛ばし…カイコクの着物の合わせを肌けさせた。
「…っ、忍霧…?」
息を詰まらせ、それでもゆっくりと見上げるカイコクにザクロは小さく笑ってみせる。
身動ぐカイコクを押さえ込み、そっと肩口にキスを落とした。
「教えておいてやる。俺が、お前を想う…その強さを」
「…ん、ぅ!ゃ…」
ぱしっと嬌声が出そうになるその口を、カイコクは慌てたように塞ぐ。
普段なら止めるそれを無視し、ザクロは肩口に入った入れ墨をちろちろと舐めた。
「…は、ぅ…っ!おし、ぎりぃ…っ!」
幼子の様にカイコクが首を振る。
さらさらと綺麗な髪が揺れた。
途端、無機質な合成音が『全てのロックが、解除されました』と告げる。
「…開いたな。行くぞ、鬼ヶ崎」
「…ぁ…ぅ、え…?」
まさかこんな所で止められると思わなかったのだろう、はふはふと荒い息を吐き出しながら困惑の表情を浮かべるカイコクの、頬を撫でた。
「…んっ」
「俺は、鬼ヶ崎の可愛らしい表情も、可愛らしい声も、他の誰にも見せてやるつもりはない」
「…?!…お前さん、俺みてぇな男捕まえて可愛いはねぇだろ、う…」
驚いた表情を赤く染め、カイコクが言う。
それのどこが可愛らしくないんだ、と思いながらザクロはマスクを戻した。
「早く出よう、鬼ヶ崎。…ゲームを終わらせて、そうしたら」
続きを耳元で囁き、固まってしまったカイコクを立ち上がらせる。
しっかりと手を繋ぎ…ザクロはカイコクと二人、外へ出た。

肩口へのキスは確認、そして愛寵という意味がある。
自分の事を粗雑に扱う彼に分からせなければならなかった。
ザクロがカイコクをどう思っているかの再確認と、大切に愛されるという…言葉の重みを。
「今晩、覚悟しておけ。しっかり身体が覚えるまで教えこんでやるから」
その言葉通り、きっちりとザクロの愛を刻み込まれるカイコクが赦しを乞うまで…後数時間、だ。

○○しないと出られない部屋、マキカイの場合(カイコク受け)

ドアのロックが解除されてから随分経つのに、来るはずの彼は一向に来ず、マキノはぽつんと置かれた大きめのベッドにその身を沈みこませた。
眠い、と思いながら目を瞑る。
脳裏に思い浮かぶのは先程首筋にキスを落とした時の彼の反応だった。
びっくりするだろうとは思っていたがまさかあんな声を出すとはマキノも想定外だったのである。
彼…カイコクはいつも飄々としているからもっと余裕があると思っていたのだけれど。
『…ちょっと、かわいかった』
ゆっくりと出た答えがそれだった。
そうして、マキノは今回の部屋の内容を思い出す。
今回は【鬼ヶ崎カイコクにキスした場所を責めないと出られない部屋】。
マキノがキスをしたのは彼の首筋だった。
首筋なんてどうやって責めれば良いのだろう。
確かにマキノの十八番は恋愛シュミレーションゲームだ。
しかし、内容としては女の子から告白される、またはこちらから告白してオーケーを貰えばエンディングになるものばかりで、勿論マキノはその先を知らなかった。
だから、どうすれば良いのか分からない。
もっと暗闇に行けば何か分かるだろうか、と意識を沈みこませようとしたその時。
「…かわ、逢河」
聞き覚えのある、柔らかい声が聞こえた。
「…寝てやがんのかい」
小さく笑うその声はどこか安堵を含んでいて。
ぽすりとベッドに腰掛ける彼を、ぐいっと引きずり込む。
「おぅわ?!!」
「…起きてるよ」
ちゅ、と首筋にまたキスをした。
小さく声を上げるカイコクの頭を撫でる。
「…お前さん…っ!ぅ、ひ…っ」
「大丈夫、すぐ、終わるから」
振り向き、焦った声を上げるカイコクにマキノは指を這わせながらそう言った。
それに恨めしそうな表情をするカイコクは絶対にマキノの目を見ない。
今だけではなく、それは前からだった。
何か嫌われるような事をしただろうか、と思っていたがどうやらそうではないらしく。
何故かと一度問うてみた所「…お前さんには悪ぃがな、俺が俺でなくなる気がして…怖ぇんだ」と弱々しげに微笑まれたから、マキノは何も言わない事にしていた。
確か、一度目をじぃっと見られた時、妙な気分になる、と言っていた気がする。
自分の心が自分でコントロール出来ないのは嫌なんだろうな、と思った。
それでなくても、未来しか見ていないカイコクの綺麗な瞳は、マキノには眩しすぎる。
過去を振り返ってばかりのマキノには、過去を捨て自由に生きるカイコクが途轍もなく輝いて見えた。
だからこそマキノはカイコクの首筋に触れたかったのだ、と思う。
彼自身も見えるものではないから。
人目に晒されないそれは、マキノしか見ることが出来ない、特権であるように思えた。
出来れば誰にも見せないで、とマキノは願いながらそこに触れる。
瞳を見る事が出来ないマキノが、彼の首筋に触れたい、他の人に触れさせたくないと思うのはもはや固執とさえ言えた。
「…んぅ、ん…ふ…っ」
…と、目の前のカイコクが声を抑えるように自分の腕を噛み締めているのに気付く。
「…だめだよ。カイコッくんが痛いのは、だめ」
そっと腕を外してやり、代わりに自分の指を口の中に入れてやった。
彼の体が傷付いてしまうのは本意ではない。
綺麗な声をしているのだから聞かせてくれても良いのに、とマキノは漫然と思った。
「…ぅ、あ…や…」
だが、カイコクはふるふると首を振る。
不思議に思い、首を傾げるとカイコクは何やらもごもごと口を動かした。
何度か聞き返したところ、要約すれば「お前さんが痛いのも駄目だろう」ということらしい。
大丈夫なのに、と思いつつ存外に優しい彼に小さく微笑んで、首筋を舐め上げた。
「…ぅうっ!!…ひ、は…はぃ…ひゃぁあっ!」
首を振り、何やら必死に訴えてくる。
「…きたなくない、よ。カイコッくんは、きれい、だから」
「ひゃ、ぁうっ!」
違う、とカイコクが叫ぶが、マキノには何が違うのかが全く分からなかった。
首筋に顔を埋め、いっぱいに息を吸い込む。
シャンプーだろうか、何だか懐かしい香りが広がった。
「…開いた」
無機質な音に、ふと顔を上げる。
ロックが解除されました、という機械音は確かにカイコクが望んでいたもののはずなのに、彼は一向に動こうとしなかった。
「…?」
起き上がり見下ろせば、くったりとしたカイコクがいて。
キャパシティが完全に超えてしまったのか、どうやら夢に逃げることにしたようだ。
静かな寝息を立てるカイコクは綺麗だ、と思う。
いつか、その瞳が見れたら良いな、と思いながらマキノも再び横になった。
背後から彼を抱きしめ、目を閉じる。
年上で、少し意地っ張りな所が…マキノの好きだった人に少し似ている、と思いながら。


「逢河、頼む…離してくんな…逢河ぁ…っ!」
数十分後、夢から覚めたカイコクの悲痛な叫びが響く事になろうとは…マキノはまだ、知らない。

○○しないと出られない部屋、アカカイの場合(カイコク受け)

カシャン、とドアのロックが開いた音を示してからしばらく経った。
別の仕掛けでもあったんだろうかと心配し始めた刹那、ドアの影から黒い服を纏ったその人の影を確認する。
「…今度は入出か」
「はい、入出ですよー」
ほんの少しだけ渋い顔をする彼、カイコクにアカツキはにこにこと答えた。
どういう原理なんでェ、と小さく言う彼に「部屋の原理はホラーゲームをよくやるカリンさんに聞くのが一番かと」と笑ってみせる。
「ところで、随分と遅かったですねぇ。何かありましたか?…カイコクさん」
ベッドから降り、とてて、と近づいて彼を見上げた。
「…別にィ」
ふい、と逸らされる頬はほんのり赤く、目蓋と目元が濡れている。
目蓋が濡れているのは、確か前の部屋にいたアンヤが、一番最初の部屋でキスしたのがそこだったからだ。
この部屋は、【キスした場所を責めないと出られない部屋】、である。
ちなみにアカツキがキスした場所は手首だった。
彼がこんな表情をすることがまずもって珍しく、アンヤ君もやりますね、とアカツキは密かに思う。
勝手にアンヤはそういうことに興味がないと思っていたから少し驚いてしまった。
しかも相手はこのカイコクである。
綺麗な顔立ちだが立派な男だ、アンヤも嫌がったろうに、どうやらカイコクは部屋が合格判定を下す程には責め立てられたようだ。
アカツキには、二人が何をしていたのかは全く知らされていない。
どういうやり取りをして、どうやって責められたのかも。
まあ、意外と絆されやすいのか、煽った手前引けなくなったかのどちらかだろうか、などと考えているアカツキの横をカイコクが通り過ぎた。
「え?あの」
「俺ァさっさと済ませてさっさと出てぇんだ。…とっとと頼むぜ」
きょとんとするアカツキを尻目にベッドに腰掛け、カイコクが着物の袖を捲り上げる。
ムードもくそもないそれに苦笑しつつ、アカツキは彼の足元に跪いた。
「では、失礼して」
意外とほっそりした手を持ち上げ、キスを落とす。
途端に、ぴくんっとカイコクの体が跳ねた。
手全体をもみこむようにやわやわと触り、ちぅ、と吸い付く。
「ん、ぅ」
鼻にかかったような甘い声。
それを必死に押し殺しているカイコクに、何かがふつりと湧き上がった。
舌を出し、その先で突くようにして責める。
そういえば、皺を作れば唇と感触が似ているというのはどの部位だったか。
「…な、なァ…入出…っ?!」
「なんですかー?」
ぼんやり考えながら責め立てていたら上からカイコクの声が降ってきた。
見上げるアカツキに向ける瞳は潤み、どこか余裕がないようにも見える。
「カシャンって…言った……んだが…んっ!」
「えー?そうですか?」
ぽやりとした声に、アカツキははぐらかす答えを寄越した。
「俺には聞こえませんでしたよ?」
「…そ…うか」
それに納得したように再び声を噛み殺すカイコクに、余裕はそれ程残されてはいないらしい。
ふ、と気になってアカツキは一旦責めるのを止めた。
「…?入、出…?」
「ねぇ、カイコクさん。責めたって判断される基準ラインはどこなんでしょうか」
「…どこ、って…」
アカツキのそれに、カイコクが混乱しきった声を出す。
「一定の時間でしょうか。カイコクさんの見た目でしょうか。俺が満足するまで、なんて気持ちはきっと部屋には見えないと思うんです。何か、具体的な…例えば、カイコクさんがイくまで、とか」
「…っ!冗談も大概にしてくんな!!」
アカツキのそれに、カイコクが声を荒らげた。
感情を顕にすることなんかあまりない彼だから、少し驚く。
「…すまねぇ、ちっと…気が動転した」
「いえ。俺も変な事言いました」
アカツキが驚いているのに気付いたのだろう、カイコクが罰が悪そうに言った。
それににこりと笑顔で返し、彼の肩を押す。
「…っ、おいっ…?」
「でも、試してみる価値は…ありますよね?」
不安そうに見上げるカイコクの手首を掴み上げ、見せ付けるようにキスをした。
ゾッとした表情をする彼は…見ていて少し興味が湧く。
カイコクはこの後どうするだろうか。
突き飛ばして出ていこうとするのか諦めて享受をするのか。
はたまた弱々しい抵抗を示すだろうか。
「取り敢えず一定時間、責めてみます」
「…まだ、やんのかい…?」
「ドアが開かないですから。仕方ないです」
カイコクに笑いかけ、アカツキは再び舌を這わせた。
小さく喘ぎ、無意識なのだろう足をバタつかせるカイコク。
彼は知らない。
部屋の扉はとっくに次の部屋へと繋がっていることを。
「カイコクさん」
「…ふ、ぅ…ぁ…っ」
甘ったるい声を押し殺す、彼は知らない。
アカツキが…己に向ける欲望が…いかなるものか、など。


だって、それはアカツキ自身にも分からないのだから。
(ただ、知っているのはカイコクの余裕の笑みを崩してみたい…ただそれだけ)