|
へし燭&安清前提へし清
どたどたと廊下を走る音がする。 「へし切っ!!!」 凄まじい音と共に扉が開けられた。 …本当に騒がしいな、こいつは。 「うるさいぞ、加州清光。だから俺をへし切と呼ぶなと…」 「へし、切ぃ…!」 「うわっ」 文句を言う俺に、涙声と共に加州が抱きついてくる。 なんだ、こいつは。 「…また喧嘩か」 「…るっさい」 さわり心地の良い髪を撫でながら笑えば、小さく文句を言ってきた。 まあそれくらいの余裕があるなら大丈夫だろう。 「で?今日はどうした」 「…安定が、付き合うなら俺みたいなじゃなくて燭台切さんみたいな人がいいって」 「…なるほど」 ぐすぐすと泣く加州のそれにふむ、と思考を巡らせる。 恐らく大和守は光忠のところだ。 そうして、光忠を口説いているだろう…あいつもなかなかに頑固だ。 光忠は光忠で悪のりする喜来があるから…まあおおよそ。 「なら、俺と付き合ってみるか?」 「…はぁ?!なんで!」 「俺ならお前を大事にしてやるが…どうする、清光」 「…!!!おま、さいて…」 い、と紡ごうとした加州の手を掴み指先に口づけた。 その表情は纏う衣服宜しく真っ赤だ。 ああ、なるほど、な。
「可愛いな?」 「うっさい!!」 小さく笑えば怒りながらも膨れ面を晒すだけだった。
さて、どこまで続けようか??
やくそく(ねんへし燭ワンドロSSS
ねん光が俺の部屋の窓辺に正座し、空を見上げている。 その表情はどこか悲しそうだった。 ねん光がこうして空を見上げるようになってもう1週間だ。 食事も取らず睡眠も取らず…いつまでこうしているつもりなのか。 「ねん光」 「っ?!」 声をかけるとびくんっと、肩を震わせてこちらを向いた。 振り向いた表情が少し嬉しそうで、心が痛む。 「…あからさまにがっかりするな」 「…」 目線を下げたねん光の髪を撫でてやった。 ぱたぱたと手を振るが何処か元気がない。 「ねんくんは、寂しいんだよね」 上から降ってきた声に振り仰げば顔を出した光忠が小さく笑いながら俺の隣に座り込んだ。 「…」 光忠の言葉に、ねん光はしゅんと目を伏せる。 「まだ1週間だろう」 「もう1週間、だよ」 俺の言葉に光忠が訂正した。 1週間…ねんが、ねんどろいど長谷部がいなくなって1週間経った。 ねん光はいなくなった日から一途にも俺の部屋で待ち続けている。 「約束、したんだよね」 笑って光忠が言うのにこくりとねん光が頷いた。 約束…な。 「なら信じて待っててやれ。あいつも出づらいんじゃないか?」 「そうだね。きっとねんへしくんは約束を破るような子じゃないよ。ね?」 俺たちの言葉にふるふると首を振る。 思わず光忠と顔を見合わせ、ため息を吐いた。 …まったく、妙な約束を取り付けよって。
言の葉は魂を縛り付ける。 約束は思いを縛り付ける。
ねんの約束はねん光の思いをその場に縛り付けた。
『みつ、やくそく。おれがもどるまでここでまっていてくれ。おれはぜったいかえってくるから』
不確かな約束を、彼は信じて待ち続ける。
「…死亡フラグみたいなの立てていったが、あいつ、政府の元から正式に下りてくるための申請に行ったんだろう?大袈裟にもほどがある」 「長谷部くん、しっ」
(ねんが帰るのは9月!)
只今、戦闘中(へし燭ワンドロSSS
刀剣男子とは常に戦うべき生き物である。
「大和守、いたか?!」 「いません!」 刀を振りながら、大和守に声をかける。 少し頭上から声が降ってきた。 くそっ、まったく何処へ行ったんだ? 「もうこの辺にはいないんじゃ?」 「いや、いる」 すとん、と屋根の上から降りてきた大和守にさらっと言った。 気配はするんだ、きっとどこかに…。 かさ、と音がする。 …あそこか。 「大和守!」 「はぁいっと!」 俺のそれに大和守が跳んだ。 うわっと言う声と共に草むらから加州が飛び出す。 「はっ、お前なんかに捕まってたまるかっての!」 「はぁ?!僕を何だと思ってるのさ!」 ガキン!と刀同士がぶつかりあった。 戦場では見られない光景。 沖田刀の戦闘に少し高揚した 「そ、れ、にー」 「?!」 にやっと笑った加州の肩越しからびゅっと石が飛んでくる。 大和守の頬すれすれを掠り、俺の隣に落ちた。 「…光忠」 「やっぱり投石は難しいね。…当たらないや」 綺麗に微笑むのは光忠だ。 …漸くお出ましか。 「逃げ続けるとばかり思っていたがなぁ?!」 「僕がそんな無様なことをするとでもっ?!!」 嘲笑いながら俺は光忠に斬りかかる。 光忠が楽しそうに笑いながらそれをかわした。 …ああ、やはり戦闘中の光忠はぞくぞくする。 「君こそ、安定君に全部任せて逃げれば良かったんじゃないのかい?!」 「まああいつなら容易いだろうが…俺なら数秒間経たずに仕留められるからなァ!」 「現状できてないのに?笑わせるよね!」 ガキン!ガキン!と刀同士が交わる。 さて、何故俺たちが…演練の他本丸の刀ではない加州や光忠と斬り合っているかといえば…。 それは数時間前に遡る。
「勝てば何でも一つ願いを聞く」 主が企画した、戦闘訓練で用意された報酬。 俺と組んだ大和守は、「まあ貰えるならもらった方がお得ですよね、報酬」などと笑いながらちゃっかりやる気で…無論俺もそうだったが。 無事に全員倒し切り、俺は主に「では一日燭台切光忠を所有する権利を戴きたい」と進言した。 「じゃあ僕は加州清光を所有する権利がいいかな」 「…僕?」 「俺?」 きょとんとする二人。 二人は初期刀と近衛、この戦いには参加していない側なのだから当然だろう。 「俺は構わないけど。二人を物みたいに扱うってのはちょっとあれだし、二人の意見も聞いてやって?」 にこりと主が笑う。 流石は俺たちの主だ。 「俺はやだよ。なんで、安定に自分の所有権託さなきゃいけないわけ」 「僕も、ちょっと…嫌かなぁ」 ぶすくれる加州と少し困ったように笑う光忠。 そういう反応は予想済みだ。 大和守に目配せをする。 「じゃ、勝負する?所有権をかけてさ。まあ僕が勝つけどね」 「や、やんねぇし!」 「へぇ?清光はぁ、怖いんだぁ?」 「…は?」 「僕に負けて所有権取られるのが、さ」 「…上等!」 加州が挑発に乗った。 ちょっと!と慌てる光忠に加州が笑う。 「燭台切さんは見てて。へし切含めて5分で片付けるからさ」 …ほう、なかなか言うな。 「光忠。貴様は他のやつに任せて高みの見物か?」 「そうじゃないけど。まあ清光くん強いし」 にこりと光忠が笑う。 言外に煽っているのか? 「お姫様は楽で良いな。自分一人では何も出来ない美術品。お綺麗な手は汚したくないと?」 「…」 俺の言葉に光忠は無言ですくりと立ち上がる。 冷たい目が俺を見下ろした。 「…調子に乗るなよ、へし切長谷部」 氷点下零度にまで下がった、【本気】の燭台切光忠の声。 「清光くんに長谷部くんみたいな雑魚、任せるわけにいかないからね。思い切り安定くんをぶちのめしておいで」 「はぁいっと!」
黒が跳ぶ。 白が避ける。
「ったいなぁ。お前これで本当に初期刀?なにその戦い方」 「勝てばいいんだよ。俺より練度低いくせにちょーし乗んな!」
「長谷部くん、ほっんと…嫌い」 「そうか?俺は存外好きだがな」
くるりと振り向く黒に刀を突き出した白。
さあさあ
只今、戦闘中!
夏の夜(ねんへし燭SSS
夏の夜は暑い。 そういうものだ。 …そういうもの…なんだが。 「…あつい」 ねんが大の字になってぽつりと呟く。 その隣ではねん光がぱたぱたと甲斐甲斐しく団扇でねんを仰いでいた。 …仲がよろしいことだな。 「ねん光に仰いでもらっている身で文句を言うな、ねん」 「あついものをあついといってなにがわるい?」 むっとしたようにねんが俺に言う。 「まあまあ。ねんくんはやりたくてやってるんだし。…ね?」 くすくすと笑う光忠がねん光に聞いた。 ねん光がこくりと頷く。 …まったく。 「そういえば、真夏の夜の夢って喜劇、知ってるかい?」 「ああ、西洋の夫婦乱交の話か?」 「長谷部くん、言い方!!」 もう!と光忠が怒る。 …似たようなものだろうに。 「あのね、悪戯好きの妖精が起こしたちょっとした手違いで二人の男が元々好きだった一人の女性の、その親友を好きになってしまう話だよ。最後は魔法も解けてお互いちゃんとそれぞれの相手と結ばれるんだけど」 「それがなんだ?おれはまほうとやらにかかってもねんをいちずにあいするが」 「…!♡」 「ふふ、ねんくんならそう言うと思った」 自信たっぷりに言うねん、ぱあと表情を輝かせねんに抱き着くねん光、それにくすくすと笑う光忠。
平和な夏の夜だと思う。
「喜劇よりも怖い話の方が貴様は好きだろう?ん?」 「こわいはなしだ?…ふん、でかいのがこわいだけじゃないのか」 「…後々後悔するなよ、ねん」 「はっ、のぞむところだ!」 「〜!!っ!!」 「もー、二人ともやめなよ、ねんくん怖がってるだろう?」
暑い夏、夜風が簾を押しのける。 りりり、と聞こえる虫の声。
穏やかだ、とそう思った。
「で?何でそんな話を?」 「ん?内緒」
膣調教済み(何度絶頂しても子宮に射精してもらわないと最絶頂が向かえられず快楽の疼きや熱が治まらない)の光忠にアナル責めしたい。 アナルで何度もイかされるし大量に射精してもらうのに膣じゃないし、そっちは一切触ってもくれないから愛液も涙も唾液も垂れ流しの状態になってる光忠…
長船家は繁栄と平穏のため(もしくは侵略、滅亡を防ぐため)遥か昔に長谷部家(または王族、魔族)との契約を結んでおり、その証として数百年に一度、人身御供(花嫁)として女性を捧げてきた。 しかし、花嫁を捧げる年になったものの、女が一人も産まれなかった。そこで末弟の光忠に花嫁のような礼装を着せると単身で長谷部家に赴かせ、女児が産まれ次第捧げるので、もうしばらく待ってほしいこと。約束を反故するつもりはないこと。長船家は長谷部家に未来永劫隷属であることを告げる。そして、この失態を我が身を持って償うので怒りを鎮めて欲しい、と懇願する。貴様一人の命で足りるものか。とあらゆる言葉で叱責し足蹴にするが、当主である長谷部は面白そうに顔を歪め、「……だが、いいだろう。長船家の失態も許そう。女児も不要だ。貴様が“今回の花嫁”として俺に隷属するんだ」と告げる上級妖怪長谷部×巫女光忠 光忠が七歳の頃に大災害(または襲撃?)に遭い、瀕死のところに現れた長谷部に助けられる(本来妖怪との契約の儀を行えるのは一番霊力の満ちる十六歳から。年齢、霊力どちらも足りなかったため、強制的な契約の代償として右眼を貰った)成長しても常に霊力搾り取られてる状態だから長谷部を使役する以外何も出来ない。(故に長船家の能無しと誤解される) そのうち霊力では補いきれないからと、生気も与えることに。霊力は傍にいるだけで自然と長谷部に流れていくが、生気は光忠の体から直に貰うことで成立する。 つまり王道えろ展開。長船家はその手の家業として名の売れた名家。 光忠は元からそこまで霊力が強いわけではないが、長谷部との強制契約で常に枯渇しているため、術式等が一切行えない。 事情を知らない周囲はあれやこれやと噂を巻き散らし、光忠は長船家の恥、能無し。という認識をされている。
へし燭のAVによくある痴漢レイプ見たい…。電車の中で痴漢されて、強力な媚薬をアナルとかにいっぱい塗りたくられて、電車内で潮吹き。その後電車を降りてフラフラしてる光忠(呂律も回らずほぼ無抵抗)を浚ってハメまくり&メスイキさせまくりさせたいドMマゾっ娘光忠を監禁調教する話が欲しい… 中〜高校生光忠を電車の中で痴漢し、媚薬を膣に塗り込んで放置。太股から伝い落ちるくらいびちゃびちゃ愛液濡らしちゃって、電車から降りてふらふら逃げようとしてるのを捕まえて近場の廃工場とかに連れ込み、ほぼ無抵抗の光忠を強姦して家に監禁する話膣で快楽を覚える光忠ちゃんに貞操帯を取り付けてアナル調教を施す長谷部の話。
政府直属(執行機関)長谷部×メンタルケア担当光忠 長谷部は所謂、本丸内での問題(道を誤った審神者、堕ちた刀剣男士の粛清や討伐、または保護)を担う機関に所属。 光忠は様々な理由で精神的に追い詰められた審神者、傷付いた刀剣男士を彼の仕事場(仮本丸?)にて一時的に預かり、治療する。 治療、といっても共に食事をしたり、話をしたり、寄り添ったりする心のケア。 彼と過ごし、また戦線復帰するか引退する(審神者は現世へ、刀剣男士は本霊の元へ還る)のかを見極めつつ、本人の意思を尊重させる。
ブラック本丸から来た精神破壊で無表情の光忠とそれに寄り添おうとする長谷部か倶利伽羅… 感情が削ぎ落ちてるから常に無表情でぼんやり虚空を眺めて、指示以外では動こうとしない光忠 常に押し入れの中で眠ってる。ブラック本丸で発見された時も押し入れの中で折れた三振りを腕に抱き眠っていた
愛して愛して愛して膨れ上がった愛情がどうしようもなく狂って、それが狂気だと自覚していても愛して、閉じ込めてずっと自分だけの世界で生きて欲しい
へし燭で大天使×淫魔ショタのネタ纏めておきたい。大天使長谷部の監視下に置かれて、えっちなことされるエロ同人誌展開なやつ
大天使長谷部。とある使命を受けて人間界に降り、人として暮らしている。
淫魔光忠。淫魔だが性的な事に疎く、苦手意識も持っている。長谷部に出会うまで一度も精気を摂っておらず、栄養不足もあってショタ。(実は長谷部より年上?)
立派な淫魔にならなくちゃ、と保護者(鶯丸)の言いつけを破って人間界にやってくる光忠。標的を探していると、仕事終えて帰宅する長谷部を発見。疲労している彼を見て、眠りに誘い精気を貰えるチャンスだと意気込み、自宅まで後をつける。自宅に到着すると早々にベッドで眠ってしまった長谷部にそろりとのし掛かり、いざ精気を貰おうとするが臆してしまい、性行為へのあと一歩踏み込めず…。やっぱり無理だと判断した光忠は、今回は諦めよう。と長谷部から離れようとしたが。その瞬間、ガシリと尻尾を掴まれる。ぎょっとして顔を上げると、眠っていたはずの長谷部が起きており、自分の尻尾を鷲掴んでいる。侵入する際に目を覚まさないようにと魔香(相手を深い眠りに誘う呪具)を使用していたのになんで!?と焦る光忠。そんな彼を他所に、貴様が俺を付けて来たことは知っている。低級悪魔風情の呪具なぞ効かん。そう言って人間の姿を解き、大天使の姿を見せつける。淫魔であり、また悪魔としても未熟な光忠では長谷部に歯が立たないことは明白。このままだと滅される!と顔を真っ青にして逃げようとするが、術式で現れた聖なる鎖に拘束される。この俺を人間と身誤ったのが運の尽きだ。下級悪魔風情が。貴様にはたっぷり仕置してやらんといかんな。天使とは言い難いどす黒い笑みを浮かべ、拘束された光忠にゆっくりと手を伸ばす。ああもうダメだ。僕、天使に滅されるんだ…と絶望し、そこで視界が暗転。ここから長谷部に仕置きと称してエロいことをされる。やだ、やめてと口では抵抗するが初めての性行為に淫魔としての性が疼き、自身は反り勃って先走りを溢し、お尻の穴もヒクついて長谷部からの愛撫を求めてしまう。抵抗も虚しく散々前戯で嬲られ辱められた挙句、アナル処女も長谷部に奪われる。初めてのセックスが天使相手というのは淫魔にとって屈辱的な事なのに凄まじい快楽に何も考えられず、喘ぎ悦ぶ光忠。激しく責められ限界に達し、絶頂と共に大天使長谷部に中出しされ気絶。初めての精気が天使のもの。という更に異形の出来事のせいで光忠は今後、神聖で濃密な天使の精気しか受け付けない身体になってしまうが、まだしばらくはそれに気付かない。 目が覚めて魔界に戻ろうとする光忠を貴様が人間によからぬ事をしないよう、見張っておかないとな。といつの間にか光忠の首に首輪を嵌めさせており、外せないし逃げられない状態になり、軟禁状態で長谷部の元で暮らすことになる。何日か経てば外に出る事もできるが、長谷部の自宅以外で変化を解こうとしたり、悪魔の力を使おうとすると、首輪に魔力を吸われて動けなくなる。その為こっそり魔界に帰ることも出来ない。
夏休み(へし燭ワンドロSSS
夏。 蝉が煩く鳴き喚き太陽が照りつける、季節。 「はぁ?夏休み?」 「そう!!」 俺の胡乱気なそれに加州がぐっと拳を握りしめ期待感に満ちた目で見つめてきた。 「主の時代にはね!夏休みってのがあるんだって!」 「…だからなんだ」 「だーかーらぁ」 へし切は分かってないなぁと加州が言う。 だからへし切と呼ぶなというに。 「へし切に夏休みをあげようと思って!」 「…はぁ??」 にっこりと笑う加州。 いや、こいつは何をいってるんだ。 夏休み? 夏休みだって? 「俺は休みを所望してないが?」 「ぐっ。良いだろー。ちょっとくらい。主もちゃんと休まなきゃダメだよって言ってたもん」 「主がなぁ」 ぶすくれる加州に俺は上を向く。 確かに主は優秀な方なんだが…な。 「はいっ、じゃあ部屋から出た出た!」 「っておい待てこら!」 ぐいぐいと手を引かれ、仕方無しに立ち上がる。 まったく、どこに連れていく…。 「あれ?長谷部くん?」 「あ?燭台切?」 引っ張られ、付いていった先には同じく大和守に手を引かれた光忠がいた。 「それじゃあ後は」 「ごゆっくりー」 ぺいっと空いている部屋に投げ込まれ、戸を閉められる。 「って、おい!」 「安定くん?!清光くん!!」 あまりの出来事に一瞬固まってしまったが慌てて二人して戸に走り寄る。 棒でもかませたのかふすまは開かなかった。 恐らく光忠も俺と同じように休みを賜ったのだろう。 なら。 「ど、どうしよう長谷…うわっ?!」 焦ったように俺を見る光忠を押し倒す。 「ったぁ…。ちょっと、何やって」 「今日をもって俺たちは夏休みらしい」 「え?ああ、うん、安定くんが言ってたね」 「休みくらいはゆっくりしたらどうだ」 「…それ、長谷部くんが言うの」 少し驚いたように目を見開いてから光忠はくすくすと笑った。 それから珍しく俺の背に腕を回してくる。 毎日忙しい光忠に、せめてもの休息を。
夏のおやすみ、夏休み。
二人の約束(へし燭ワンドロSSS)
いつか契った約束。 俺は光忠と。
「国重さま!」 黒い着流しを引き摺った少年、長船の一振り、末の光忠が嬉しそうにやってくる。 「どうした?長船の子よ」 「今日はこれを受け取って頂きたいのです!」 定位置である膝の上にちょこんと乗り、にこにこと差し出してくるそれ。 「これか?」 「はい!」 機嫌の良い光忠が差し出してくる小さな箱を受け取り開いてみる。 …ほう。 「指輪、というやつか?」 「はい!海の向こうでは好いている者にこうやってゆびわ?を贈るそうなのです!」 書物にありました!と笑う光忠。 ああ、この子どもは分かっていないのだろう。 これがどれだけの効力をもつか! 「指輪はお前と俺の霊を結ぶと聞く」 「霊…ですか」 驚いたように光忠が言う。 しかし、すぐにそれをふわりと崩し。 「国重さまとであれば喜んで結ばれましょう。…国重さまは、この光忠めと霊を結ぶと…契ってくださいますか?」 美しいそれで笑う、子どもは。 嗚呼、なんと美しいことかと俺もまた笑った。 「ああ、契ろう。二人だけの…約束だ」 黒い髪に口付けを落とす。 くすぐったそうにくすくすと光忠は笑った。
契りましょう。 二人だけの約束を。 永久に続く、霊の契りを。
ひまわり(ねんへし燭ワンドロSSS)
「おい、でかいの。ひまわりばたけとやらはどこにある」 「…はぁ?向日葵畑?」 ねんの唐突なそれに俺はすっとんきょうな声を上げた。 またこいつはなんだってそんな。 「…みつに」 「あ?」 「みつにひまわりをやりたい」 俺の疑問を感じたのかねんがそう言った。 ああ、と思う。 そういえば、光忠とねん光が向日葵の話をしていたか。 太陽の花とも呼ばれてるんだよ、などと光忠が言っていたから気になったのだろう。 見てみたいなら言えば良いものを無駄に遠慮しているからこいつがいらん気をまわすんだ。 …まったく。 はあ、とため息を吐き出して俺は立ち上がる。 「おい!」 「…行くぞ」 怒鳴るねんにそれだけを言った。 目指すは向日葵畑。
「…みつ!!!」 「?…!!」 ねんの呼び掛けに不思議そうに首をかしげたねん光の目が大仰に見開かれる。 それはそうだ。 ねんは戦闘にも行っていないのに中傷を負っているのだから。 ちなみにそれは向日葵を切ったあとに倒れてきた向日葵に押し潰されたから、というのはこいつの名誉のために秘密にしといてやろう。 「…??;;;」 「だいじょうぶだ。…それより」 ほら、とねんが向日葵を差し出す。 蜂蜜色の目を丸くさせ、ねんと向日葵を交互に見比べたねん光がねんに抱き着いた。 「うわ、みつ?!」 驚いた声を上げるねん、嬉しそうに抱き付くねん光。 なんだ?と見上げ、その様子をくすくす笑って見ていた光忠に目だけで聞く。 「長谷部くん、知らないかい?向日葵の花言葉」 「花言葉?」 うん、と嬉しそうに笑う光忠がそっと囁いてきて、俺は目を見開いた。 …嗚呼、こいつは。
「向日葵の花言葉はね、私はあなただけを見つめる…だよ」
意外な一面(へし燭ワンドロSSS
「はあ?燭台切の意外な一面だぁ?」 「そう!へし切って燭台切さんと長いでしょ?」 「僕らが知らない光忠さんの意外な一面知ってると思って」 わくわくした表情で言うのは加州と大和守だ。 なんでまた、と問い直せば「いつも完璧で格好良い燭台切光忠も弱点があるのかと思って」らしい。 「お前らも長いだろうが」 「長谷部さんには敵いませんよ」 「産まれた時期が違うもんな」 顔を見合せ、なー?と声を揃える。 ったく。 と、いうことは本丸のことではなくもっと前の事を言っているのだろう。 「…そうだな、当時の燭台切はまだ号がなかったから、光忠、とだけ呼んでいた。背丈は俺の腰ほどまでしかなく、国重さまと呼んで俺を慕っていたな」 当時を思い返しながら言えば二人が驚いたような顔をする。 「燭台切さんがへし切を『国重さま』?」 「なんか、危ない感じ…」 「おい。…まあ、なんだ、その時の光忠は大層愛らしく…まあ今が可愛くない、などということはないんだが…それどころか今は今でまた別の可愛らしさが…。…まあその話はいい。意外な一面だったか?」 「あ、はい」 「ちょっと、安定…」 聞けば、にこりと笑う大和守とは対照的に加州が引きつった表情をしていたが…聞いといて失礼なやつだ。 「ふむ。当時の光忠は俺の後ろを常に付いて回っていたな。普段は俺の膝の上だったし、寝るときは俺の腕の中だった。ああ、金平糖が好きだったから良く懐に忍ばしていたぞ。『国重さま、こんぺとーはございますか?』と聞く光忠は可愛らしかったな。書物を読むのが好きで、新しい知識は俺に報告しにきていたぞ。それから…」 話していたら色々と思い出してきた。 ふわふわ笑う光忠は本当に愛らしかったし『光忠めは国重さまのお嫁さまになりとうございます!』と言った時はこのまま神隠しにでもあってしまえば良いと…。 「…長谷部、くん…?!!」 「げっ、光忠?!」 怒りの声に振り向けば、ふるふると震えた光忠が赤い顔で立っていた。 「清光くんと安定くんに何言ってるんだい、君は?!」 「待て、落ち着け、これはあいつらが…!」 「はぁ?!言い訳する気なのかな?!」 怒りに打ち震える光忠が問答無用、と傍にあった石…いや、あれは岩か…を持ち上げ…ちょっと待て、俺を殺す気か、あいつは! 「おい、光忠、落ち着け、話を…!」 「長谷部くんの、ばかぁ!」
「知ってたけどさぁ、へし切って…」 「うん。光忠さんのこと…」 (意外なほど盲目に愛してる)
|