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へしにょ燭(R-18
1時間目は国語、プリントを黙々とやる。 2時間目は数学、今日は何の課題だったか。 3時間目は英語、案外得意らしい。 4時間目は美術。 「ひっ」 突然ついたテレビに怯える光忠。 流れる絵画に青ざめ後ずさる彼女を俺は捕まえた。 「!は、せべ、…くん」 「ただいま、光忠」 くすくすと笑う。 「今日は水彩画だ」 そう告げて、どさりとソファに押し倒した。 嫌々と彼女が首を振る。 1ヵ月もこんな生活を続けているのだから、 早く慣れれば良いものを。 嘆息しつつも学校から持ち帰った筆をすっと肌に滑らせる。 「ひぅ…!!や、やだあ!!」 「嫌がってないで画面を見ろ。今日は絵画鑑賞だと美術教師が言っていたぞ」 「や、やだ…こんなの、やぁ…」 キツく目を閉じて首をいっぱいに振る光忠。 画面に映っていたのは彼女の痴態だった。 幾枚も途切れることなく切り替わっていく。 「恥ずかしくはないのか?ん?」 「ぁあぅ、やあ…!!!」 否定するように首を振る光忠にお仕置きだとばかり弱い所を責め立てた。 その度に細い躰が面白いように跳ねる。 「ふぁ、あ…やぅ…くすぐった…ひんっ」 胸をたぷたぷと揺らしながらそこを筆で愛撫すると光忠は泪に濡れた目を開いた。 ぽろぽろと零れるそれを筆先で掬い取る。 さんざ、乳首をくすぐってやり、息も絶え絶えになったところで、その穂先をクリトリスへと 向けた。 「いやぁ…ふぇっ、やだっ、やめてっ、やめてぇぇぇ!!」 ロクに抵抗も出来ない癖に彼女は嫌々と首を振る。 小さな突起を押しつぶすとガタガタと震え出した。 切り替わる映像の描写を耳元で囁きながら 花弁を幾度も撫で擦る。 「やあ、も、う…あ、ああ!!!」 ビクン!と大きく跳ねて光忠は絶頂した。 ぎゅうと躰を抱きしめる光忠に「昼飯だぞ」と言う。 のろのろと腰を起こし、キッチンへと向かう 光忠。 素肌にエプロンを付け、料理を始めた。 5時間目の家庭科と前後するがまあいいだろう。 「?!や、何…」 背後から近付いてシンクに躰を押し付けた。 「長谷部くん、やめ…!あぅっ」 「言ったよな?俺は『先生』だと」 「うぅ、長谷部、先生…もうやめ…ひっ」 「口の悪い子はお仕置きだ」 「そ、そんな、ぁ、や、ぁんん!!!」 深く口付け、オリーブオイルを垂らして後ろを暴く。 嫌がる彼女を組み敷き、何度も貪り食った。 前に、後ろに野菜を埋め込んで。 こんなの嫌と泣きじゃくる光忠は煽情的に 思えた。 6時間目は体育だった。 「もう、やめ、て…」 「何を言う。午前中は座学だっただろう?」 ちゅ、と口付け俺はろくな抵抗をしなくなった光忠を寝室へ運ぶ。 「今日はこれだ」 「ぅああ?!!!」 四つん這いにさせて、ぴしゃりとそれを光忠の尻に向かって振り下ろした。 ビクビクと躰を跳ねさせる光忠に何度か打ち付ける。 たぷん、と豊満な乳が揺れた。 小気味良い音を響かせ光忠の肌を打つと段々白かったそれに紅い線が入る。 「ひ、ぅうう!!はせ、べく…!」 「物分かりが悪いな。長谷部『先生』だろうが!」 「…っ、せん、せぇ…!長谷部、せんせ…きゃうぅう!!」 力強く打ち据えてから、嬌声を上げる彼女の 躰をひっくり返した。 痛みに呻いていたがそんな事は構っていられない。 何せこちらも授業だ。 「お前のお仕置きはまた後でだ。…今日の課題を教えてやる」 「…これ、って」 涙に濡れた目で光忠がぼんやりとそれを金の目に映す。 彼女が見ているのは所謂「縄跳び」と呼ばれる代物だった。 両の手首をそれで縛ってベッドヘッドに固定する。 足を抱え上げて2本目の縄を膝裏に通した。 そのグリップにローションを垂らす。 「やだ、なに、ひっ」 怯えた表情の彼女の後孔をくちくちと解し、 グリップを埋め込んだ。 「やめ、やだっ!!入らな…ぅぁあああ!!」 首を振る光忠を無視して奥まで突き入れる。 もう一方のグリップにもローションを垂らし今度は前に手を滑らせた。 散々焦らしたそこにぐぷと音を立ててグリップを埋め込ませる。 「ふやぁぁっ!!」 ビクビクと彼女の躰が跳ねた。 「…あ…うぁ…」 「俺は仕事に行く。会議もないから5時には帰れるだろう。…いい子にしているんだぞ、光忠」 ちゅ、と呆けた表情の光忠に口付け戸を閉める。 光忠は体育が苦手だったから、しっかり指導してやらないと。
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生理止まって怖くなって裸足で薬局まで行っちゃう光忠ちゃん
長谷部先生は光忠ちゃんが妊娠してるとわかったら大事にしてる振りして赤ちゃんおろす薬とか飲ませてるやつ。
へしにょ燭(R-18
書類仕事の合間、一服をしようと外に出る。 体育教官室には誰も来ないとはいえ、流石にまずい。 「・・・ん?」 旧校舎裏の倉庫から、微かに誰かの声が聞こえた気がして俺は止まった。 所謂此処はハッテン場というやつだ。 金の無い学生が入り込んでいることはよくある。 だから、無視して通り過ぎようと・・・したところで。 「・・・すけ、は、せべく・・・!!」 「?!!」 良く知った声。 先程まで、傍にいた・・・これは。 あいつの。 「っ!!!」 怒りに任せてドアを蹴破る。 傍にいた男共を有無を言わさず殴りつけた。 「え」 声の主、光忠を犯そうとしていた雌を蹴り飛ばす。 そうしてケータイを取り出した。 「ああ、俺だ。長谷部だ。旧校舎裏の倉庫、男が3人、女が1人。すぐに来い」 『は?おい、生徒指導か?!理由は何・・・』 電話の主にそれだけ告げて俺は電話を切る。 そうして己の身体を抱きしめてガタガタ震える光忠に近付いて写真を撮った。 「・・・っ?!!や、何・・・?」 「五月蠅い」 『主犯は女』と本文を打ち、画像を添付する。 「はせ・・・?・・・ひっいたっ」 「来い」 怯えた様に見上げる光忠の腕を引っ張って立ち上がらせた。 そのままずるずると引き摺って行く。 「や、やだ、いたぃ・・・!ねえ、服・・・は、長谷部く・・・!」 「・・・黙れ」 「ひっ」 低い声で恫喝するとびくんっと躰を竦ませた。 途端怯え、大人しくなる光忠に俺は低く嗤う。 向かうは今は使われる事の無い、プールに併設してあるロッカールーム。 「な、に・・・?」 不安そうに見上げる彼女に、何も答えず足を踏み入れた。 そのまま無言でシャワー室に突っ込み、蛇口をひねる。 水が彼女に降り注いだ。 「や、つめた・・・ひぃいう!!」 「言え。何をされた」 「・・・え?」 「何をされたんだ!!」 ドン、と壁に押し付ける。 痛い、と小さく呻く彼女のブラウスを乱暴に脱がせた。 「・・・ぅ、あ」 「俺は、これ以上されたくなければ帰れと言った。それを無視し、お前はここにいる。つまり」 恐怖に顔を引きつらせる彼女に笑いかける。 「何をされても、いいんだろう?」 「・・・!!!」 絶望に満ちた顔だった。 金の目が濡れる。 「何をされた。言え」 「ぁ・・・。・・・おっぱい、を・・・揉まれて、吸われ、ぁあああ!!!」 ぼそぼそと告白する光忠の胸を揉みしだき、吸いついた。 いやいやと首を振りながら彼女は喘ぐ。 「あの男共にもこの声を聞かせたのか?さぞかし善かったんだろう?」 「ち、ちがぅ!!痛かった、嫌だったの!!!」 「嘘を吐くな」 「ほ、ほんと・・・きゃうぅう!!」 言葉を紡ぐ彼女が煩わしくて乳首を抓りあげた。 可愛らしい声で喘ぐ光忠を俺は冷たい目で見下す。 「それで?他には」 「・・・足、舐められて気持ち悪かった。それ、から・・・耳も」 「善いの間違いじゃないのか」 小さな声で申告する彼女にせせら笑って俺はその部位に水をかけ、舐めた。 びくびくと躰が震える。 「あのメスには何をされた」 「!!!ぁ・・・お尻、お尻、にいれられ・・・やだ、や・・・っ」 俺の言葉に光忠が怯えた。 アナルの処女は奪われた、その事実が俺の心を冷酷にする。 下半身に手を伸ばし、つぷりと指を突き入れた。 「お尻、やだ、や・・・っこわいの、やだ!!痛いの、やだよぅ・・・!!!」 「黙れ」 周りにこびりついた血液に俺は顔を顰める。 ぐいと足を持ち上げると必死になって抵抗してきた。 それを封じ込め、シャワーの水を当てる。 「やぁああぅ!!!いだぁああ!!!やめ、ひぅうう!!!」 顔を引きつらせ、もがく光忠を無視し、突き入れた指をバラバラに動かした。 悲鳴がだんだん小さくなり、抵抗も収まってきたところで俺はズボンを脱ぎ捨てる。 「お前は俺の物だ。メスなんぞにはやらん」 「ひ、ぅうう?!!や、がっあ・・・!!!ぬ、いてぇええ!!!」 吐き捨て、一気に突き入れ、動かした。 ぬるりとした感触が伝わる。 先程の傷が再び開いたのだろう。 「やだ、い、いたぃ・・・!!はせべ、くん・・・!!!」 「長谷部『先生』だ」 「せ、せんせ・・・長谷部、せんせぇ・・・!!」 ぼろぼろと涙を溢しながら俺に縋る光忠。 ごぽりとどす黒い何かが音を立てた。 ぐちゃぐちゃにしてやりたくて、泣きじゃくる彼女を犯す。 「・・・くっ」 「やぁ?!あ、ぃあぁ・・・!!!あ、つい・・・」 熱を奥に叩きつけた。 彼女の体が大きく跳ねる。 ずるりと引き抜いても俺のそれはまだ立ち上がったままだった。 尻から溢れ出た白いそれがシャワーの水と共に流れる。 「ひ、ど・・・嫌い、だいっきらぁ・・・!!」 体を小さく丸め込んでは泣きじゃくり、俺に言う光忠の・・・もう一方の方に手を伸ばした。 「ひ?!!」 「なんだ、後ろだけで終わると思ったのか?淫乱が」 「や、やめて、それだけは、やめ・・・!!!いやっ!!!!初めて、なの、おねがぁ・・・!!」 「初めて?嘘を吐け。あのメスにやられたんだろう!!」 「違う!!!あの子には、されてない。・・・あの子には、後ろだけ・・・ほん、とに・・・!!!」 ガタガタと震え、目を見開いて俺に言い募る光忠。 この様子は本当か。 つまり。 「処女、か」 小さな声に光忠は頷いた。 ああ、俺にもまだ。
彼女から奪えるものが残っていた。
「丁度いい。俺が孕ませてやる」 「・・・は?何言って」 「孕ませてやると言ったんだ。そうすればお前の全ては俺の物だろう?」 笑って、足首を掴みあげる。 逃げる腰を捕まえ、俺は猛ったそれを突き入れた。 「ひ、くっう、あっがあっ!ひぐうぅんっ!いぎっ!あ゛っ!あぁあ!!!」 首を振って逃れようとする光忠の身体をかき抱く。 みちみちと音が聞こえた気がした。 「もっ、ぐぐぅ、くるしいぃっ、あ゛ぁあっ、ああぅう!」 「まだ半分だ。もっと緩めろ」 「む、むりらぉ、もうっい、やああっ!ああ!がっ!んぐっ!は・・・あああぁ!もう痛いいいい!!抜いて抜いてよおぉ、いやぁだああ゛あっああああっっっ!!」 発狂したように泣き出す光忠を抱き締める。 はぁはぁという荒い息遣い。 「はせ、べ・・・く・・・?」 「先生、だ」 「せん、せ・・・はせ、べ・・・せん、せ・・・!」 「わかるか?ここに俺のが入っている。ほら」 手をお腹に持っていき、ゆっくりと突き入れた。 奥まで埋め込んでゆさゆさと揺する。 「これで全部だ」 「うあぁあっ、いだあぁぐうぅ・・・お腹が苦しいっ、いたいいぃおねがい、いたいから・・・あああぐっ、おくうぅ・・・こわいよぉ奥に入って・・・は・・・ひいぃいづううぅ・・・!!」 「痛みはすぐなくなる。動くぞ」 「待って、ま、ぁ、や゛ぁああああ!!!!」 制止する彼女を振り切り、腰を動かす。 揺さぶるように何度も動かしていれば目の前の胸が揺れ動いた。 思わずむしゃぶりつく。 「やらぁああ!?おっぱい、だめぇえ!!!!!」 ひっくひっくと泣きじゃくり、快楽を享受する光忠。 嬌声にも似た悲鳴が時おり上がった。 「ぁ、ぁああ・・・やぁああ・・・気ぃ狂う・・・!!」 「狂ってしまえ」 頭を抱えて泣きじゃくる彼女に囁く。 怖いと泣く光忠は今まで見てきたどの彼女より美しかった。 そうさせているのは自分だと言う事実に笑みを深くする。 「出すぞ、光忠」 「ひぃう?!!や、やだ、おねが・・・!!!ダメ、赤ちゃん出来ちゃう、はせべく、やら、ねえ、先生っ!!やだ、やだああ!!!」 「孕め」 「や、や、ぁぁあ・・・ああああぁぁぁぁ、っあぁ!!!」 奥に叩きつけると光忠の背が反った。 がくん!と彼女の身体が堕ちる。 ふわりと細い腕が浮いて、そのまま下へと垂れ下がった。 夢のなかへと逃げた光忠を抱きしめる。 漸く手に入れた。 明るくて、気立てが良くて、俺の事が大嫌いな・・・長船光忠を。 「愛してる」 囁いてそっと抱きしめる。 ざあざあというシャワーの水音だけが響いていた。
モブ♀燭♀(R-18
私は見てしまった。 彼女が・・・私の天使があの悪魔とキスしているのを。 天使こと長船光忠は私にとって孤高の存在だった。 偶像崇拝。 それに近しいものはあるかもしれない。 たった一つの、冒せない聖域。 そうずっと、信じていたのに。 「長谷部くんのばかー!」 彼女の鋭い声と共にガラリと扉が開き、パタパタと音が聞こえる。 顔を両手で覆って、駆けていく彼女はそれはそれは可愛らしかった。 ・・・ねえ光忠。 私の天使。 貴女は知らないでしょうね。 悪魔と口付けした貴女を見て私の心に浮かんだのが憎悪でなく歓喜だったという事を。 漸く天使を私とおなじ場所に引きずりおろせると。 私はきっと頭がおかしかったのね。 ああ、やっと貴女を汚せるようになったんだって、そのことばかりを、私は心の底から歓んだのよ。 私は笑う。 くすくすと嗤う。 光忠、私の天使。 ・・・私に貴女を本当に犯せるものが付いていなくて、残念だわ。
「・・・あ、ごめんなさ・・・」 ドンッと彼女がぶつかったのは彼女よりも背の高い男たち。 見上げた光忠を男たちは卑下た目で見下ろす。 「へえ?誰かと思ったら学園のアイドルちゃんじゃん」 「そんな急いでどこ行くんだよ?」 「俺たちと遊ぼうぜ」 光忠を取り囲み、男たちは彼女の手首を掴み上げた。 「いやっ、何す・・・離して!!」 嫌がって彼女は身を捩る。 ニヤニヤ笑う男たちに蹴りを食らわせ、彼女は逃げ出した。 「・・・ぐ、てめぇ・・・!」 「ぶつかったのは僕が悪いけど・・・乱暴はもっとよくないよ?」 光忠はそう言ってスカートを翻す。 強い女性は好きよ。 掴まれただけで泣いてるなんてつまらないわ。 そうでしょう?私の天使。 強い貴女を引き摺り下ろすのが・・・私の願いなの。 「・・・こんにちは、長船光忠さん」 「え?」 私は笑む。 ぽかんとした彼女をすかさず男たちは羽交い締めにした。 「ちょ、や、何?!」 「貴女は私の事を覚えてないでしょう?」 「は?!何が?!っていうか、この人たち、君の・・・!!」 じたじたと暴れる光忠の、顎を指で上に向かせる。 「大丈夫、もう2度と忘れられないようにしてあげてよ」 にっこり笑って私は彼女に口づけた。 「んんぅー?!はぅん、ゃ、ぁん!!」 びくりと震える口内に舌を突っ込み舐めあげ吸い付くし、犯す。 「ふうっ、ぷはっ、げほっげほ!うえっ・・・げほ!いきなりこんなことするなんて・・酷いよ・・・!」 口を離すと酸素を取り込もうと彼女は咳き込みながら涙目で私に抗議してきた。 「もっと酷いことするのよ。今からね」 「ひっ、や、やめっ・・・!!」 くすくすと笑って、怯える彼女に私は言う。 男たちの武骨な手が彼女のブラウスを引っ張った。 ぶちぶちっと音を立ててそれが肌蹴る。 ボタンがそこら中に飛び散った。 「や、やだっ!!!!」 「ほお、すげぇな。アイドルちゃんのたゆんたゆんおっぱい」 「しゃぶりつきてぇ・・・」 「いいわよ。好きにして」 にやにやと下劣な笑みを浮かべる男たちに私は言う。 清楚なブラジャーから零れ落ちそうな胸を曝け出した。 「代わりに下半身には手を出さない。分かっているわね」 「ああ。終わったら貸してくれんだろ?」 「そうね」 私の言葉に男たちは納得したように彼女の胸に手を伸ばした。 「っぁ、い、いや!!!いたぁ・・・!!離し、いや、おっぱい、やだあ!!!」 両側から男たちが拘束しながら彼女の胸を揉みしだく。 いやいやと首を振る光忠に構わず私は座り込み、彼女のスカートに手を伸ばした。 「?!!や、やあ!!!さわんな・・・?!!」 「お嬢さん、今はこっちに集中してもらおうか?」 「ひぃう!!や、らぁあああ!!おっぱい、吸わないで・・・っ!あ、いだいっ!やだあ・・・!!」 首を振る度黒い髪がサラサラと揺れる。 金の目から涙が零れ落ちた。 光忠が男の手に翻弄されている間に私は彼女のスカートを脱がし、下着も脱がせる。 足首で絡まってくしゃりと丸まった。 「ねえ、どうして・・・僕のこと嫌いなのかな、僕何か悪いことしたかっ・・・ひぅっ」 「いいえ、光忠。私はあなたが大好きよ。愛しているわ」 うっとりと言って私は下着を脱ぐ。 「・・・?!ぁ、あ・・・」 「ふふ、驚いた?これはね、ペニパンって言うのよ」 私の股間を凝視する光忠にそう言ってさっと顔の色を変える彼女に優しく告げた。 彼女に悦んでもらえるように標準サイズからは少し大きい。 真珠なんかもたくさんつけた、特注品だ。 「貴女の全てを犯してあげるわ。・・・まずは、こっちから、ね?」 笑って、私は男たちに目配せをする。 それに胸を揉みしだいていた男が彼女の足を持ち上げた。 綺麗なお尻が露わになる。 「や、やだ、はなし・・・!ひぃっ?!」 形のいいお尻を掴んで、撫で擦る。 自分で指を舐め、固いそこに突き入れ掻き回した。 「痛いぃ!痛いぃ!いたいいぃ!!やだ、痛いよおぉ!!やめて、やめてやめてよおおぉっ、助けて誰かあぁ、おねがいだから・・・っ!!」 「助けなんて来ないわ。・・・悪魔には身体を自由にさせる癖に」 「・・・え?なに、やら、ぁ、ああああ!!!」 悲痛な声を上げる彼女から指を引き抜く。 偽物のそれにローションを垂らし、にちゅりと菊門にこすりつけた。 「ゃ、やあ・・・!」 「力を抜いていてね?」 逃げようとする彼女を男たちががしりと拘束する。 暴れる彼女を力尽くで抑え込んだその隙をついて私はゆっくりと挿入を開始した。 ひゅっと彼女の気管が鳴る。 「いっ・・・やあああ!!!!ぬいて、ぬいてぇえええ!!!いぐっ、いだぁあああ!!やぅ、あ、やああ!!!」 痛みに顔を引きつらせ、抵抗する彼女のつつましやかだったアナルは痛々しいほどにびっちりと広がってしまっていた。 「あああぁ・・・痛い、痛ぃ、いたいよぉおっ!僕のお尻、裂けちゃうう!ひい、いぎっ、ああ゛あああぁっ!!」 「ふふ、可哀想にね?大丈夫、大丈夫よ」 絶叫する彼女にそう言って、私は根元まで埋め込む。 一息ついて彼女の頬を撫でた。 「どう?後ろの処女を喪失した気分は」 「い、いたいいぃ・・・!ぬ、抜いて・・・ぬいてくださいいぃ!!もう怖い、怖いよぉ・・・」 ぐすぐすと彼女が泣き喚く。 あら、まだ何もしていないのに。 どうやら私は恐怖対象になってしまったようで、びくびくとこちらを伺ってくる。 そんな目をされたら・・・虐めたくなるのにね? くすりと笑って私はピストンを開始させた。 途端、びくんっと彼女の身体が震える。 男たちは笑いながらも彼女の拘束を強くした。 光忠の怯える顔が見たくて私はがつがつと貪る様に腰を送る。 「あぎいいぃっ、いだいぃ、いだいいいぃ・・・はぐううぅっ!ひ、ひろがっちゃ、うぅっ、お尻がっんあぐううぅ、いやだあああぁっっ!!ひぃぎっいい゛いっいだいってえええぇ!!もう、やめてえぇ!」 「あはははは!!!可愛い、可愛いわ光忠!!私の天使!!」 嫌がって泣き叫ぶ彼女に、音が鳴るくらいに私は腰を打ち付けた。 つぅと赤が流れ出て私は笑みを深める。 破瓜みたいで素敵ね。 実際にこの子の熱を感じられないのはとても残念だわ。 私についているのはただの偽物でしかないのだもの。 「は、ぁ・・・」 散々彼女の身体を楽しんでから私はずるりとそれを引き抜いた。 ぐったりした彼女の躰を横たわらせるように命じる。 「・・・何をばてているの?本番は・・・これからよ」 私は笑んで彼女の頬をぺちぺち叩くとそう告げた。 途端にびくりと躰を揺らして信じられないといった様にこちらを見る。 「・・・う、そ・・・なに、言ってるの・・・ひっくっ・・・やだ、や・・・も、僕、が、がんばったよ・・・もう、も、これ以上・・・ひどいこと、しないで・・・おねがい・・・たすけて・・・ゆるして・・・痛いの嫌ぁ・・・いたいのいやぁ・・・いたいのいやあぁ・・・」 咽び泣く彼女はもう抵抗してこなかった。 その気力がなかったのかもしれないけれど。 私はつぷりと先をめり込ませる。 力なく彼女が首を振った。 「あ・・・ああぁ・・・あ・・・こわい、いだっ、こわいいぃ、こわいいいぃっ」 「大丈夫、何も怖がらなくて・・・」 「・・・すけ、は、せべく・・・!!」 彼女が手を伸ばす。 ・・・赦せない。 まだあの男に縋ろうと言うの?! 「・・・後ろなら、使っていいわよ」 「?!」 「ほう?気前がいいじゃねぇか。じゃあ遠慮な・・・く?!」 ズボンを脱ごうとした男が目の前から消える。 彼だけではなく控え、他を愛撫していた男たちもその場に倒れた。 え、と振り向いた私に与えられる鈍い衝撃。 「ぐっ・・・ぅ・・・」 「ああ、俺だ。長谷部だ。旧校舎裏の倉庫、男が3人、女が1人。すぐに来・・・」 私の意識は沼化に沈んでいく。 それが、光忠を見た最後になった。
へしにょ燭
俺は長谷部国重。 今年からとある高校に勤務となった。 仕事は充実している・・・と思う。 ・・・ある、一点を除いては。 「ねーー聞いてる?」 「なんだ、長船」 頬杖をついてぶすくれた顔をするこの女学生、名を長船光忠。 普段は人当たりもよく教師からの評判も良い。 男子からも人気な女子と言うのは他の女子からは僻まれるものだがこいつはそうでもないらしかった。 「もう、ぜんっぜん聞いてない!」 「お前の話中身ないだろうが」 「長谷部くんほっんと嫌い、大嫌い。しねば良いのに」 心底嫌そうな顔で光忠が言う。 彼女はどうしてか俺の事が嫌いらしい。 ・・・昔は、そうでもなかったんだが。 「はいはい。後、長谷部くんじゃなくて先生な」 「長谷部くんなんか長谷部くんで充分だよ!」 頬を膨らませる光忠。 豊満な胸がたゆんと揺れる。 光忠は所謂幼馴染と言う奴で、昔は「国重兄様」なんてにこにこ笑ってついてきていた・・・が、いつの頃からか俺を避け始め、現在の「長谷部くん大嫌い早くしんで」になった。 理由を聞けば「何で分かんないの?!長谷部くんのばーか!」と言われその態度に苛々するので聞かない様にしているが。 「そういえば、体重測定無様だったらしいな?」 「・・・。・・・長谷部くんそれセクハラ」 光忠が嫌そうな顔を作る。 何時もしている事だろう、と思いつつ手を伸ばした。 「要らん脂肪が多いんじゃないか?」 「ほっんとしんで!!!」 むにむにと揉みしだくと顔を真っ赤にさせて手をはたかれる。 可憐そうに見えて彼女は腕力が男子を抜いてトップだということを忘れていた。 ・・・言えば怒られるからあまり言わんが。 「何をする、犯すぞ」 「長谷部くん、何かあると犯すしか言わないよね」 少し距離を取って彼女がそんな事を言う。 「お前が生意気なのが悪いんだろうが。後、先生と呼べとお前は何度言ったら」 「犯したいなら犯してみれば良いのに〜」 けらけらと彼女が笑う。 「・・・ほう?」 にやりと笑って立ち上がった。 先程と変わって機嫌の良い光忠の顎を救い上げる。 ・・・煽っているのだろうか。 「へ?」 ぽかんとする彼女に触れるだけのフレンチキスを一つ。 「これ以上されたくなければ帰れ」 耳元で囁いて離れると呆然と見上げていたが、ぷるぷると震え出した。 真っ赤になりがたんっと音を立てて立ち上がる。 「長谷部くんのばかー!」 外まで響く声で光忠が怒鳴り、バタバタと体育教官室から出て行った。 ・・・少しやり過ぎただろうか。 ゆるむ顔を押さえ、俺は書類に向き直る。
・・・俺たちの事を、誰かが見ていたとは・・・知らずに。
学生パロディ(へし燭SSS・ワンドロお題)
「タイム!9秒65!」 大和守安定の声が背後から聞こえ、俺は汗をぬぐう。 少し前より縮まったようだ。 「お疲れ様、長谷部くん」 柔らかな声に振り向くと、にこりと微笑みタオルを差し出す・・・長船光忠がいた。 彼は同じ学年の調理部で俺の・・・幼馴染『だった』。 とある事案がきっかけで俺たちは『幼馴染』という関係をやめ、『恋人』になった。 つい数時間前の出来事だ。 「長ふ・・・。・・・光忠」 「長船で良いのに」 くすくすと笑う光忠。 「俺が呼びたいからいいんだ」 「そっか。・・・えっと、じゃあ僕も変えた方がいいのかな?く、国重くん、とか・・・?」 こてりと首を傾げて言う光忠の肩をがしっと掴む。 「っ?!や、な、なに?!」 「あ、いや、すまん。・・・無理に変えなくてもいい」 びくんっと体を竦ませて怯える光忠に俺は言って笑みを向けた。 ・・・思った以上に心臓に悪い。 顔は、赤くなっていないだろうか? 「う、うん。分かった」 「着替えてくる。待ってろ」 うん、と頷く光忠の頭を撫で、俺は部室に向かって駆け出した。
急いで着替えてきた俺だったが、光忠はその場に居なかった。 ぞわりと背に寒気が走る。 辺りを見回し、走り出そうとした・・・ところで。 「長船先輩のはちみつ檸檬美味しいですよね〜」 「ありがとう、安定くん」 「ずるい、俺も欲しい」 「お前陸上部でもないのに何言ってんのってかお前も料理部だろ!!」 「・・・何やってるんだ、お前ら」 「あ、長谷部君」 ぱ、と明るい顔をした光忠が俺の方を向く。 隣にいるのは陸上部のマネージャーである1年の大和守と光忠と同じ調理部の、同じく1年の加州清光だ。 「はちみつ檸檬ね、作ったの持ってきたんだよ」 長谷部君に食べて欲しくて、と笑む光忠。 いつも見ている顔だが今日は特に可愛かった。 思わず笑みがこぼれる。 「・・・。・・・安定どうしよう。長谷部がいつも以上に気持ち悪い」 「ちょっと、失礼だよ。否定はしないけど」 「おい、お前ら」 隣で繰り広げられるひそひそ話に突っ込むと「だあってさあ!」加州がぶすくれた。 「昨日までそーでもなかったじゃん!!前から仲良いなとは思ってたけど!」 「え、そうなの?」 加州のそれに光忠が首を傾げる。 ・・・自覚無かったのか。 それはそれでショックなんだがな。 「っていうかなんなの?付き合ってるの?」 「そうだが」 ぶすくれる加州にそう言うと、二人揃って驚いた顔をした。 「え」 「は」 「・・・。何だ、その反応は」 加州は兎も角大和守までその反応をするとは思わず、思わず言う。 「いや長谷部先輩、付き合うとかそう言う考え有ったんだなって」 「どういう意味だ、それは」 大和守のそれにぐいと詰め寄ると誤魔化すように笑った。 ・・・ったく。 「長船さん、長谷部選ぶとかほっんと趣味悪すぎ!!安定のがよっぽどマシ・・・いったぁ!!!」 光忠に詰め寄る加州・・・それに手刀をかましたのは大和守だ。 「誰が誰のマシレベルだって・・・いたっ」 「マシと言うなマシと」 頬を膨らませる大和守に今度は俺が手刀を食らわせる。 全く、失礼な奴らだ。 「ふふ。長谷部君は素敵な人だよ?優しいし格好良いし」 「・・・。光忠」 微笑む光忠の言葉に俺は思わず手を伸ばす。 え?と言う顔をした光忠に顔を近付けようとし・・・二人分の溜息に身を離した。 「あーやだやだ。お熱いんだから」 「清光、帰ろ。邪魔しちゃ悪いよ」 「そーね。・・・あ、パフェ食べにいこ」 「えーやだよ。なんでお前と二人で・・・」 ぎゃんぎゃんと言い争いながら二人が帰っていく。 ・・・明日、テストだって言ってなかったか?あいつら。 「仲良いよね」 「そうだな」 くすくすと肩を揺らす光忠。 そっと引き寄せ、触れるだけのキスをする。 そのまま抱き締め・・・ようとしたところで彼が震えているのに気付いた。 「俺も・・・怖いか」 「・・・うう、ん・・・。大丈夫」 弱弱しい顔で光忠が笑む。 無理をするなと言って離れると彼は小さく「ごめんね」と言った。 「お前が謝ることはないだろう」 「・・・うん」 頷きながらもどこか申し訳なさそうな光忠の頬を撫でる。 彼が謝ることはない。 俺がもっと早ければ。 「なら、俺から頼みがある」 「え、うん、何?」 「インハイが終わったら・・・俺とデートしてくれないか」 「・・・い、いよ?」 「本当か?!」 「うん」 俺のそれに光忠がはにかむ。 幸せだ。 もっと早くこうすればよかった。 今更悔やんでも仕方ないけれど。 ・・・過去を悔やむよりも今彼に幸せでいて欲しいと、俺はそう。 「インハイ、頑張ってね」 「ああ、無論だ」 にこりと微笑む光忠に俺は答える。 「お前が応援してくれるからな」 「長谷部くんったら」 くすくすと笑う光忠を抱きしめたくて、手を彷徨わせた挙句・・・黒い髪に手を伸ばした。 するりと指を通しそのまま下へ。 「帰るか」 「・・・うん」 手を握る。 光忠がふわりと笑む。 幸せだと、そう思った。
付き合ってない長谷部とにょた光忠ちゃんが一緒にお風呂に入る話
ぼんやりとPCの画面を見ていると丁度光忠が風呂に入ったところだった。 半身浴は体にいいと言ったことを守っているのかお湯は全体の半分くらい。 「♪」 機嫌がいいのか鼻歌付きだ。 「えっと・・・」 躰を洗っていた光忠の手が止まる。 豊満な胸をたゆんと揺らし、おずおずと両手で持ち上げた。 「こう?かな??」 もにゅもにゅと自分で胸を揉んでいる。 何をやっているのだろうか。 「うーん、よく分からないなあ」 首を捻りああでもないこうでもないと手を動かし続ける。 ・・・ああ、なるほど。 暫く見て気付いた俺は充電していたスマフォを手元に引き寄せ、lineを送った。 風呂場の外でスマフォが鳴り、光忠はこてりと首を傾げて風呂場から出ていく。 と、俺のスマフォが鳴った。 『光忠:本当?!今お風呂に居るんだ。教えてよ!』 無邪気なそれに俺はほくそ笑み、立ち上がった。
『自分:今どこだ。胸に効くマッサージがあるとテレビでやっていたが実践してみないか?』
勝手知ったる他人の家と、俺は鍵を開け光忠のアパートに入る。 廊下を突き進み目指すは風呂場だ。 脱衣所で服を脱ぎ捨てからりと戸を開ける。 「わ、長谷部君!」 「すまん。・・・躰にいい入浴剤を探すのに手間取ってな、遅くなった」 振り仰ぎ驚く光忠に言って俺はそれを湯の中に入れた。 白濁色にゆうるりと染まる。 「外だと風邪をひく。来い」 「・・・うん」 一足先に湯に入り、手を伸ばすとこくりと頷いた。 こいつのこういう警戒心のない所は好ましいな。 ちゃぷんと音を立てて入ってくる光忠を膝の上に乗せる。 「まず両手で押し上げるんだ」 Gカップはあろうかと言う豊満な胸を持ち上げてむにむにと揉みしだいた。 ぴくんと光忠が震える。 「此処の下の部分を指で押すと・・・どうだ?」 「あ・・・うん、気持ちい・・・」 実際にあるツボを押すとうっとりと光忠は目を閉じた。 それからマッサージと称し下から上に持ち上げるように両乳房を動かしたり、谷間に寄せるように左右から圧迫したり、包み込むように両手を添え、円運動させるようにぐにぐにと回したりを繰り返す。 「ふぁ、あ・・・はせ、べく・・・?」 「どうした?」 「な、なんか、変・・・!」 ふるふると首を振って困ったように光忠が進言してきた。 「変、とは?」 「ん、わかんな・・・あぁう!!」 びくんっと体が揺れる。 胸の中心にある乳首が固くなっているのを見て俺は指ではじく。 「ひ?!!」 「ああ、すまん。ここは手でやるよりな・・・」 「やぁう?!!な、なに!!」 「・・・舌でやった方がいいらしい。どうだ?」 ちゅ、と吸いついて顔を覗き込むと彼女は「分かんない・・・」と顔を真っ赤にさせて俯いた。 「なら分かるまでやってやろう。手でやるのとどちらが良いか言え」 「ひや?!!や、ぁ、ああぅ!!あぁ・・・!!」 一方は舌で転がし、もう一方は指で捏ね繰り回す。 どちらの愛撫にも翻弄されてるのだろう光忠が跳ねる度に湯がぱしゃぱしゃと音を立てた。 たっぷり5分舌で指で楽しんだおれは顔を上げる。 ぐったりとした光忠が涙目で俺を見ていた。 「は、はせ、べく・・・」 「どうした?気持ちよくなかったか?」 「ぅ・・・あ・・・」 「・・・ああ。片方ずつだったからな。今度は反対側もしてやろう」 「・・・ぇ?や、ぁああ!!」 俺は捏ね繰り回していた方にむしゃぶりつき、舐めまわしていた方を指で挟む。 ぱしゃり、ぱしゃり。 湯の跳ねる音。 「長谷部く、はしぇべく・・・!!」 縋る光忠にもう片方の手で応える。
・・・本当にこれがマッサージだと思っているのだろうか。
悪戯(へし燭SSS・ワンドロお題)
収穫祭。 万聖節の前日、元々はその年の豊作を願う祭りだった・・・と聞いていたのに。
「あ、長谷部さん」 「え?へし切?」 「・・・長谷部君!」 「・・・。・・・何をしてるんだ、お前らは」 三種三様の反応を返す彼らに長谷部は思わず呆れた声で問いかける。 振り仰いだ安定は白い羽に白い衣装・・・所謂天使というやつ・・・の恰好、眉を顰める清光は黒い羽根に黒い衣装・・・所謂悪魔というやつ・・・の恰好、ぱあ、と表情を輝かせ、座り込んで二人を着つけている光忠は黒い三角耳に燕尾服の間から覗く同色の尻尾、というそれだった。 「何だそれは」 「へし切見て分かんない?・・・仮装だよ。今度収穫祭あるじゃん、その準備」 長谷部の疑問に答えたのは清光だ。 彼は『可愛い恰好ができる』というだけで機嫌が良いのだろう。 「長谷部さんは狼男とか似合いそうですよね」 「やらん」 安定が笑うのに長谷部は嫌そうな表情を隠さずに言った。 「ふふ。長谷部君嫌いそうだもんね。・・・はい、出来た」 にこ、と光忠が笑む。 「ありがと、燭台切さん!」 「光忠さんありがとうございます!・・・行こう!清光!」 「わ、ちょ、待ってよ!!安定?!」 珍しく二人とも楽しそうで、思わず長谷部も光忠と微笑ましく見送った。 まあこういうのもたまにはいいだろう。 ・・・巻き込まれるなら全力で拒否するが。 「・・・。・・・ね、長谷部君」 「あ?」 同じように見送っていた光忠が座り込んだ状態でこちらを見る。 長谷部にとって自分より目線の低い光忠は新鮮で、尚且つ懐かしかった。 「収穫祭では色んな家にお菓子を貰いに行くんだって」 「ほう」 「それで、貰う時にある台詞を言うらしいんだけど・・・」 そこまで言った光忠は悪戯っぽく笑い、両手を差し出す。 「悪戯かお菓子か!」 上目使いでにこっと笑う光忠。 ・・・煽っているのだろうか。 「ほら」 「・・・あれ?」 その手に飴玉を一つ置いてやると光忠が首を傾げた。 「なんだ、悪戯したかったのか?」 「え、いや、そうじゃないけど」 不思議そうな光忠に小さく笑って言えば彼は飴を見つめて困ったように言う。 「長谷部君が甘いものを持ってたのは意外だなって」 「持ってなかったらどうするつもりだったんだ?」 可愛らしい笑みを見せる光忠に疑問をぶつけると彼はうーんと考えるように上を向いた。 「悪戯・・・。・・・えいっ」 「うわっ」 「え、うわああ!!」 座り込んだままの光忠が長谷部の服をぐん、と掴み、急な事に踏鞴を踏んだ長谷部は光忠に覆い被さる様に倒れ込む。 すさまじい音が辺りに響いた。 「・・・ごめん・・・」 「この、馬鹿力が・・・!」 「うぅ、ごめんってば・・・」 じろりと睨むと長谷部の下の光忠が小さく謝る。 黒い耳がぴくりと動いた。 「・・・燭台切、お前、これ・・・」 「・・・え?ああ。本物だよ。なんでも主の悪戯?みたい」 「・・・主・・・」 光忠のそれに長谷部は頭を抱えた。 ・・・今の主は悪い人ではない・・・のだけれど。 「長谷部君?」 「・・・燭台切、お前菓子は?」 「え?あ、はい」 こてんの首を傾げる光忠に聞けば彼は差し出した手に甘食を一つ乗せた。 「さっき作ったんだ」 「そうか」 機嫌の良い光忠ににやりと笑って甘食を齧る。 「長谷・・・んんぅ?!!」 きょとんとする光忠の口に齧り取ったそれを舌で入れた。 そのまま口腔を貪る。 「んふ、ふぁ、ぁうん、や、はしぇべくん・・・?ひっ」 とろんとする光忠の黒い尻尾を握り、うにうにと手を動かした。 「やぅ、や、ぁ、ひぃう!!」 「ほう、感覚があるんだな」 いやいやと首を振る光忠に長谷部はくすくすと笑う。 「な、んで・・・?ぼく、お菓子渡し・・・ぁあう!!!」 「ああ、俺はその台詞とやらを言っていなかったな?」 涙目の光忠に笑い・・・長谷部は黒い耳に息を吹き込んだ。 「ふ、ぇ・・・?」 「覚悟しろ。・・・光忠」 ひぃ!と躰を大袈裟にびくつかせる光忠にくつくつと笑い・・・長谷部は囁く。
「trick but treat」
オニアソビ 長谷部サイド(へし燭・R-15
とある本丸、その離れから向かう廊下で、燭台切光忠が重い足を引きずっていた。 負傷した…とはまた違う。 どちらかといえば負傷「させた」。 誰が?そう、他でもない、長谷部自身が。 「…何処に行こうと言うんだ?光忠」 「…は、せべく…!」 ゆっくりと姿を見せると光忠が怯えた顔を見せ慌てて踵を返した。 その足に己の足を掛け転ばせる。 振り仰ぐ光忠を冷たい目で見降ろした。 逃げる度にさんざ仕置きをしてるのに何故わからないのだろう。 「相変わらず懲りんやつだな。昨日散々犯してやっただろうに。まだ分からないのか?」 「…分からないのは君の方だよ」 「…何?」 光忠の小さな呟きに長谷部は眉を動かす。 此処に閉じ込めるようになってどれくらい経ったか。 元の生活に戻りたいと光忠は脱走を繰り返していた。 何故そんな無駄な抵抗を繰り返すのか長谷部には分からない。 この部屋で大人しくしていた方がずっと幸せなのに。 「言ったよね?僕は抗って見せるって。僕は君から逃げてやる、絶対!」 光忠が長谷部を睨む。 その後もこんな生活は真っ平だと切々と訴えてきた。 このやり取りも何度目だろう。 「なんだ?光忠、鬼ごっこがしたかったのか?いいだろう。今から10数えたら追いかけるからな。俺から逃げ切れたらお前の勝ち、そうじゃなければ俺の勝ちだ。もしお前が負ければ一生この部屋にいるんだぞ」 笑って、長谷部は光忠に告げる。 胡乱気に見上げる彼にそれを言ったのは最早賭けだった。 彼がそれに乗ると思えない。 こんな、光忠自身に多大なる損害を被る提案なんて。 呆然とする光忠に待っていろと告げ、手入れ部屋に入れ傷を癒した彼の本体を渡す。 「…僕を舐めるのも大概にしてくれるかな?いいよ、君から逃げきれればいいんだろう?僕が勝ったら二度と付き纏わないでくれ。じゃあ行く、よ!」 光忠がこちらを睨んで思い切り駆け出した。 嗚呼、なんて愚かな! 「…ろく、ご、よん」 (本当に乗りおった。馬鹿な奴め、鈍足でこの俺に勝てるとでも…?) くすくすと長谷部は笑う。 「さん、に、いち」 (今からお前の絶望する顔が楽しみだ) 誰もいない部屋に長谷部の声だけが響く。 「ぜろ」 (さあ、鬼ごっこの始まりだ。燭台切光忠) 終わりの合図を告げ、長谷部はゆっくりと歩きだした。 どうせ彼は長谷部に敵わない。 機動力はこの本丸最大だ。 (ここか?ここに隠れてるのか?楽しいな光忠…。お前の逃げ道がどんどんなくなっていくなぁ) 笑って、ゆっくり一つ一つ扉を開けていく。 彼が隠れられそうな押し入れ、天袋、茶箪笥、一つずつ。 (光忠〜ここか〜?馬鹿だな、刀剣男士が主なしで本丸から出られるわけないのにな。ほらほら、早く逃げないと追いついてしまうぞ) ゆっくり歩いていたがふと嫌な予感が頭を過った。 過去に自分が犯した唯一の過ち。 この本丸に顕著する前、己が大太刀と呼ばれた時代。 長谷部はまだ号の無かった光忠を戦場に連れ出した。 主の許可なく、ただ彼とそこから離れたくて。 …結局のところそれが叶うことはなかったのだけれど。 (燭台切光忠、まさかお前は主を捨て置いて逃げるような刀ではないよなぁ…?それに俺が使った手法が俺に効くとでも?笑わせるな) ぎり、と前を睨む。 あの光忠が主を置いていくとは思えない。 ふと廊下に何かが落ちているのを見つけた。 …これは、彼が身に着けていたものだ。 嗚呼、と長谷部は空を仰ぐ。 (それがお前の答えか燭台切、やはりあの時お前を暗い部屋から出したのは間違いだったな。伊達のもとでいらん知恵をつけたか小賢しい) 織田に居た彼が貰われていった先で号を承った。 あのままで居れば綺麗な笑みを保っていたのにと思うがもう遅い。 (反抗ばかりして、外になんて出さなければよかった。何も知らず、感じず人形のように澄ましているお前はそれはそれは美しかったな。いや、今からでも遅くない。俺と一緒に帰ろうな) 笑って、最後の扉を開ける。 焼却炉のもっと奥、小さな門の前に光忠を見つけた。 本丸を出る気か。 ふつりと怒りが湧いてくる。 こんなにも…愛しているのに。 「光忠ァ!!!!」 「…長谷部、くん」 怒鳴り声にびくんっと体を竦ませ光忠が振り仰ぐ。 引きつった顔の彼に無理やり笑みを作って近づいた。 「光忠、おまえばかなやつだなあ。どんなに逃げたつもりでもおまえはここに帰ってくる。そういう運命なんだよ。逃がさないと言っただろう?さあ、どうする?その扉の鍵はもう飲んでしまったぞ?」 長谷部は己の喉元を差した。 光忠がはっとして門を見る。 顔を顰め、それからゆっくりと長谷部を見た。 「ねえ馬鹿なの長谷部君。僕らは刀だよ。鍵がないなら扉を壊せばいい。僕は長谷部君の思い通りにならない。言ったよね?君に振り回されるなら僕は…死ぬ」 刀をすらりと抜いて光忠はその扉を破壊した。 そのまま黒の着流しを翻し西に向かって、走る。 長谷部はその後ろから追いかけた。 果ての無い、オニゴッコ。 「知ってる?長谷部君。刀ってね、破壊されると塵も残らないんだって!戦って刀として…君に振り回されることなく死ぬ、なんて理想だよね」 「お前のそういうところを好ましく思うよ。みすみす破壊させるわけはないがな」 言いながら手を伸ばした。 それを光忠がひらりと躱す。 「あは、何のために逃げてるか分からないじゃないか。君に破壊されるところを助けられるなんてさ!!長谷部君のそう言うところが嫌い。大嫌い」 吐き捨てるように言う光忠に長谷部はくすくすと笑った。 「素直じゃないな。本当に仕様がない男だ。ならもう逃げなければいい。戻ってこい」 「戻って来いと言って戻ってくるとでも?じゃあね、長谷部君。もう二度と会うことはないだろうけど」 今度は光忠が笑って見せ、そう告げる。 途端、長谷部はぴたりと止まった。 今、何と言った? 二度と戻ってこないと? 「おい、光忠。頼む戻ってきてくれ。俺とお前とずっと楽しく生活してきたじゃないか。これからもきっと楽しい、そうだ、そうに決まっているだろ?」 長谷部の言葉に大きく距離を取って光忠も止まる。 「ふふ、傲慢なところ、ほんと前の主そっくり。君が楽しいからって僕が楽しいとでも思ったんだ。…さようなら。来世は僕のいないところで幸せになってね」 にこ、と笑う光忠に長谷部は顔を伏せた。 その隙に彼がまた一歩大きく下がる。 「そうだな、確かに俺は傲慢だ。俺はお前と一緒にいて楽しかったが、お前は楽しくなかったんだな。すまなかった。お前がいない世界で幸せになるくらいならお前を思って不幸になる方を選ぶよ」 笑みを作って手を伸ばした。 苦しそうな表情で光忠が首を振る。 「僕の幸せを思うなら僕から離れて。もう僕に構わないで。君が不幸になろうがもう僕には関係ないんだから。…僕を…自由にして」 吐露するように光忠が言った。 …何故そんな事を言うのだろうか。 よく分からない。 「すまない光忠、お前を手放すことはできないな…。自由?刀の俺達が自由だって?光忠は変わってるな。自由なんてどこに行こうとあるわけないのにな」 くすりと長谷部は笑う。 面白い事を言うんだな、と思った。 「僕にとって君がいない世界は自由と同義だよ。伊達に行った僕がどんな思いだったか知らないでしょう。僕を捕まえようと躍起になってる君は、ね」 「ああ、知らんな。俺はお前ではないからな。お前が逃げなければ俺だって躍起になって捕まえようとはしないさ」 困ったように笑いながら長谷部は手を伸ばす。 顔を顰めて光忠がそれから逃げた。 「君が追いかけてくるから逃げるんだろう。君が放っておいてくれたら僕は平穏無事に過ごせるのに。君が追いかけてくるから僕は僕を殺すのに」 「いつまでも待つだけの男でいるのはやめんたんだ。欲しいものは自分で動いて手に入れてこそ、そうだろう?光忠」 「強欲だよね。君、そういう所変わらない。でもね、奪われるだけの僕はもういないんだよ。手に入れられない、目の前でいなくなる恐怖を知ればいい」 光忠はそう言って笑い、いつの間にか潜んでいた敵陣に対峙する。 無粋な奴ら。 思わず舌打ちをし、連絡用の文を飛ばした。 こうなったら手段は選んでいられない。 「なあ、どうしてそんなにわがままをいうんだ?なんだって叶えてやっただろう?いい子だから聞き分けてくれ」 宥めるように光忠に話しかけた。 忌々し気に光忠が此方を振り仰ぐ。 「僕の意見なんか聞いてくれた事ないくせに。なんでも叶えてくれるって言うなら僕を自由にさせて。それが嫌なら…僕は自分で命を絶つよ」 「ほんとうに手間がかかるな、お前は。もう帰ろうな、きっとつかれてるんだろう」 長谷部は笑む。 そうだ、きっと久しぶりに外に出たから疲れているだけだ。 だからこんなおかしなことを言うのだろう。 「長谷部君って本当に僕の話を聞いてくれないよね。じゃあ僕も長谷部君の話を聞かない事にするね。ばいばい、さようなら」 優しく微笑み、光忠が本体を捨てて敵の前に躍り出る。 斬りかかろうとした敵に向かって長谷部は駆け出し、斬った。 呆然と見上げる光忠に怒鳴る。 「この大馬鹿者が!!どうしてこんなことをした!答えろ燭台切!!」 「どうして庇うの。僕は君から離れたいだけなのに…!!」 問い詰めようとする長谷部を振り切って走り出し、光忠が槍兵の前に飛び出す。 しまった、油断した。 思った時にはもう遅く彼の躰は傾いでいた。 「馬鹿な真似を…この失血量だと抵抗もできんだろう。おい!こいつを縛って手入れ部屋にでも転がして…?!」 抱えた光忠の傍に落ちていた彼の本体にぴしりとひびが入る。 まさか。 白い光が彼の躰を包む。 文を拾ったのだろう、後を追ってきていた本丸の誰かが声を上げた。 失踪した燭台切光忠の刀剣破壊。 てんやわんやになる現場でうっそりと長谷部が微笑んだのに誰も気づかない。 (馬鹿め…ひとつだけ隠しておいた御守りをお前につけておいたんだ。意識がない今の間にまた部屋に閉じ込めて…これで何もかもまたうまくいくな、光忠…)
部屋の前で小さく息を吸う。 からりと襖を開けた。 驚いたように光忠が此方を見る。 「…は…せべ、く…???なん、で…?!!!ひ、ぐぅ、ぁああ?!!!」 「おはよう光忠。いい朝だな、体の調子はどうだ?ああ、無理に動かない方がいい。お前がまた無理をしないように脚の腱は切っておいてやったからな。大丈夫だ、お前は何も心配せずにこの部屋にいればいい」 逃げようとして倒れ込んだ光忠に長谷部は笑う。 …これは、綿密に練られた計画だった。 この鬼ごっこは長谷部が拉致した光忠が「破壊され」二度と本丸に戻れない様、仕組んだ巧妙な罠だった。 光忠が頭を抱える。 混乱しているのだろう光忠の頭をゆっくり撫ぜた。 嗚呼、笑いが止まらない。 「かわいそうに…痛いなあ。大丈夫だ、俺のお守りをこっそり持たせたことは誰にも言ってないからお前はもう折れたことになってる。内番も出陣も何もしなくていいんだぞ。…前の様に、な」 ゆっくりとそう囁く。 長谷部は知っていた。 彼がこうなる事を。 …知っていて敢えて光忠に希望を見せた。 「…なんで…?!!…いや、いやぁああ…!…え、して…返し、て…返せよ!!!僕の自由を返せ!!!!」 ぼろぼろと涙を溢し、光忠が長谷部に掴みかかる。 無様だなとぼんやり思った。 「自由なんて無くても大した問題じゃないだろう…俺がずっとそばにいる、何だってしてやる。だから俺を見てくれ」 そっと囁くのに光忠は聞こうとすらしない。 何故、と顔を歪ませる。 幸せにしてやると…言っているのに。 「…いや、いや………ぼ、くは…僕は、みんな、の、いる本丸に戻りたぃ…!!!ぅあああああ!!!!」 勢いのまま長谷部の本体を奪い取った光忠が己の躰に刀を突き立てる。 流れ出る赤。 「馬鹿なやつ…。本体が無事ならいくら傷ついても、全身の血を抜かれても俺たちは死ねないのに。本体はほら、あそこに掛かってるぞ。もっとも、お前のその脚じゃたどり着けないだろうがな…」 長谷部は笑いながら指を差した。 「は、はは…そ、れは……どうか、な!!!!」 言いながら光忠は刺したそれを引き抜き、ヒビが入った本体に向かって長谷部の本体を投げる。 「お前は投石ができないからなぁ。もっとコントロールの腕、磨いた方がいいんじゃあないか?」 せせら笑いながら投げた本体を叩いて長谷部は軌道を変えた。 かん、と音を立てそれが落ちる。 驚いたように見上げる光忠が可愛らしくてならなかった。 「…!!…ははっ、知らなかったかな?ぼ、くは、君より生存率高い、ん、だよ!!」 強気に言った光忠が彼自身の本体に向かって走り出す。 愚かしい、と言いながら長谷部はその足を踏みつけた。 光忠が無様に地に伏せる。 「もう諦めろ」 「…まだ、だ」 囁く長谷部に言い返し、光忠が地に堕ちた長谷部の本体を掴み上げそれに力を込めた。 めきりと音が聞こえる。 …まさか。 「ぅぐぁ…ぁああああ?!!!!!き、さま、光忠ァあああああ!!!」 痛い、と思ってからは早かった。 耐えようもない痛みが長谷部を襲う。 白い光の外で、光忠が何かを言っていた。 こんな所で死ぬのか、と目をつむった…刹那。 「…あ…?」 ふっと光が溶けた。 身体を見れば何処にも傷がない。 …嗚呼、これは。 「ふは、ははははは!!!!!神は俺に味方した!!!!!」 思わず笑う。 その高揚感のまま光忠に近付いた。 気付いていないのだろう、振り下ろそうとした光忠の腕を掴み上げる。 「?!」 勢いよく振り仰ぐ光忠ににやりと笑いかけた。 「…な、んで、君…」 「守り札を付けていたのが自分だけだと思ったのか?」 呆然とする光忠の手からからんとそれが落ちる。 勝った、と思った。 「ぃ、や…ぃやあああああああああああぅううんっ!!!!」 悲鳴を上げる光忠の口を塞ぐ。 長谷部の、笑みを張り付けたそれで。
勝ってうれしい花一匁
あの子が負けたらどうなるの?
あの子は神さんの元へお嫁に行くの
ほうら、後ろの正面だあれ?
オニアソビ 光忠サイド(へし燭・R-15
とある本丸、その離れから向かう廊下で、光忠は重い足を引きずっていた。 負傷した…とはまた違う。 どちらかといえば負傷「させられた」。 自分をこの部屋に閉じ込めた男によって。 「…何処に行こうと言うんだ?光忠」 「…は、せべく…!」 突如として現れた彼に怯えた顔を見せ慌てて踵を返した。 刹那、べしゃりと体が地に伏す。 振り仰げばへし切長谷部が此方を冷たい目で見降ろしていた。 「相変わらず懲りんやつだな。昨日散々犯してやっただろうに。まだ分からないのか?」 「…分からないのは君の方だよ」 「…何?」 光忠の小さな呟きに長谷部が眉を動かす。 此処に閉じ込められるようになってどれくらい経ったか。 元の生活に戻りたいと光忠は脱走を繰り返していた。 折られた足はまだ痛むがそれでも尚元の生活に戻りたかった。 皆で出陣して、手入れをして、食事を作り、会話をし、笑い合う、そんな当たり前の生活に。 「言ったよね?僕は抗って見せるって。僕は君から逃げてやる、絶対!」 光忠は長谷部を睨む。 長谷部は嘗て光忠が愛していた男であり、光忠を閉じ込めた張本人だった。 こんな生活は真っ平だと切々と訴える。 「なんだ?光忠、鬼ごっこがしたかったのか?いいだろう。今から10数えたら追いかけるからな。俺から逃げ切れたらお前の勝ち、そうじゃなければ俺の勝ちだ。もしお前が負ければ一生この部屋にいるんだぞ」 にやりと笑った長谷部が珍しくそんな事を言った。 何を考えているか分からない。 そんな…捕えた獲物をみすみす逃す真似をするなんて。 脱走をしたときはあんなに怒り狂ったのに、何故。 真意を探っていたがさっぱり分からなかった。 それでも与えられたそれを無下にできないと光忠は立ち上がる。 待っていろと言われ、暫く後帰って来た彼から傷の癒えた本体を渡された。 そう言えば足はもう痛くない。 …何を、考えているのか。 「…僕を舐めるのも大概にしてくれるかな?いいよ、君から逃げきれればいいんだろう?僕が勝ったら二度と付き纏わないでくれ。じゃあ行く、よ!」 睨んで思い切り駆け出す。 数を数える長谷部の声が聞こえたがもう構っていられなかった。 (あは、長谷部くんに足の速さじゃ負けるけど隠れてしまえばこっちものだよね!長谷部君の思う通りにはさせないから) 機動おばけと言われた長谷部に足では敵わない。 勿論それはわかっていた。 だからこそ素早く隠れ、息をひそめる。 (絶対に逃げきって、僕は僕の生活をするんだ。要は長谷部君から見つからずにこの本丸から出ればいいんだから、ここさえやりすごせば…!!) 辺りを見回し、再び走り出した。 恐らく彼が知らない方へ。 …きっと彼は光忠が外へは出ないと思っているだろうから。 (長谷部君は知らないでしょう?本丸の抜け穴を。主がいなくても逃げ出すことは出来る。昔君が『長谷部国重』だった時代にやったんじゃないか) くす、と自嘲気味に笑う。 光忠にまだ号がなかった時代、一度だけ外に連れ出されたことがあった。 それをしたのが大太刀だった長谷部国重だ。 光忠に光を教えたのは長谷部だった…それなのに。 (誰だって自分の身が可愛いじゃないか。今の主には悪いけど…僕は逃げるよ。…君が僕を変えた癖に。君が僕を暗い部屋から出した癖に今度は君が閉じ込めるの) 息を整えながらぎゅっと己を抱きしめた。 主には悪いと思う。 それでも…此処にはいられない。 遠くから長谷部の声が聞こえた気がした。 振り返らず走り出す。 (所詮、黒田の元で大事にされてきた君には分からないよ。やっぱり君は織田の刀なんだね。僕はあの頃に戻るなんてごめんだ) 裏の小さな門の前にやってきた光忠ははあと大きく息を吐いた。 (一度零れた水は元に戻らない様に、光を知った人形は元に戻らないんだよ。僕は人形じゃない。刀として、僕はこの本丸から出ていくよ。ばいばい、長谷部君) 小さく笑って扉を押そうとしたその背後から。 「光忠ァ!!!!」 「…長谷部、くん」 怒鳴り声にびくんっと体を竦ませる。 歪んだ笑みの長谷部が楽しそうに笑いながら近づいてきていた。 「光忠、おまえばかなやつだなあ。どんなに逃げたつもりでもおまえはここに帰ってくる。そういう運命なんだよ。逃がさないと言っただろう?さあ、どうする?その扉の鍵はもう飲んでしまったぞ?」 長谷部が己の喉元を差した。 はっとして門を見る。 知らないだろうと思って油断した。 顔を顰め、ゆっくりと彼を見る。 「ねえ馬鹿なの長谷部君。僕らは刀だよ。鍵がないなら扉を壊せばいい。僕は長谷部君の思い通りにならない。言ったよね?君に振り回されるなら僕は…死ぬ」 刀をすらりと抜いて光忠はその扉を破壊した。 そのまま西に向かって、走る。 長谷部がその後ろから追いかけてくる。 果ての無い、オニゴッコ。 「知ってる?長谷部君。刀ってね、破壊されると塵も残らないんだって!戦って刀として…君に振り回されることなく死ぬ、なんて理想だよね」 「お前のそういうところを好ましく思うよ。みすみす破壊させるわけはないがな」 長谷部が手を伸ばした。 それをひらりと躱す。 「あは、何のために逃げてるか分からないじゃないか。君に破壊されるところを助けられるなんてさ!!長谷部君のそう言うところが嫌い。大嫌い」 吐き捨てるように言う光忠に長谷部はくすくすと笑った。 「素直じゃないな。本当に仕様がない男だ。ならもう逃げなければいい。戻ってこい」 「戻って来いと言って戻ってくるとでも?じゃあね、長谷部君。もう二度と会うことはないだろうけど」 今度は光忠が笑って見せ、そう告げる。 途端、長谷部がぴたりと止まった。 「おい、光忠。頼む戻ってきてくれ。俺とお前とずっと楽しく生活してきたじゃないか。これからもきっと楽しい、そうだ、そうに決まっているだろ?」 珍しくすがるようなそれに大きく距離を取って光忠も止まる。 「ふふ、傲慢なところ、ほんと前の主そっくり。君が楽しいからって僕が楽しいとでも思ったんだ。…さようなら。来世は僕のいないところで幸せになってね」 にこ、と笑うと長谷部は顔を伏せた。 その隙にまた一歩大きく下がる。 「そうだな、確かに俺は傲慢だ。俺はお前と一緒にいて楽しかったが、お前は楽しくなかったんだな。すまなかった。お前がいない世界で幸せになるくらいならお前を思って不幸になる方を選ぶよ」 何か見当違いの事を長谷部は言っていた。 違う、違うチガウそうじゃない。 「僕の幸せを思うなら僕から離れて。もう僕に構わないで。君が不幸になろうがもう僕には関係ないんだから。…僕を…自由にして」 吐露するように彼に向って言葉を放つ。 ただ、自由になりたい…それだけなのに。 「すまない光忠、お前を手放すことはできないな…。自由?刀の俺達が自由だって?光忠は変わってるな。自由なんてどこに行こうとあるわけないのにな」 くすりと長谷部が笑った。 やはり彼はわかっていない。 「僕にとって君がいない世界は自由と同義だよ。伊達に行った僕がどんな思いだったか知らないでしょう。僕を捕まえようと躍起になってる君は、ね」 「ああ、知らんな。俺はお前ではないからな。お前が逃げなければ俺だって躍起になって捕まえようとはしないさ」 困ったように笑いながら長谷部が手を伸ばす。 顔を顰めて光忠はそれから逃げる。 「君が追いかけてくるから逃げるんだろう。君が放っておいてくれたら僕は平穏無事に過ごせるのに。君が追いかけてくるから僕は僕を殺すのに」 「いつまでも待つだけの男でいるのはやめんたんだ。欲しいものは自分で動いて手に入れてこそ、そうだろう?光忠」 「強欲だよね。君、そういう所変わらない。でもね、奪われるだけの僕はもういないんだよ。手に入れられない、目の前でいなくなる恐怖を知ればいい」 笑う彼に言って、光忠は敵陣に対峙した。 ちっと背後から舌打ちが聞こえる。 「なあ、どうしてそんなにわがままをいうんだ?なんだって叶えてやっただろう?いい子だから聞き分けてくれ」 宥めるような長谷部の声。 本当に…苛々する。 「僕の意見なんか聞いてくれた事ないくせに。なんでも叶えてくれるって言うなら僕を自由にさせて。それが嫌なら…僕は自分で命を絶つよ」 「ほんとうに手間がかかるな、お前は。もう帰ろうな、きっとつかれてるんだろう」 長谷部が笑む。 彼は本当に人の話を…自分の話を聞いてはくれないんだな、と嘆息した。 「長谷部君って本当に僕の話を聞いてくれないよね。じゃあ僕も長谷部君の話を聞かない事にするね。ばいばい、さようなら」 優しく微笑み、光忠は本体を捨てて敵の前に躍り出る。 斬りかかろうとした敵から長谷部が庇う。 「この大馬鹿者が!!どうしてこんなことをした!答えろ燭台切!!」 「どうして庇うの。僕は君から離れたいだけなのに…!!」 振り切って走り出し、槍兵の前に飛び出た。 容赦なく己の躰を斬りつける。 ぴしり、と音が聞こえた…気がした。 (…ああ、…よ…やく…長谷部くんから……はなれられ、る…) 刀剣破壊で起こる白い光が光忠の体を包む。 駆け寄ってくる長谷部に笑みを返し…光忠は意識を途切れさせた。
暗い沼から浮上するように、光忠はぼんやりと目を開けた。 「…う、ぁ……。……え?なんで…僕の、体…。…だって、僕は、ぼ、くは…破壊された、はずで……」 倒れる前とそっくり同じ体にふわりと首を傾げる。 まさか二振り目なのだろうか。 記憶保持など聞いたことないけれど。 身体の痛みは前と同じでまさか夢だったのではと錯覚をさせた。 からりと襖が開く。 そこから顔を覗かせた人物に光忠の顔が強張った。 「…は…せべ、く…???なん、で…?!!!ひ、ぐぅ、ぁああ?!!!」 逃げ出そうとして布団に倒れ込んだ。 足の痛みが戻っている。 …足はけがをしていないはずなのに。 一体何故。 「おはよう光忠。いい朝だな、体の調子はどうだ?ああ、無理に動かない方がいい。お前がまた無理をしないように脚の腱は切っておいてやったからな。大丈夫だ、お前は何も心配せずにこの部屋にいればいい」 長谷部が笑う。 つまりさっきまでの事は夢じゃなくて、破壊されたのは本当で。 …これは綿密に練られた計画で。 この鬼ごっこは己が拉致した光忠が「破壊され」二度と本丸に戻れない様、長谷部が仕組んだ罠だった。 ふら、と目の前が暗くなる。 混乱する光忠の頭を長谷部が撫ぜた。 「かわいそうに…痛いなあ。大丈夫だ、俺のお守りをこっそり持たせたことは誰にも言ってないからお前はもう折れたことになってる。内番も出陣も何もしなくていいんだぞ。…前の様に、な」 にやにやと長谷部は笑う。 知っていたのだ。 知っていて敢えて光忠に希望を見せた。 …それが…赦せない。 「…なんで…?!!…いや、いやぁああ…!…え、して…返し、て…返せよ!!!僕の自由を返せ!!!!」 ぼろぼろと涙を溢し、光忠は長谷部に掴みかかる。 何か長谷部が囁いていたが光忠には聞こえなかった。 「…いや、いや………ぼ、くは…僕は、みんな、の、いる本丸に戻りたぃ…!!!ぅあああああ!!!!」 長谷部の本体を奪い取り、己の躰に突き刺す。 赤が流れる感覚。 足りない、これだけじゃあ。 「馬鹿なやつ…。本体が無事ならいくら傷ついても、全身の血を抜かれても俺たちは死ねないのに。本体はほら、あそこに掛かってるぞ。もっとも、お前のその脚じゃたどり着けないだろうがな…」 長谷部が笑いながら指を差した。 「は、はは…そ、れは……どうか、な!!!!」 引き抜き、ヒビが入った本体に向かって長谷部の本体を投げる。 「お前は投石ができないからなぁ。もっとコントロールの腕、磨いた方がいいんじゃあないか?」 せせら笑いながら投げた本体を叩いて長谷部は軌道を変えた。 かん、と音を立てそれが落ちる。 仮にも自分の本体なのに、それほどこちらを優先したいのだろうか。 「…!!…ははっ、知らなかったかな?ぼ、くは、君より生存率高い、ん、だよ!!」 力を振り絞り自分の本体に向かって走り出す。 愚かしい、と言いながら長谷部がその足を踏みつけた。 無様に地に伏せる。 「もう諦めろ」 「…まだ、だ」 囁く長谷部に言い返し、光忠は地に堕ちた長谷部の本体を掴み上げそれを…折った。 「ぅぐぁ…ぁああああ?!!!!!き、さま、光忠ァあああああ!!!」 「は、はは、良い最期だよ」 白い光の中で悶絶する長谷部にそう告げて、折れたそれを手に持ち自分の本体へと歩み寄る。 小さく目をつむり…振りかぶった。 「さようなら、僕」 振り下ろそうとしたそれは強い力によって防がれる。 「?!」 勢いよく振り仰ぐ光忠の腕を止めていたのは…破壊したはずの長谷部だった。 「…な、んで、君…」 「守り札を付けていたのが自分だけだと思ったのか?」 呆然とする光忠の手からからんとそれが落ちる。 逃げられない。 「ぃ、や…ぃやあああああああああああぅううんっ!!!!」 悲鳴を上げる光忠の口が塞がれた。 長谷部のそれによって。 それが…悪夢の再開。
鬼さんこちら、逃げた子どちら?
さあさ鬼さん手の鳴る方へ。
捕まったらさようなら。
日の光見ずさようなら。
藤/紅葉(へし燭SSS・ワンドロお題)*大太刀長谷部×織田時代光忠
ずるずると黒い着流しを引きずった少年が書物を抱え乍ら廊下を歩いていた。 「長船の子よ」 「・・・?・・・国重様!」 ふわ、と振り向いた彼が嬉しそうに顔を綻ばせた。 長船の一振り、光忠のうちの一人。 初めて見た時は綺麗なお人形と言った風貌だったが今ではころころと表情も変わり国重の目を楽しませる。 「何処へ行く」 「藤を見に行くのです」 「藤か」 「はい。・・・国重様の目の色と似ていると聞きました」 目を覗き込み、光忠が笑った。 「そうだな」 「やはりそうなのですか!」 肯定を返すと嬉しそうに光忠が言う。 「光忠目は幸せ者ですね。遠くへ行かなくても藤が見れるのですから」 「ならわざわざ見に行かずとも此処に居れば良い」 嬉しそうに顔を綻ばせる彼にそう言って、書物を抱えた光忠ごと抱き上げる。 「わ」 「俺の元に来い、光忠」 驚く光忠の耳元に囁いた。 遠くで藤の花が風に舞う。 ひらひらと、季節は違えど舞い落ちる、紅葉の様に。
それは静かに思い出となって、風に消える。
「長谷部君?」 目の前で首を傾げる・・・あの時の少年。 尤も今はすっかり青年になってはいたが。 「いや・・・。燭台切、お前が紅葉のようだと思ってな」 「え??」 きょとんと光忠が目を瞬かせる。 赤や黄色に踊る木の葉。 その花言葉は「美しい変化」 藤色の目をしていた彼は美しい金へと変貌を遂げた。 はらはらと紅葉が舞う。 「僕は赤なんて纏っていないけど」 「いや、似ている」 不思議そうな彼にきっぱりと言って見せた。 赤なんて纏っていなくても彼は紅葉そのものだと、長谷部は思う。 「じゃあ藤は長谷部君かな」 「は?」 くすくすと笑う光忠に今度は長谷部が目を丸くさせた。 「藤は忠実な、という意味がある。・・・そう君が教えてくれたんじゃないか」 小さく彼が笑う。 そう言えばそんな話をしたこともあったなと思う長谷部の前で落ち葉が風に舞い上がった。 くるくると風に回る赤や黄色。 まるで焔のように彼を包むそれと共に、光忠が消えてしまう気がして・・・思わず彼の腕を掴む。 「えっ」 「・・・何処にも、行くな」 長谷部の言葉に目を見開いていた彼のそれがふわりと眇められた。 「・・・行かないよ」 光忠が笑む。 思い出の中の彼と少し似ている気が、した。
彼は知らない。 藤の花言葉に「決して離れない」そして「恋に酔う」という意味があるのを。
恋に酔った男の執着心をただ知らず、紅葉ははらりと宙を舞う。
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